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【野球】西勇輝ってさ..

西勇輝はすばらしい投手だ。抜群の制球力と投球術で相手の幻惑し、おもしろいように凡打の山を築いていく。大きく崩れる試合など年に一度あるかないかというレベルで、放っておけば勝手に7回くらいまでは投げてくれる。カードの初戦、一週間のアタマを担ってもらうに相応しいこの安定感。

こんな名投手が(30)手前にしてFAで獲得できたなんて、阪神タイガースは何と幸運なんだろう。しかも推定年俸は「たったの」2億円。実際どれくらいもらってるのかはゴニョゴニョ..だが、次の契約更新時には倍額くらい出す価値はあるよね。あの投球スタイルなら劣化速度も緩やかでしょきっと。

ただ、1点を争う投手戦にはからっきし弱いよね正直w

今週火曜の大野雄大との投げ合いで敗れたのを見て改めてそう感じた。せっかく佐藤輝明が先制弾を放ったにもかかわらず、6回と7回に1点ずつ失って敗戦投手に。もちろん7回2失点という結果自体は十分に仕事を果たせたと言えるものだが、対戦相手や試合展開を考えると「背信」とすら評したくなる投球だった。

4月6日のマツダスタジアムでも、森下暢仁との息詰まる投手戦の末、6回に先制点を許し敗戦。週のアタマを任される以上はエース級との投げ合いが多くなるのは必然なのだが、どうしても「もうひと踏ん張り」が利かない。

大野や森下、それに菅野智之はこういう試合を絶対にモノにする力があると思いませんか。

原因はたぶん投球スタイルですよね。いわゆる「エース」と呼ばれる方々は試合終盤に走者を背負うとギアチェンジして三振を奪いに行けるじゃないですか。それに対して西はあくまで相手の狙いを交わして打ち取るタイプ。たとえば走者を三塁に置いて前進守備を敷くと、バットに当てられるだけで何かが起きてしまう。この差は大きい。

気の早い話ですけど、シーズン終盤に読売さんと直接対決があったとして菅野に投げ勝てるイメージがわかない。奇跡的に打線が3点とか4点とか取ればサクサクと片付けてくれるかもしれないけれど、1点勝負となると果たしてどうか。
思い出すのは19年のCSファイナル。丸佳浩に絶妙のセーフティバントを決められ突っ伏したあの試合もロースコアの接戦でしたよね。相手投手は菅野じゃなく髙橋優貴でしたけど。
さらに究極のタラレバ話をすると、めでたく日本シリーズに進出したとして第1戦で千賀滉大や則本昂大らと投げ合ってどうなるか..

「エースは本格派」という図式は古いようで不変の真理。本当ならば豪速球と鋭い変化球でバッタバッタと三振を取れる若きエースが阪神にいたはずだが、まだまだ迷走が続く現状。いつか西が2番手3番手で十分という戦力を構築できたときが、優勝できるチームと言えるのかもしれない。

何だかすっかり貶してしまうような記事になったが、毎週きちっと仕事をしてくれる最高のイニングイーターのありがたさはよーくわかっているつもりです。そこはくれぐれも誤解なきよう。

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