見出し画像

続:"花と緑のあふれる町"のいま

※注意
この記事は、震災や事故にかかわる写真を掲載しています。気分を害される方はブラウザバックを推奨します。

はじめて福島県富岡町を訪れてから1カ月。

2023年3月23日。先の資金を犠牲に、「学生生活最後の旅」として、再びあの地を訪れた。
前日は18きっぷで一日中電車に乗り続け、22時にいわき着。そして翌朝、いわきから原ノ町行きに乗り、富岡駅で降りた。


最初の目的地へ向かうバスまで時間があるので、駅前を少し歩く。


あるのは、だだっ広い空き地ばかり。

バスでとみおかアーカイブ・ミュージアムへと向かう。
施設の外観写真は撮り忘れた。


富岡の歴史を学び、震災の遺留品を見ることができる。

「東日本大震災と原発事故は、この地域を大きく変えてしまいました」
当時使われていたホワイトボード
ひしゃげたパトカー

現場で使われていたものも展示されており、緊張感が伝わった。
震災と原発事故によって何が起こったのか、知る機会になる施設だと思う。

展示を一通り見終えて退館したあとは、国道6号線に向かい、歩いて北上した。

1か月前は時間の都合で見ることができなかった施設の数々が、目の前に現れていく。
一言で言えば、凄惨な光景の数々だった。

荒れた店内。

色褪せた看板。

アスファルトから生えてくる雑草。


道を歩く人は自分以外に誰もいない。
「人が去った世界に、自分だけが取り残された」
そんな気分だった。

ここらでちょっと脇道に逸れてみる。

歩いている途中に小雨が降りはじめた。
この町の彩色を、さらに落としていくかのような雨だった。


もはや何も言えない。
この当時で震災から12年が経過しているのである。このような現状を知ることができるのは、現地へ行かないとわからない部分も多い。

ここでようやく、遠目にだが地元住民らしき人同士で話し合っているのを見ることができた。
この地域における課題は山積みだと思うが、少し安堵した。


蕾が開き、彩りを見せてくれるまでは一週間訪れるのが早かった。惜しい。


夜ノ森駅の待合室で持参したおにぎりを食べ、この地を去った。

また、再訪できることを願って。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?