統率者 スペースゴジラ(ブロコス)~破壊神降臨できるのか~
#1【その名はスペースゴジラ!】
統率者は、様々な理由で決定されます。
動画や記事で紹介されていたから、他の人が使っていたから、パックから出たから、使いたい戦術で調べたら合致していたから。
自分の最初の統率者、《原初の飢え、ガルタ》はネットで安価で使いやすいとのことで組みましたが、自分のデッキという感じがしないで早めに崩してしまいました。
ほぼネットのリストをいくつか組み合わせたくらいで、統率者の楽しさを教えてくれましたが、どうにも僕の手には馴染まなかった。
そして、自分のデッキであると胸を張れる最初の統率者が、今回の主人公、《結晶怪獣、スペースゴジラ》でした。
イコリアにて登場したゴジラコラボ版の《永遠の頂点、ブロコス》ですね。
スペースゴジラは宇宙へ広がったゴジラの生命力を秘めた超細胞、G細胞がブラックホールに取り込まれ、その中で産まれた超怪獣です。
そして、頂点は自分一人で十分と地球へ飛来。
G細胞を有するオリジナルのゴジラ、そしてまだ幼いリトルゴジラへ歯牙を剥きます。
主演の劇場作品は「ゴジラVSスペースゴジラ」のみでありながら、ゴジラを強化したようなシンプルながら凶悪な……長いですか? はい、すいません。
公式の予告編。小林さんのナレーションがカッコいいですね!
平成ゴジラシリーズは僕はバトラやデストロイアも好きなので、この両者もカードがしたのは嬉しかったですね。
デストロイアは固有色が違うので入れられませんが、バトラは…………長い! 関係ない話が! 長い!
まあ、とにかくカッコいいんですね。
《ガルタ》ももちろん大好きです。恐竜はロマン。
しかし、《スペースゴジラ》は怪獣です。わかりますか? 怪獣は人生です。
怪獣! そう! 実際の世界には存在しえないからこその“怪”獣!
通常の獣とは一線を画し、人知の及ばぬ戦闘力! 巨体! その威容は……ちょっと待って。なんで今回、こんなにすぐに脱線すんの?
今回も画像はMTG日本公式より引用、並びに一部手持ちのバトスピカードを使用しています。
#2【破壊神降臨!……なのか?】
《スペースゴジラ》は変容というキーワードを持っています。
イコリア次元でしか見られないキーワードですが、既にフィールドにいる自分のクリーチャーに重なり、合同パーマネントとなります。
イメージはエンチャント・オーラのように対象を取り、そのクリーチャーを上か下に置けます。
上となった方のカード名、P/T、カードタイプなどに、全てのカードのテキスト欄を持ちます。
変容の話はこちら。
《スペースゴジラ》は実質的にトランプルが付くのみなので、『ステータスは低いが能力は強い』というタイプのカードに使うのが良いですね。
え、待って。
なんで全部小ネタ入ってるの? ていうか全部わかる人いるのか?
※わからなくて問題ないです。
基本的に上記のカードのように3~4マナのクリーチャーに重ねることで対戦相手をひとりずつ血祭りにあげていきます。
……そう、ひとりずつ。
そもそもの話、このカードの基本戦術、統率者的にOKなのか?
例えば、《セファリッドの警官》の効果で対戦中のプレイヤーであるAさんを土地までリセットしても、残りのふたりは着々と準備を進めています。
こちらは2ターン、3+5で8マナを費やしてAさんひとりを大幅に遅延させたけど、既に《スペゴジ》は除去耐性もなくタップ。
まあまあマグロです。
更に生きて戻ってきたとしても次なる攻撃対象はどこでしょう?
