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東京佼成×シエナ 夢の競演!~令和に実現した、"奇跡の音楽体験"~

1.はじめに

日本を代表する東京佼成ウインドオーケストラとシエナウインドオーケストラが競演する演奏会が行われると聞いて観に行ってきた。

この演奏会を初めて知った時は思わず2度見してしまう位衝撃を受けましたが、「絶対楽しそう!!」と思いました。
間違いなく、吹奏楽経験者や吹奏楽ファンにはたまらない演奏会なのです!!

時は令和4年10月1日(土)。会場は、上野・東京文化会館。

このような夢の競演はおそらく初めてなのではないでしょうか。高揚感が高まる中、自身初の東京文化会館大ホールへ。

この演奏会は、事前にアンケートを募集していた。シエナで聴きたいオリジナル曲、佼成で聴きたいニューサウンズインブラスの曲(東京佼成は長年ニューサウンズのレコーディングを担当)の中からリクエストの高かった曲を演奏する企画。まさに、プログラムも夢のようなものであった!
※私がこの演奏会を知った時、既にアンケートは締め切っていたので投票できず…

2.第1部:シエナ・ウインド・オーケストラで聴きたい吹奏楽オリジナル曲 リクエスト集(指揮:田中裕子)

まずは、シエナから登場。以下、現地で聴いた感想をプログラム順に、その時の感想をコメントしていきます。
(指揮者、作・編曲者は敬称略にて失礼致します)

①エル・カミーノ・レアル(A.リード作曲)〔シエナ3位、総合7位〕
通称「エルカミ」からスタート。通常よりかなりゆっくり始まった幕開け…かと思いきや、一気に飛ばしていく前半、中間部は聴き入ってしまうほど美しいサウンド、後半は演奏に熱気を帯びながらラストまで駆け抜けていきました。素晴らしいオープニングでした!!

②たなばた(酒井格作曲)〔シエナ4位、総合8位〕
演奏を聴いていると七夕の夜空が思い浮かんだ演奏でした。特に、中間部は会場に天の川がかかっているような感覚に。七夕を再現したサウンドに感動しました。。

③マゼランの未知なる大陸への挑戦(樽谷雅徳作曲)〔シエナ5位、総合10位
終始わくわくさせてくれるような演奏でした。
打楽器や低音楽器もしっかり目立っていると"樽屋さんの曲だな~!"と思わせてくれます笑

④アルメニアン・ダンス パート1(A.リード作曲)〔シエナ1位、総合4位〕
個人的にシエナのアルメニが聴きたい!と思っていたので、念願が叶いました!リクエストも1位に!
冒頭の美しい響きから感動。。中盤の複雑なところ、ラストに向かってどんどん迫力を増す演奏は圧巻でした!

4曲とも名演でした!1部終了後は拍手が鳴りやまず、3回もカーテンコールが!
連番した友達と話していてもお互い「すげー!凄すぎる!!」等と言葉がなかなか出てこないほどでした。

3.第2部:東京佼成ウインドオーケストラで聴きたい「ニュー・サウンズ・イン・ブラス」リクエスト集(指揮:石崎真弥奈)

第2部は、東京佼成によるニューサウンズの生演奏。個人的には中学の頃から熱心に(?)研究していた大好きなシリーズ。岩井さん、真島さんをはじめとしたアレンジが最高で、吹いても聴いても楽しいのです。

①私のお気に入り(宮川彬良編曲、1995年発売)〔佼成7位、総合15位〕
編曲は、ゆうがたクインテットやマツケンサンバⅡでお馴染みの宮川彬良さん。
吹くのは難しいですが(実際に吹いたことある)、ワクワクするジャズワルツのアレンジは楽しい!!特に、ドラムが効いていました。

②カーペンターズ・フォーエバー(真島俊夫編曲、1990年発売)〔佼成6位、総合11位〕
カーペンターズの名曲をメドレーに。編曲は、ニューサウンズの常連とも言える真島俊夫さん。
それぞれのソロに痺れました。。あと、「トップ・オブ・ザ・ワールド」のクラリネットは大編成でも1本の音に聴こえて鳥肌が立ちました…!

③ディズニーメドレー(岩井直溥編曲、1981年発売)〔佼成5位、総合9位〕
ニューサウンズインブラスの父・岩井直溥さんによる”初代”ディズニーメドレー。ディズニーの名曲を様々なアレンジで楽しめるナンバー。

この日は、1曲の間でランドの開園から閉園をイメージ出来た演奏でした。Soli・Soloも正に音源を聴いているような感覚で感動しました、、、
あと、最後4小節で和音の響きが複雑な事、Rubato(確かテンポを揺らすの意味)の表記があるのも岩井さんならではかと思います。

④シング・シング・シング(岩井直溥編曲、1981年発売)〔佼成・総合共に3位〕
まるでビッグバンドかと錯覚するようなオトナの演奏でした。流石岩井さんのアレンジ…!!
ドラムソロはCD音源の再現をされており、終盤のクラリネットソロは華麗なhigh Aに鳥肌が立ちました、、決まった瞬間大喝采に包まれる!!

