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「ベンチャー企業、スタートアップだから〇〇」という言い訳

ベンチャー企業やスタートアップは僕にとってはとても魅力的な職場だと思っている。

例えば転職を考えている人にとってベンチャー企業への転職というのは一つの選択肢になりうることも多いだろう。

でもね、ベンチャーとかスタートアップといわれる企業にいると必ず聞く言葉がある。

「うちはベンチャーだから~~~~」というやつだ。

僕はこの言葉が嫌い。というか、この言葉があらゆる不都合の免罪符のようになっていると感じることがある。

もちろん、「ベンチャーだから」のあとに続く言葉によっては、それが正しいと思えることもあるのだが、この言葉を連発する企業はちょっとヤバいと思う。
とくに経営者が社員を前によく言うようだとなおさら。

「ベンチャーだから」の後によく続く言葉ってどんなものがるのか、ちょっと紹介してみたい。


1:うちはベンチャーだから、一人の仕事量が多くなる

これ、たぶん一番多いです。
僕の感覚だと、仕事量が多い ということ自体は多くの場合で正しいとは思う。でも、時にこの言葉を「仕事の押し付け」や「残業/休日出勤」を正当化させるためだけに使われることがある。

これ、絶対にアカンやつで、ベンチャーの経営者や従業員が考えなくてはならないことは、絶対的に多い仕事量に対して、精神的なタフさを発揮して乗り越えることではなく、如何にしてその仕事量を短時間で効率的に、生産的にやっつけるか?ということなんです。

ここを理解せずに、「うちはベンチャーだから仕事量多いけど大丈夫?」なんて転職の面接で聞かれたら、こっちからお断りするべき。いろんな夢や希望や野望をもってベンチャーへの転職を考えているのに、こんなとこ行ったら潰されます。


2:うちはベンチャーだから、スピード感が大事

これもベンチャーあるあるの筆頭クラスですね。誤解の無いようにいうと、これを言わないベンチャーもそれはそれでヤバいです。ベンチャーにスピード感はマストです!

ただ、僕が問題視しているのは、(特に経営者が)ろくに物事を考えずにテケトーに”素早く”判断を下し、後日(もしくは数時間後に)「ヤバいヤバい」と判断を変える際の常套句になりがちなコト。

ベンチャーで働く際に必要なのは、朝令暮改に慣れてしまう不感症的メンタルなんかではなく、上にも書いたとおり、スピード感をもって目の前の仕事をとにかく早くやりきること です。

なぜこのスピード感が必要なのか?

それは、得てしてベンチャーやスタートアップは人でも足りなけりゃ、インフラとか制度も整っていないことが多い。そのため、業務的な作業はとっとと終わらせて、残りの時間を「より良い会社にするために考え抜く」ということに充てていかないと、組織の成長がなくなるからです。
「誰かがやってくれる」とか「そのうち何とかなるだろう」って思った時点で、あなた自身も会社も“その程度”で終わることでしょう。

3:うちはベンチャーだから、いろんな経験ができる

既出の1・2のことが理解できて実践できていれば、この3の内容は間違いなく正しいことだと言い切れると思います。そう、日々の「作業」はとっとと終わらせて、より成長するためのPDCAタイムに突入できる人は、いろんなことができます。(これがもしかしたらベンチャーで仕事をする最大のメリットかも知れない)

ただ、「いろんな経験ができる」が、「いろんなことに付き合わされる」に変換されているケースが往々にして存在します。ヤバいのはこのパターンですね。

実力に変換できる経験というのは、自ら取りに行ったものでないと、成長 という観点で考えるとあまり意味がないんですね。
やらされる経験 が無意味というわけではなく、自分で考えて「経験しておいた方がいい」と思える経験は何にも代えがたいものになります。

前述のように、朝令暮改系のグダグダなトップダウンの指示につき合わされると、結局日の目を見ることがないうえに、「いい経験になったね♡」なんて言われちゃうこととかあったりします。

結局、ベンチャーだからなんなのさ?

と、いろいろ書いてきましたが、僕自身ベンチャー企業で仕事をしていて、本当に楽しくて、成長を感じることが出ています。その理由の一つに「ベンチャーだから」という言葉に対して思考停止せず、「それ本当か?」と常に疑問(時には疑い)をもつ習慣が身についているからなんでしょうね。

ベンチャーだから
・仕事量が多い
・スピード感が大事
・いろんな経験ができる

というのは、いずれも事実です。

ただ、その言葉が出てくる背景や、自分なりの意思・考え方の軸を持っている必要はあります。

転職活動中のあなたへ、ベンチャーやスタートアップという職場は、人によって天国にも地獄にもなり得ます。自分が得意な仕事スタイルや、なぜベンチャーなのか? をよーく考えて、「それでもベンチャーだ!」と腹を括ったら是非、飛び込んでみてください。

大事なことなのでもう一度書きますね。
「ベンチャーは人によって天国にも地獄にもなり得ます」

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