それでブロッカーを立てているBさん、殴れそうなCさんがいて、Cさんを殴れたとしてバウンスできたとしましょう。
で。ここまでやって圧倒的に有利なのは自分でしょうか。
いいえ。どう考えてもBさんです。
なぜなら、「最も妨害を吐かずに効率的に作業を進めている」のですから。
これは他の変容元も大して変わらず、「殴られたプレイヤー」が不利になっていくのです。
ドローで自分強化の《セルキー》だけちょっと具合が違いますが、《オクラン》や《ゴルム》も立っているだけで相手のシステムクリーチャーに生存権を与えないため、
生物主体のデッキは《スペゴジ》に除去を吐かざるをえないのです。
しかしながら、統率者においては除去は二者一両損です。そりゃそうです。
除去を撃った当人と打たれたプレイヤーはそれぞれリソースを減らしているのに、関わっていない残りのふたりはなんの損失も出ていません。
《スペゴジ》はいわゆる、ヘイトの高い統率者に該当します。
そりゃ、毒カウンターが6個溜まった状態で、感染パワー6が立っていたら除去しますよ。
このデッキを使って長いですが、勝つときは大概、「他のプレイヤーが走っているとき」です。
ひとりが勝ちそう、そんなときならヘイトもクソもなく、勝ちそうなプレイヤーをぶっ潰すために、《スペゴジ》の攻撃のために他プレイヤーがブロッカーを排除してくれたりもする。
MTGは新デッキを握るたび、新しいことを教えてくれます。
このデッキは最初のオリジナル統率者デッキですが、僕にヘイト管理という概念を嫌というほど教えています。
僕自身が猪突猛進、玉砕上等というプレイスタイルなので、交渉やヘイト管理が不得意なのもマイナス。
この辺り、映画でのスペースゴジラの再現のようですね。
モゲラやリトルゴジラをボコることはできるものの、乱戦になってゴジラにボコられるっていう。
嬉しいやら面白いやらみじめやら。
#3【デッキを強化……できるのか?】
気を取り直してデッキを強化していきましょう。
まず、なんだかんだ言いつつ、《スペゴジ》の長所を活かす方法として、低ステータス・強効果カードへの変容なのは間違いないと思います。
なので、その外堀を埋めるべくカードを考えます。
変容というキーワードを利用しても良いでしょう。
でもですね。
変容を軸にしてしまう場合、困ったことが起きます。
それがコレ、《永遠の陽気もの、オツリーミ》です。
いやバカかよ!
なんで《永遠の頂点》と《永遠の陽気もの》が同じステータスなんだよ!
しかも固有色もトランプルもダブってるじゃねーか!
通常キャストは《スペゴジ》の方が軽いけど、変容でしか出さないって考えたら普通にこっちの方が軽いよ!
変容というキーワードに寄せすぎると、「じゃあ《オツリーミ》を使った方が丸いんじゃね?」という疑惑が発生します。
まあ、《スペゴジ》は墓地からキャストできるため、統率者税が掛からず2回目・3回目のキャストが可能であるため、変容に寄せない場合は普通に相互互換……。
……なので、『変容に寄せすぎることはできない』という、《スペゴジ》のテキストに書いていない謎のデメリットが発生しています。
下位互換でも良いや、という風に割り切っても良いかもしれませんが、下位互換、という言葉は僕の中のアレ的なアレが許しません。
そういえば、《オツリーミ》はナイトメア・ビーストですが、《スペゴジ》はそれに加えてエレメンタルです。
統率者に置いておけば絶対に出せるので、部族強化カードも採用できますね。
ビーストやエレメンタルはかなり種類数も多い部族ですし、期待できますね。
毎度おなじみ、ウィズダムガイドさんでテキストに各クリーチャータイプを記入、赤と白は除外して検索っと。
【エレメンタル】
変容のタネになるトークンを出しつつ、《スペゴジ》のパワーが統率者ダメージで3パン圏内になる7にできる。
悪くはないものの、4マナという重さ、並びに青信心に寄せないといけないことを考えると枠は無さそう。
構築でも実績のある強いカードだけど、そもそも変容は戦場に出ません。
既に戦場にあるカードと合同パーマネントになるので、誘発させられません。
意味なし。
いや、統率者領域にいるからサーチはいいです。
トランプルならいらないです。
《スペゴジ》はデフォルトで持ってるので。
《スペゴジ》を追放しちゃったら分離してるじゃんね。
瞬速とかあるなら考えるけど、次ね。次。
……え? エレメンタル、以上? マジ?
赤が入らないので強化カードが思ったより少ない?
【ナイトメア】
《浅瀬》のときも言ったけど、戦場に出ないので誘発しないです。
シナジー無し。
統率者では普通に有名なカードで強化修整してくれるからシナジーがないでもないけど、『戦場を離れたら追放』が痛すぎる。
繰り返し墓地から唱えられるっていう《スペゴジ》の意義を全否定するので論外。
ナイトメアは以上の2枚だけ……?
【ビースト】
実質3マナだけで相手のクリーチャーと格闘できるのは強力ですが、固有色的に赤が入っているのが残念。
古いカードですが、カウンターが乗るのは《スペゴジ》と相性が良いですね。
とはいえ、統率者である《スペゴジ》は基本的に手札には来ないのでシナジーなし。
トランプルならいらないです。
《スペゴジ》はデフォルトで持ってるので。
……さっきもこの話、しなかった?
挙動としては面白くて、変容したスペゴジが二回変容する。
変容呪文をコピーした場合、『別の対象を選んでも良い』のテキストがないので同じターゲットを2回変容させるだけ。
ちなみにトークンかどうかは一番上のカードを参照するので、「トークンか通常カードか」を上にするか下にするかで選べる。
……だからどうした?
