『黒猫館』1986年の『ロリコン』ビデオは退廃主義の名作
ロリコンハロチャオ~(最悪の挨拶)
今回は不朽の名作、ロリコンなら知っておきたいシリーズの中でもひときわ好評な作品の紹介をします。
くりいむレモン part11 黒猫館
1984年、ロリコンブームの真っ最中にアダルトアニメとして人気を博した『くりいむレモン』が生まれた。
くりいむレモンシリーズでは原点にして頂点である『媚・妹・Baby』、原画の顔ぶれが豪華すぎる『POP♡CHASER』、触手モノの原点と言われている『超次元伝説ラル』などが有名であるが
その中でも一際名高いのは退廃美を描いた『黒猫館』だろう。
富本たつや氏が描く魅力的な登場人物、太平洋戦争直前の雰囲気、ゴシックロマンスな物語、クラシックなbgmが24分のアダルトアニメにすぎない本作を真にアダルト(大人)な作品へと昇華している。
2022年まではくりいむレモンシリーズを220円で単話購入出来るサイトがあったのだが取り扱いが終了し、現在はDMMTVのサブスクでしか見られなくなった。映像切り抜いて紹介したいけど画面スクショ対策がバッチリでスクショできねぇ〜!現物はこの時代じゃ買えな…買えな…
これLDだから再生できねンだわ(馬鹿)
これVHSだから再生できねンだわ(阿呆)
これDVDだから再生できンだわ(天才)
いくぞッ!!!!!
黒猫館 感想
あらすじ
結論から述べると黒猫館が名作足るのは退廃の魅力を、心に焼き付いて離れないほど蠱惑的に表現しているからだろう。
本作はいわゆる退廃主義(デカダンス)の思想を継承する作品であり、刹那的な快楽に浸りながら滅びていくことを艶やかに描いている。
舞台となるのは戦争直下の暗影の時代、それとは対比的に絢爛で爛熟な黒猫館。しかしその場所は女が3人だけで暮らしており、電話やラジオ・新聞は無く建物は雪に覆われ静寂に満ちている。
村上正樹はその場所で哀愁を漂わせる未亡人の女主人、鮎川冴子に誘われるままに関係を持ち、更にはメイドのあや・娘の有砂もそこに加わり、果てしない性宴の日々を過ごし次第に衰弱していく。
物語の最後には自分が飲まされていたワインに死と隣り合わせの強力な媚薬が入れられており、それにより冴子の夫が死亡していることが判明しメイドの助けを得て黒猫館を脱出するが…
日常に帰還した村上は山の中の洋館が炎上したという新聞記事を発見する。黒猫館の出来事が夢や幻では無かったことを自覚し「戦争に召集される前にもう一度あの人達に会いたい」と考え冴子の言葉を思い出すのであった。主人公もまた鮎川冴子のように退廃の魅力に魅せられてしまっていた。
「己の心と書いて、忌わしいと読みます。己の心に従って堕ちてゆくのが忌わしいなら、それもまたよいものですわ」
今回はその退廃の魅力を紐解いていく———
のではなく、現代ロリコン的観点から批評します。
というのも、当時の"ロリコン"のニュアンスが『二次元美少女を愛好する人々』であること、『黒猫館』が抜きよりも物語性を重視した作品であることから真面目に作品紹介するとロリコン向けではなくなってしまうからである。
本作も物語の中心が鮎川冴子という未亡人熟女であり、ロマンスポルノなストーリーラインを追っていくと彼女の感傷や華族・戦争の歴史をつらつら解説する事になってしまう。
通るかっ…!こんなもん…!危うく熟女と歴史と戦争の話しかしない記事になるところだった。恐ろしいぜ、くりいむレモン。
閑話休題。では実際に現代のロリコン(俺!総勢1名!)が視聴した感想としては「アニメとして出来が良く、実用性は無いがロリがちゃんとロリをしている」というところである。
まず作画であるが随所にこだわりが感じられる。
次にストーリーであるが前述の通り退廃の魅力を表現した"アダルト"な仕上がりになっており、20分の作品であるがその映像体験はまるで一つの映画を見終わった後のようで、寂寥感を感じさせてくれる。
