パステル・クレーン・カントリー / ヤコビアン

私が下宿生として過ごした大学生活をふりかえって、卒業時に制作したのがこの楽曲です。
察しの良い方は、曲名から日本のどこで歌っているのか、わかるかもしれません。ヒントは「クレーン=鶴」ということです。実は歌詞にも連想できるような表現を用いているので、見つけたらこっそり連絡ください。笑

私が大学生活でもっとも感じたのは、自分という者の確立です。夢や希望を持って生きてきたそれまでの学生時代から一変し、大学に入学すると一気に現実味を帯びると共に、自分が何者なのかを考え直す必要がありました。

教師や親、友人等の人間関係、所属する組織といった制約条件が、自分の居場所やアイデンティティを構築していたことを痛感したのです。これが座標となり、いつでも戻ってこられる場所でした。しかし大学はとても開けており、クラスの関わりは希薄で、サークルも自分の意志で入る、そして授業すら自ら選択するのです。地元を離れてきた私は特に、友人等の人間関係もそこにはありません。

ただしこれらの問題は時間が解決してくれました。同じ授業を取る仲間から友人が増え、サークルや部活に所属するようになり、生活のためのバイトを始め、交友関係が広がり、第2とふるさととも言える居心地の良い環境に変わりました。

そこで生まれたのが、自分という者の確立です。それぞれのコミュニティにおける自分の言動に違いがあることに気づき始め、本当の自分は?と思い始めました。この悩みを抱えている方は少なくないと思っています。しかし私は幸運なことに、ある先輩から「分人」という素敵な言葉をいただき、すべてが解決しました。これは、それぞれが、それぞれで、本当の自分であり、違いがあることを認めていい、ということだと私は理解しました。

このような人格の違いを、色を用いて歌詞に込めました。人は個人として様々な色を持っており、そのこと自体を楽しめるようにと、歌いました。

《歌詞》
何物にもなり切って 心別物になったって
強いて言えば ねぇ ブラック
私にないものをって 君に求めると言ったって
顔に出るくらいじゃあ ムラサキ

忘れたいことがあって 不意に山とかに行ったって
暗くないうちにでも オレンジ
楽しいことだけじゃきっと 満足しきれないんだって
色とりさ

赤いパンツ    黄金色   ミドリムシ
青いコスモ    カブトムシ 交換しよう
エンパイヤローズ 響きだけ  クレヨンヌ
熱い心 俺たちにくれるのさ

紅い大地  白い風   鶴が舞う
青い空に  羽ばたいて どこまでも
明日こそは 明日こそは 信じよう
七色づく  この國に  昇る太陽

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