「紅は匂へど散りにけり」考察

「紅は匂へど散りにけり」考察

これは長岡造形大学 演劇サークル「平成ぽこ」
冬公演「紅は匂へど散りにけり」を観ての考察です。

感想はこちら(https://note.mu/86chnote/n/nfa89de3bb2e2
ややこしやーややこしやー。
(ほとんどwiki知識です)


【紅散りでお勉強・明治】
幕末の騒乱を終えての明治に入った時代が舞台の今作。江戸時代まで幕府が握っていた政権を天皇へ返還した。明治維新である。明治天皇の即位は1868年。150年ほど前のことですね。
開国してからというもの日本の習俗を奇異や好奇の目でみる外国人が多かったらしく、明治新政府は新しくなった日本を誤解させないように西欧化を進めた。そして、それまでの土着信仰や民族風習を排除するような政策をとったとか。また、「廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)」と言って仏教関連のものをぶっ壊す動き、特に明治の日本では「神道を国教とする」っていう方針のもとに「神仏分離」が行われた。神道と仏教がごっちゃ混ぜになっていたものを分離して、ウチは神道イッポンでいくぞってことですね。なんで神道っていうのは、天皇をトップに据えるってことと密接に関係してますね。そんな感じで、廃仏毀釈によって取り壊された寺院や、石仏なんかもあるみたいです。

明治に入ってからの西欧文化の取り入れはいうまでもなく、鉄道や蒸気船つまり蒸気機関・ガス灯・レンガ建築・肉食の取り入れ・あんぱん・演劇改良運動(!?)・そしてホテルに代表される洋風建築。

廃刀令もその一環ですね。「大礼服並軍人警察官吏等制服着用の外帯刀禁止の件」「明治9年太政官布告第38号」ということで略称が廃刀令もしくは帯刀禁止令。ってことは紅散りは少なくとも明治の二桁年代のお話なのかな?あ、廃刀令では禁止されたのは「帯刀」で、所持所有までは禁止していないところがポイント。でも刀は武士の魂だ、刀を身につけることが武士の証明だ的な感じで武士のアイデンティティーを奪うこの法令に、士族は反発したと。

●楓さん黒狐さんたちのもともといたのは神社?お寺?神仏習合で混ざってた説あるか。描写で人々に崇められて社殿を作りましたー!みたいなところもあったけど、地域住民らがお金を出し合って建設した程度ならものすごい規模、ってわけではないんだろうな…。政策で取り壊し、お、空き地できるやんホテル作ったろ、これにもうなずける。

※ちなみに前回の感想1(https://note.mu/86chnote/n/nfa89de3bb2e2)で「和風、大正とか〜」と書いたけどこれ大正どころか明治のお話ですよねすみません。そうすると近年のぽこ脚本中、時系列ではもっとも前の話?あっ違う、軽鴨伝はもっと前だったっけ??やばっ俺の記憶が…今日…過去…???覚えてない…というか…観れてない…(改めて涙)

平成ぽこは追いかけ続けろ。


※追記:2018/2/12 タイトルや本文中で「紅は匂へど散りぬるを」になっていたので修正しました。最悪のミスだ…



サポートしていただくと、元気になります。元気は良いこと