※ちなみに、「シング・シング・シング」と「ディズニー・メドレー」は同じ年(1981年)に発売されたアレンジ。30年経っても全く色褪せない編曲なのもニューサウンズの凄いところだと思います。

⑤オーメンズ・オブ・ラブ(真島俊夫編曲、1986年発売)〔佼成・総合共に2位〕
1986年のニューサウンズから出版。原曲(T-SQUARE)はポップなイメージですが、真島さんのアレンジはシンフォニックポップスに。重厚で音の鳴りが良いアレンジは、吹いても聴いても楽しいナンバー。
(バリサクには無いけど、しれっと木管のメロディーを耳コピした事もありましたが笑)

⑥宝島(真島俊夫編曲、1987年発売)〔佼成・総合共に1位〕
演奏会のアンコールといえば宝島!と思う方も多いでしょう。オーメンズ同様、原曲とはひと味違うシンフォニックポップスのアレンジは、今も大人気。
アルトサックスのソロはカッコ良すぎる、、最高でした、、
打楽器や金管のSoliも迫力満点!!
楽しい曲ながらも丁寧な演奏が印象的でした!!

ニューサウンズの曲を生演奏で聴けて感無量でした!!!

4.第3部:東京佼成&シエナ合同ステージ

今回のメインコーナー、佼成とシエナの合同ステージ。総勢100名近くだとか!ステージいっぱいに椅子が並べられ、奏者の皆さんが入場!昨今の情勢を抜きにしても100名の編成を観るのはなかなか体験出来ない機会でした。

①アルヴァマー序曲(J.バーンズ作曲)〔シエナ2位、総合5位〕
どのテンポで来るか注目でしたが(最近は”高速アルヴァマー”も多い)、ほぼ楽譜通りのテンポに。
日本を代表する吹奏楽団が合同で演奏するアルヴァマーは大変聴き応えがありました。
しかも、佼成、シエナ共にアルヴァマーと関わりが深いとの話もあり!

②ディスコ・キッド(東海林修作曲、1977年吹奏楽コンクール課題曲)〔元々プログラムにあり〕
ポップス曲が課題曲なんて今では信じられないですよね笑
聴く分には楽しいけど、(実際吹いたことありますが)吹くのは意外と難しく、さらに音が鳴りにくく出来ている…
しかし、楽譜上の"音の鳴りにくさ"を感じさせない素晴らしい演奏でした。
地味に「ディスコ!」の演出を期待していましたが、昨今の情勢なのかさすがに掛け声は無し笑

③さくらのうた(福田洋介作曲、2012年吹奏楽コンクール課題曲)〔元々プログラムにあり〕
冒頭のピッコロから一気に曲の世界に引き込まれ、桜並木や桜吹雪が頭に思い浮かぶ、美しい演奏でした。。。
司会の方が紹介されていましたが、作曲者の福田さんが来場されていました。

④交響詩《ローマの松》より~アッピア街道の松(O.レスピーギ作曲/鈴木英史編曲)〔元々プログラムにあり〕
本編ラストを飾ったのは、アッピア街道の松。バンダの行方が気になりましたが、トランペット・トロンボーンの半分の方はステージ前方に出る演出。
大編成で大迫力の演奏に会場内が熱くなりました。その場で言葉に言い表せないほど圧巻の演奏でした、、、

アンコール:アフリカン・シンフォニー(岩井直溥編曲、1977年発売)〔佼成4位、総合6位〕

アンコールは、アフリカン・シンフォニー。今回の演奏は何といってもホルン!総勢10人位いたものあって、ホルンが吠えるところは会場中に響き渡り、全体的に重厚感のあるサウンドは圧巻でした!!!

アンケートは上位なのにプログラムには書いていなかったのでビックリしましたが、合同演奏のアンコールに持ってきていたので納得。大正解だと思いました!!

4.おわりに

大変長くなりましたが、約3時間の演奏会は最高すぎました!!!

今後実現するか分からない(いや、実現は極めて難しいはず…)東京佼成とシエナの競演。会場で観ることができて幸せでした。
また、当日は配信もありましたが、会場で観ないと勿体ない現演奏会でもありました。

今でも余韻が続いています。奇跡の音楽体験をありがとうございました!!!!

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