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【野球】足踏みか実力か..阪神タイガース、交流戦明け9勝14敗1分で中断期間に突入

わずか1ヶ月前の浮かれっぷりが懐かしい限りだ。

■ 思いもよらぬ失速で中断期間に突入

交流戦最終カードの楽天戦で3連勝を決め、リーグ戦再開初戦の読売戦も圧勝。ああ、このまま独走が始まってしまう~と脳内にお花畑を広げていたら、思いもよらぬ現実が待っていた。
交流戦終了後は9勝14敗1分と大きく負け越し、最大「21」あった貯金は「15」まで減少。同じく最大で「8」まで広がった2位とのゲーム差も「2」まで縮まった。08年以来の首位ターンという事実そのものは歓迎材料だが、明らかに勢いを失いつつあったところでの中断期間突入ということに。

試合を見ていても重苦しいですよね、雰囲気が。

■ 一番の原因は打線、「四番・大山」体制崩壊があまりにも痛い

原因は色々と思い当たりますけど、一番はやはり打線。単純に得点が取れないというのもあるし、「ここで一本が出ていれば」という重要な局面で好機を逃す場面がとにかく目についた。

(中)近本 .292 06 31 .735 +9.2
(二)糸原 .279 01 25 .682 -8.6
(左)サン .273 17 50 .860 -8.1
(一)マル .284 16 46 .900 +1.9
(右)佐藤 .267 20 52 .833 +2.9
(三)大山 .245 10 43 .703 -3.6
(捕)梅野 .247 02 24 .646 +0.0
(遊)中野 .278 01 17 .671 -4.1

前回の個人成績まとめと照らし合わせてもらえるとわかると思うが、全体的にそこまでガッツリと数字を落とした選手は少ない。よくこの水準を保っているなという前向きな印象を受けるほど。

ただ一人を除いては。

やはり「四番・大山」体制の崩壊が一番の誤算。リーグ戦再開後くらいから好機での凡打が目立ち始め、6月末にはとうとう六番に打順を下げる措置が取られた。以後、神宮でのヤクルト戦では3試合で2本の本塁打を放つなど復調の兆しを見せたが、四番に復帰してからも本来の打撃からは程遠い状態。
一人に責任を負わせるのは適切ではないとわかっていても、主軸がここまで長きに渡って調子を落としてしまうとチームに及ぼす影響も大きい。夏の再浮上がなるかどうかは、彼が本来の打撃を取り戻せるかが一番のカギになる。

■ 先発は引き続き安定も序盤に崩れ始め..そして相変わらず苦しい中継ぎ陣

青柳 14試合8勝2敗 1.79 QS12 95+1/3回
アル 07試合2勝2敗 4.05 QS04 40回
ガン 12試合6勝1敗 2.47 QS08 69+1/3回
西勇 15試合4勝6敗 3.19 QS09 98+2/3回
伊将 12試合5勝5敗 2.70 QS07 76+2/3回
秋山 14試合7勝4敗 3.32 QS08 78+2/3回

先発陣では青柳晃洋が完全にエースとしての働きを見せている。週のアタマに好投手と投げ合い、長くマウンドを守ってチームを勝利に導く..何のケチもつけようがない。さすがは侍ジャパンである。
他も長い目で見れば大崩れせずローテは維持できているのだが、序盤戦はほとんどなかった炎上が時々起こるようになってきた。DeNA戦の秋山拓巳、広島戦の西勇輝、そして読売戦の伊藤将司と序盤に大量失点を喫し、早々に負け確定みたいな展開もここにきて徐々に増えてきてしまった。もちろんシーズンの中ではそういうことも起こりうるので責めるわけにはいかないが。
そんな中、中谷将大とのトレードで獲得した二保旭はユーティリティな活躍を期待してよさそうだ。いきなり初先発に任命されたヤクルト戦では初回に4失点を喫したものの、以後は立ち直り先日のDeNA戦ではリリーフ登板で無失点。圧倒的な投球スタイルではないが、台所事情を支えてくれそう。

あとは高橋遥人ですよね..9月頃に間に合えば。

及川 15試合2勝1敗04H00S 1.56
岩崎 34試合1勝3敗22H00S 3.56
スア 36試合1勝1敗01H25S 1.53

馬場 23試合3勝0敗10H00S 3.65
斎藤 12試合1勝1敗02H00S 3.14
藤浪 18試合3勝2敗05H00S 4.35 QS2
石大 16試合0勝1敗00H00S 6.91

岩貞 30試合2勝0敗14H00S 4.18
小林 18試合0勝1敗04H00S 2.81

そして相変わらず立て直しの兆しが見えない中継ぎ陣。もはや安心して見ていられるのはスアレスだけ。
岩崎優は交流戦での炎上によって再調整期間が与えられたが、戦線復帰後も相変わらず不安定。何より一発を浴びるケースが多く、本来のキレを欠いているのは明らか。こんな状態で代表に呼ばれていいのだろうか..
あとは勝ちパから外れた岩貞祐太が、その後も矢野監督の信頼を取り戻せずとうとう二軍へ。ここ最近は左へのワンポイントみたいな起用も見られ、安打を浴びて即降板みたいな試合もあり、評価ガタ落ちを肌で感じる。実績的にも能力的にも、後半戦はどうにか元のポジションで戦力になってもらわなければ困る存在。

そんな中、緊迫した状況を任されるまでに成長を遂げたのが及川雅貴。およよである。思い切りよく投げ込まれる150kmのキレイなストレートで相手打者を押し込む場面がすっかりおなじみとなった。ゆくゆくは先発で大きく育てたい逸材だが、高卒2年目にして大器の片鱗を見せてくれたのは今後に向けても大きな財産。

■ 失われた「積極性」を取り戻し、一時は確信した優勝を手にするためのキーマンは

アホみたいに勝ちまくっていた時期と今を比べると、何が違うって「積極性」だと思うんですよね。交流戦までは攻撃面でもっとガンガン仕掛けてたけど、今はどうしても慎重にならざるを得ない。
これは気持ちが守りに入っているとかではなく、試合の流れがそうさせている。あと1回でも早く得点できていれば、あと1回でも踏ん張れていればというところで相手に主導権を握られる試合が多いせい。たぶん盗塁数の伸びが鈍くなってるんじゃないかな..
逆に言えば、しょうもないミス続出で負けているとかではないのが救い。打てないこともあればボコボコにやられてしまうこともある。それを嘆いても仕方がないからね。

さて、もう一度上昇カーブを描けるのでしょうか。さすがにこの時期から彗星のごとく救世主が現れるというのは考えづらく、今の主力メンバーの頑張りが問われるわけですが、そうなるとキーマンは自ずと決まってきますね。大山と岩貞。不振に悩む投打のキャプテンが復調すれば、現状のウィークポイントを解消できるわけですから。

一時は「確信」してしまった優勝だが、今はすっかり気持も揺らいでしまった。仮に頂点をつかめたとしても、最終盤までもつれるのは必至。苦い思い出を刻むシーズンになりそうな予感もしてきたが、前向きに日々の戦いを見届けたい。

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