共感または有用note

12
ノート

わたしは搾取されているのか

『ビル・ゲイツ 未来を語る』からの引用、今日で最後になります。やっぱり最後はこの話題、出版の未来についてです。

 紙の本を一冊買った場合、代金の大部分は、作品の著者に対してではなく、製造コストと流通コストにあてられる。木が伐採され、すりつぶされてパルプになり、それが紙になる。その紙に文字を印刷したものを製本してはじめて本ができあがる。大多数の出版社は、すぐに売れると見込んだ部数をもとに資本を投下

もっとみる
椅子の上にも3円。
47

比喩のうまさとオノマトペ

きのう、イギリスの音楽紙「NME」の日本語版サイトで、こんな記事を見つけました。

リアム・ギャラガーやポール・ウェラーらのミュージシャンが、「ジョン・レノンのなにがすごかったか」を語る記事です。このなかで、ポール・ウェラーがこんなふうに言ってるんですね。

そして “Twist And Shout”や“Money (That’s What I Want)”、“Dizzy Miss Lizzy”、

もっとみる
教祖猫を噛む。
51

ある詩人のことば

昨夜の遅い、日付のまわった時間帯。仕事に行き詰まって、本を読んでいた。

行き詰まるというのは、自分と状況とを客観視できなくなることだ。そういうときぼくは、「遠いところ」の本を読むことが多い。自分が亜熱帯のジャングルをさまよっているとしたら、南極に住む皇帝ペンギンの生態に関する本を読む、という感じだ。

そこで出合ったのは、ある詩人の、こんなことばだった。

日本にはたしかに素人詩人が多すぎるよう

もっとみる
桃栗三年、カキうまいねん。
182

経営者のまかないめし

本屋さんに足を運ぶ。ビジネス書のコーナーに歩を進める。ざっと棚を眺めてみると、まあたくさんの本が並んでいる。何冊となくヒット作を出されている売れっ子の著者さんもいるし、そのお名前を存じ上げない著者さんもいる。

後者について、どういう方なんだろう? 手に取ってみると、どこかの企業の経営者であることが多い。たぶん、今月だけでも何十何百という経営者が自著を出版し、来月も再来月もたくさんの「株式会社○○

もっとみる
鬼にカネボウ。
30

ダメな原稿がダメな、ほんとうの理由

偉そうに聞こえたり、「わかったようなこと」に聞こえたりするかもしれないけれども。そしてこういう断り書きを入れる自分は弱いなあと思うけれども。

こうして note を書くようになって、ほんとうによかったと思っている。なんなら知り合いのライターさんたちすべてに、毎日書くことを推奨したい。編集者だって書いたほうがいい。出版まわりじゃないお仕事の人も、ぜひぜひだ。

なぜか。

文章力の向上、ではない。

もっとみる
出る釘は浮かれる。
344

予定調和をやめる問い

韓国での『嫌われる勇気』プロモーションツアーを終え、いろいろ思うことがありました。ありがたいことに韓国では6週連続でベストセラーランキングの1位となり、書店には『嫌われる勇気』韓国語版のみならず、たくさんのアドラー本が並び、まさにアドラーブームの真っ只中。2泊3日の滞在中、十数本のインタビューやトークショーをこなし、たくさんのことを聞かれ、たくさんのことを答えました。

ひとつうれしかったのは、記

もっとみる
教祖猫を噛む。
34

ネーミングのお手本

文章を書くことをなりわいにしておきながら、これはぼくには無理だなあ、と思うのがネーミングのお仕事です。本のタイトルとも違う、帯文コピーとも違う、単語としての名付け。これができるひと、つまり抽象と具象の接地面を見つけるのが抜群にうまいひとって、やっぱり特殊能力の持ち主じゃないかと思うんですよね。ということで本日は、ぼくが大好きなネーミングをいくつか紹介したいと思います。

(1)ひかり
やっぱりすご

もっとみる
馬の耳に壇蜜。
28

「仕事に謙虚であること」とは

昔、どこかの新聞で読んだ話。

ある地方の一軒家に住むお父さんは、大晦日の夜、門のところに置かれている新聞受けにメッセージを書いた紙を貼った。

「去年1年間、毎日、新聞を届けてくださって、どうもありがとうございました。今年も、よろしくお願いします。」

メッセージにはそう書いてあった。

元旦の朝、たまたま早く起きたお父さんが窓から外を見ていると、ちょうど、新聞配達のお兄さんが新聞を持って来たと

もっとみる

突然「この人,痴漢です」と言われたら

■問題
 もし,あなたが,突然,電車で「この人,痴漢です」と言われたらどうすべきでしょうか?

■結論
 駅のホームから動かずに,その場から,携帯で知り合いの弁護士か弁護士会に連絡すべきです。

 そして,「今から弁護士が来るので,それまでここで待ちます。移動しません。」と説明してください。

 駅員室や鉄道警察の建物には移動しないでください(特に駅員室には移動しないでください。理由は後述します)

もっとみる

売れない本のつくりかた

ぼくは本をつくる仕事をしています。だから当然、毎日どころか毎時間、毎秒のように「売れる本」のことを考えています。「いい本」をつくるのなんて、プロとして当たり前の大前提。たいせつなのは、その「いい本」をどうやって「売れる本」にしていくか、つまり読まれるべきたくさんの人に届けていくか、なのです。

それで、たぶん世のなかには「これをすれば売れるよ」なんて法則を持っているひと、正確にはその発想に縛られて

もっとみる
出る釘は浮かれる。
64