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PrusaSlicer+Prusa Mini+でのサポート実験(Overture PLA) 0.6mmノズル

以前から下に突き出した形状(=サポート必要)がうまくプリントできずにいました。Yoyomakerさん、麦茶さんのライブ、はるかぜぽぽぽさんのNoteで勉強し、いろいろと試してみたくなりました。すでに作成済みのサポートテスト用のモデルを使って実験をしました。普段、0.4mmノズルを使用していますが、0.6mmノズルを使うと条件が合わない気がしています。今回、STEAM教育の成果物を大量にプリントする必要があり、プリントの高速化のために0.6mmノズルできれいに出力する必要があります。ということで、0.6mmノズルを使った時の条件出しをしてみます。これまでは、Addaptive Layer Heightを使ってきたのですが、レイヤの高さが低い時には色が変わったりしますので、静的な評価のためにレイヤ高さは0.35mm固定にしてみます。

目的と試験方法

テストモデルのデザインはこんな感じ。

目的:0.6mmノズルでのOverture PLAサポートの条件だし
実験環境: 3Dプリンタ Prusa Mini+
      ノズル:0.6mm
      ノズル交換時期:2022年2月10日(0.6mm)
      フィラメント: Overture matte PLA
      デザイン: 麦茶さんのサポート条件だしのデザインModify

テストモデルはこんな感じです。

以前の検証(0.4mmノズル)はこちらにあります。

試験

条件

パラメータは以下の通り。

固定値: インフィル密度:5%、ノズル温度:220℃、xy間隔:80%、ブリッジ速度:25mm/s、他はデフォルト通り
Z軸のサポートーオブジェクト間距離、インターフェースレイヤー数は、上面、下面ともに同じにしています。

参考にさせていただいた麦茶さんのyoutubeはこちら。モデルを参考にさせていただき、少々変更しました。

どれがどれだかわかるように刻印しました。また、サポート下部への影響がわかるように、上面の一部を薄くしてニッパーでサポートを外すときに一緒に外せるようにしました。

試験結果俯瞰

結果を俯瞰してみます。

サポートの上側はすべてきれいにはがれています。
サポートの上側は条件によって異なります。
球および球の周囲の平面波条件によって異なります。

サポートの上面はいずれもきれいで比較は困難でした。サポートの下側は大きく様相が異なります。

試験結果詳細

一つ一つ見ていきます。

2. コンタクト距離:0.15mm インターフェイスレイヤー:3層
サポートの上側はほぼきれいにはがれています。
サポートの下側を見ると、半球は頂点付近(プリント時は、最下部)にたるみがみられますがある程度きれいにプリントされています。平面は全面的にインターフェースレイヤーが残っています。

No.2 サポート上側は、しきれいにはがれている
サポート下側(平面)は、サポートが除去できなかった
半球の頂上はたわんでおり、半球の周辺がはがれていない。

3. コンタクト距離:0.2mm インターフェイスレイヤー:4層
サポートの上側はほぼきれいにはがれています。
サポートの下側を見ると、半球は頂点付近(プリント時は、最下部)にたるみがみられますがある程度きれいにプリントされています。半球の周りなど平面にインターフェースレイヤーが残っています。

No.3 サポート上側は、しきれいにはがれている
サポート下側(平面)は、サポートが除去できなかった
半球の頂上はたわんでおり、半球の周辺がはがれていない。

6. コンタクト距離:0.2mm インターフェイスレイヤー:3層
サポートの上側はほぼきれいにはがれています。
サポートの下側を見ると、半球は頂点付近(プリント時は、最下部)にたるみがみられますがある程度きれいにプリントされています。平面においても、半球の周りや外周などにインターフェースレイヤーが残っています。サポートの上の面の粗さが気になります。(私としては)

No.6 サポート上側は、しきれいにはがれている
サポート下側(平面)は、サポートが若干残る。サポート上部の1層目の粗さが気になる。
半球の頂上はたわんでおり、半球の周辺がはがれていない。

7. コンタクト距離:0.2mm インターフェイスレイヤー:4層
サポートの上側はほぼきれいにはがれています。
サポートの下側を見ると、半球は頂点付近(プリント時は、最下部)にたるみがみられますがある程度きれいにプリントされています。平面においても、半球の周りや外周などにインターフェースレイヤーが残っています。サポートの上の面の粗さが気になります。(私としては)

No.7 サポート上側は、しきれいにはがれている
サポート下側(平面)は、サポートが若干残る。サポート上部の1層目の粗さが気になる。
半球の頂上はたわんでおり、半球の周辺がはがれていない。

10. コンタクト距離:0.3mm インターフェイスレイヤー:3層
サポートの上側はほぼきれいにはがれています。
サポートの下側を見ると、半球は頂点付近(プリント時は、最下部)にたるみがみられますがある程度きれいにプリントされています。平面もきれいにサポートが除去できています。サポートの上の面の粗さがさらに際立ってきました。(私としては)

No.10 サポート上側は、しきれいにはがれている
サポート下側(平面)は、サポートが若干残る。サポート上部の1層目のたわみが気になる。
半球の頂上のたわみが激しくなっているが、半球の周辺ははがれた。

11. コンタクト距離:0.3mm インターフェイスレイヤー:4層
サポートの上側はほぼきれいにはがれています。
サポートの下側を見ると、半球は頂点付近(プリント時は、最下部)にたるみがみられますがある程度きれいにプリントされています。平面もきれいにサポートが除去できています。サポートの上の面の粗さがさらに際立ってきました。(私としては)

No.11 サポート上側は、しきれいにはがれている
サポート下側(平面)は、サポートが若干残る。サポート上部の1層目のたわみが気になる。
半球の頂上のたわみが激しくなっているが、半球の周辺ははがれた。


結論

  • サポート上部はすべての条件で良好でした。

  • サポート下部は、0.2mmだと平面、特に周ではがれにくく、0.3mmの時にたわみがみられるという状況でした。すなわち、サポートとのZ距離は0.2mm~0.3mmに最良点がありそうです。インターフェースレイヤーは3以上で良好でした

  • 半球部分は、すべてたるみがみられました。

ということで、PLA(Overture)で0.6mmノズル、0.35mmレイヤ高さでのサポートは、Z距離0.3mm、インターフェースレイヤー3以上とすることとします。
この結果を、0.4mmノズルの時と比較してみます。

今後は上部はZ距離0.15mm以上、インターフェースレイヤー3以上を最良条件、下部はZ距離0.2mm、インターフェースレイヤー3を最良条件としたいと思います。

Overture PLA 0.4mmノズル

→0.6mmノズルでの最適なZ距離は0.3mm(今回の条件では)、インターフェースレイヤー3以上でしたので、0.4mmノズルとは最適な条件が異なります。

サポートテスト用のモデルはこちらからダウンロード可能です。
ご興味あれば是非お試しください。
スライサ上で、お好みの設定で試していただければと思います。

結論

今回の結果

mini+用のプロジェクトファイル、stlファイルはこちらからどうぞ。設定を変更してお使いくださいませ。

https://www.prusaprinters.org/prints/92969-support-test




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