戦時中で無いにしろ現代もそれなりに暗影の時代、生まれてこの方不景気しか経験していない我々にとって無視できない思想がそこにはあった。
次いで実用性に関してだが残念ながら本作に実用性はあまり無い。シナリオを重視していることや、ヒロインが3人いる弊害で濡れ場においても物語の中心人物である鮎川冴子とのシーンが目立ち、娘の有砂と合体できないからだ。
だがしかし、ロリコン的な実用性は無いにしても、娘の有砂はロリコンの需要を満たしたロリであり一見の価値があった。
先に「ロリがロリをしている」と書いたが、それは見た目だけがロリなのではなく、魂もちゃんとロリをしているという意味だ。見た目だけロリしている空崎なんちゃらとか小鳥遊なんちゃらとは違うという意味だ。間違えた、取り敢えず見た目がロリなら売れるやろwという甘い考えで生まれた模造ロリでは無いという意味だ。
箱入り娘でさぁ 父親が死んだばかりでさぁ そんな女の子が書生(母親のオナペット)として呼ばれた村上(俺)をお兄様と呼び、慕うことはおかしいだろうか、いやおかしくはない。
そんな女の子が母親と村上の逢瀬を覗いてしまい、「寂しい、自分も愛してほしい」と俺(村上)を誘惑するのはおかしいだろうか、いやおかしくはない。
彼女には年相応の無邪気さ、愛くるしさ、そして寂しさがあり、加えて母親由来の蠱惑を持ち合わせていた。鮎川有砂……
———💯
一切言及しないのもアレなのでメイドのあやさんにも少し触れる。
彼女は『メイドもの』が確立する前に存在したメイドヒロインで"屋敷とメイド"という構図のルーツを辿ればあやさんに辿り着くらしい。メイド萌えメイド服ではなくクラシックなメイド服をしているのがいいですね。
本作における彼女の立ち位置は村上正樹の境遇に心を痛めている少女である。冴子が夫を媚薬で殺害していることを知っているため、村上にそれを教え脱出の手助けをしてくれる。
現代ロリコン(俺総勢1名)からするとふ~んメイドじゃんとしか思わないが当時のオタクはメイドに免疫が無かったため、彼女に狂ったそうだ。メイド萌えは強力な媚薬である。
以上、総評に入るッ!
『黒猫館』はアダルトアニメとして群を抜いてレベルが高く、現代のオタクも満足できる作品であり、退廃の魅力を描いた名作である。いずれ滅びゆく運命ならば己の心に従い堕ちていくのも一つの選択ゆえ。退廃の部分を詳しく解説しなかったが許してほしい。本当に。
今回はアダルトビデオ版の話をしたが実は小説版が再販されており簡単に入手することができる。というかむしろこっちのほうが有名である。
再販のおかげで左の文庫版もお安くなっているので続黒猫館(富本たつや氏が関わっていない)に興味が無いのであれば好きな方を買いましょう。旧文庫版は所謂ジュプナイルポルノであり、口絵や挿絵が入ってたりするライトノベルの草分け的な官能小説です。ちなみに倉田悠子氏は稲葉真弓さん。
アニメ映像もストーリーも見たい場合はフィルムコミックというものもあります。
いや普通にDMMのサブスクで見てください。俺みたいになるな。
終わりに
今回は難産だった。ロリコン記事書くぞ~って書いてたのにひたすらおばさんの感傷書いてた時は目が据わっていた。
黒猫館はかなり好きな作品ではあるがシコれはしないため現代オタクでもシコれそうな『媚・妹・baby』『サマーウインド』『魔人形』あたりの話をしたいがお財布との相談である。サマーウインドも小説が復刻したけどこれに関しては映像のほうがスッキリしてて好きだ。
彼女を亡くした主人公と夏に閉じ込められた少女のひと夏の青春物語が切なくていいんですよ…
最近こんなのも買った。
いやこんなものばかり買っている。左のVHSが高くて買えないから泣く泣くフィルムコミック買ったら、「これ買ってる人はもちろんVHS買ってるよね^^」って煽られて泣いた。
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