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自分らしい最期

私は福祉の相談員として働いている。

利用者のお宅に訪問する。しなければならないと法律制度が決まっている。
本音はきてほしくない人や何しにきてくれるのか理解できていない利用者もいることも肌で実感している。
だけど、気にしないふりをして訪問する。
続けていくと、利用者やその家族から頼りにされて色々な話をして頂ける様になっていく。

どんな人とでも信頼を得るには回数が必要なのである。
人間関係で、たまに会い長く話す人よりも時間が短くても何回も話す人の方が仲良くなれると教わったことがある。
それを聞いてそうそう!と思った。いつも実感していたから。それを知ってから何も相談がない時期でも、会話があまりなくて訪問時間が短くなってしまっても安心な気持ちになった。
利用者の生活の質が少しでも良くなるのかを根底に考えながら部屋の環境や生活状況を把握していく。
そして段々、離れがたいという感情になってしまう事がある。

今年に入り、何人かの利用者が亡くなった。
人生の最期に携わらせて頂く。
ほんの一部しか知らない。
何も知らないといっても過言ではない。
なのに悲しいし、さびしい。

「感情の転移」とは、援助の過程で感情が援助者に向けられること。
その逆で、利用者の感情に影響されて支援者側に葛藤や心理抵抗が生まれることを「逆転移」というが、逆転移をしてしまうのだと思う。

そうなのでしょう。
私の相談業としてよりも人同士のエンパシーを感じ合いたい。との自分の変え方に影響され易いから。

★★

私は、三浦春馬さんの最期に余りにも衝撃を受けた。
後からファンだし、知り合いではないのにね。

今でも三浦春馬さんは、正真正銘の役者なのではないかなと思う。
ドラマや映画作品、舞台やミュージカル、日本製の本、朗読作品、どれも心が引き込まれる。
人との関わり方や接し方だって知る度に、素晴らしい人柄を感じさせる。

ショックで忘れられない人がたくさんいる。
この社会現象からだって色々と教えてくれる。
三浦春馬さんにふれ合うと、毎日のくすんだ気持ちが揺すぶられ清らかになる。
三浦春馬作品は、血の通った産業となった。
春馬さんの発言の様に。

★★

援助関係の形成方法は、
援助者の間につくりあげられる信頼関係をラポールというが、援助の基本となる。
自分自身の感情を自覚してありのままの自己に気づき受け入れる自己覚知できているか。
自分の価値観を押し付けない為に、自己覚知を意識して相談業を行うようにしたい。

相談員として、理論の知識も大切だけど利用者さんとの支援から得る経験は貴重な体験となり、自分の人間形成に積み重なっていく。
春馬さんの最期のことは私にとり悲しい経験だ。
でも別の言い方をすると、自分の人生に関与する大切な人となっている。


最近、自分の最期はどうしたいか。
どう生きていきたいかを自問自答するようになった。

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