変容誘発を軸にしてしまうと《オツリーミ》にした方が強くなるので論外。
同じ理由で《アイヴィー》も不採用になってるし。
だ! か! ら!
変容は戦場に出ねえっ!
お気づきかもしれませんが、『~~が戦場に出るたび』みたいなカードは使えません。
そして、『~~をデッキから手札に加える』も統率者なんで意味ないです。
で。なんでか知りませんが、トランプルを持たせようとしてきます。
まだ警戒とか到達とかなら一考の余地もあるけど。
部族強化する気がないのか? 虐待か? お前ら、俺の《スペゴジ》をいじめて何か楽しいのか?
他にもビーストはコマゴマとはあるんですが、どれも採用圏外……。
ギリギリ使えそうなカードは何枚か。
護法1を付けてくれるのは助かるし、トークンのオマケつき。
トークンに変容すれば新たなトークンを生成でき、スペゴジ(飛行形態)を維持することができる。
強すぎないのでヘイト管理的にも素晴らしいけど、マナ総量5以上の呪文って何枚も唱えるわけではないんだよなぁ。
一応、無限マナが入っている状態で《爆破基地》みたいな勝ち手段になれるサクリ台があると、トークンに変容することで墓地とフィールドを《スペゴジ》が往復して勝てるは勝てる。
枚数が多すぎて実用的じゃないけど。
軽減は割りとよくあるのですが、再生付与もできるので普通に強そう。 総合的には悪くはないんだけど、こう、地味。
ちなみにこういうカードもある。
《スペゴジ》なら、「クリーチャー」「伝説」「エレメンタル」「ビースト」「ナイトメア」で当し、1マナで5/5修整。
感染持ちに変容した場合は一撃必殺となるので、2枚目の《激励》として使うのは悪くない。
これはエレメンタルを持たない《オツリーミ》より効率が良いし、感染系はタフネス1とか2でも雑にブロックして毒殺を防ぐプレイングもあるので無駄じゃない。
#4【固有無限コンボ……かな?】
一応、『墓地から唱えられる伝説のクリーチャー』の中で固有色が青緑黒なのはこのカードのみ。
《ラダガスト》もそうだけど、「~~をするとトークンを生成」系と組み合わせると毎ターン再キャストできるようになる。
墓地から唱えるたびにトークンが出るので、それに変容すればいい。
とはいえ、一回ごとに普通に5マナ掛かるし、これだとただの6/6トランプル(&飛行)と統率者では地味なサイズ。
一応、無限マナが入っている状態で《爆破基地》や《狂気の祭壇》でなら勝ちだが、それをやるなら《タッサの神託者》と《汚れた契約》コンボの方が早いでしょ。
もしも、「墓地から唱えるためにしか使えない《全知》」のようなカードが出れば、《スペゴジ》は大幅に強化される気がします。
まあ、そういうカードのお約束で、使ったら追放されるとか、1ターンに同名カードは1回までとか付きそうですけどね。
【まとめ】
このカードの特性は、とにかく特殊です。
なにせ、特性の大部分が一致した《オツリーミ》が存在するので『変容するならアイツでいいじゃん』という上位互換の存在から遠巻きに構築に制限が掛かる。
そもそも、墓地から唱えられるという特性を活かすなら、なんなら統率者に指名せずにデッキに入れて《直感》や《納墓》で墓地に落とせば、他のカードを統率者領域に置けますからね。
墓地利用の得意なスゥルタイカラーの統率者なら《血の暴君、シディシ》、《黄金牙、タシグル》、《墓場波、ムルドローサ》、《月の後裔、ナシ》など多様。
現段階では『このカードじゃないとダメ』という構築は、かなり困難です。
大幅な部族強化や墓地から唱える効果への強化、個人的には『全プレイヤーの統率者を墓地に落とす』みたいな効果があると《スペゴジ》は実害を受けないので嬉しいですが、
発想が《ドラニスの判事》みたいなもんだし、カード化はされないでしょう。
でも、僕はコイツを使う。
なぜなら『カッコいいから』だ。
使いたいから使う。それ以上の理由は存在しないし、必要ないと俺は思う。
とはいえ、それでも俺が見たいのは『カッコいいスペースゴジラが3人まとめて薙ぎ倒す』シーン。
そして、対人ゲームである以上、最低限の合理性は必要。
独り善がりのソリティアではあってはならないので、相手プレイヤーの脅威たるべく、調整は続きます。
今日もカッコいいぜ! スペースゴジラ!
当記事はファンコンテンツ・ポリシーに沿った非公式のファンコンテンツです。
画像はMTG日本公式より引用しています。
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題材の一部に、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社の財産を含んでいます。
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