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Vol.2「楽しい」の先にある笑顔をつくるドラッグストア【サツドラ】

経営者とブランディングデザイナー西澤明洋が対談し、ブランドの成長ストーリーを振り返りお届けするシリーズ「BRAND STORY」。


執筆・編集 加藤孝司
撮影 トヤマタクロウ

Vol.2では、北海道を中心に約200店舗を展開するドラッグストアチェーン「サツドラ」。ドラッグストアの枠を超え、電力や流通など北海道の人々の生活のインフラを整えるような事業展開と、デザインを取り入れた経営で注目を集める。冬本番の北海道を訪れ、サツドラホールディングス代表取締役社長の富山浩樹氏に今回のリブランディングの背景について話を聞いた。

課題をあぶり出し、仕組みづくりをする。

ーー現在北海道内外に約200店舗を展開するサツドラの創業の経緯を教えてください。

富山:創業は1972年になります。私がまだ幼い頃に父が薬店として創業しました。店名は「サッポロドラッグストアー」で、スーパーの一角にある今でいうパパママストアというアットホームな感じのお店だったそうです。薬以外にはちょっとした生活用品、それと化粧品が少々という品揃えでした。父は自分で薬局を営むことを目的に薬剤師の資格をとり、いくつかのお店で修行したのち独立しました。

ーーお父様が一代で多店舗展開をされた経緯を教えてください。

富山:父に聞くと最初は多店舗展開するつもりもなかったそうなのですが、大きな転機はただの薬局から現在のドラッグストアという形態に変わったことでした。

ーー僕らが子どもの頃は薬を売るお店は薬局でドラッグストアというお店はなかったのですが、そもそものドラッグストアの定義とはどのようなものになりますか?

富山:薬から始まって日用品、化粧品、生活雑貨など幅広い商品を扱うお店のことを指します。かつてはアメリカにしかなかった業態で、そもそも日本にはありませんでした。

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サツドラホールディングス 代表取締役社長富山浩樹氏
1976年北海道札幌生まれ。札幌の大学を卒業後、日用品卸商社に入社。福島、東京などでの勤務を経て2007年、株式会社サッポロドラッグストアー入社。2015年に社長就任すると、2016年8月にサツドラホールディングスを設立し、サツドラホールディングス代表取締役社長に就任。チェーンストアの経営や共通ポイントカード「EZOCA」の運営を軸とした次世代エコシステムの構築に挑戦中。2017年6月、AIやPOS開発のIT企業2社もグループ化、テクノロジー分野での新規事業にも取り組む。


ーーサツドラさんが現在の規模で店舗展開をされるようになったのはいつからですか?

富山:私が入社したのが2007年で、2015年に社長に就任しました。そこからエイトブランディングデザインさんに参画していただきリブランディングに取り組んだ経緯があります。江別錦店をご覧になっていただいた通り、あの規模の店舗が中心となったのは私の代になってからです。代替わりする少し前、10年ほど前に食品を入れ始めるようになってから巨大化していきました。

ーー日本のドラッグストア業界全体の流れも同様でしょうか?

富山:そうですね。ただうちの場合は食品を入れ始めたのは比較的早かったです。父が北海道以外でも地域の有力者の方と繋がりがありましたので、他がやっていないことをということで、さまざまなネットワークで新しいことに取り組んでいました。

ーー一つの転機とおっしゃっていた食品をラインナップに加えるにあたっては、どのような背景があったのでしょうか?

富山:時代の流れが大きいと思います。生活用品やペットグッズを扱うようになったときもそうですが、柔軟に店が変わってきたというのは、ドラッグストア業界だけではなく、他の業態も同時にそうなっていったんだと思います。

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2017年9月に新たなコンセプトでリニューアルオープンした江別錦店。建築の設計はサポーズデザインオフィス谷尻誠氏、吉田愛氏。2018年「SDA 日本サインデザイン賞」入選、北海道地区デザイン賞受賞


ーー街のお店といえばデパートや百貨店を除けば専門店が主流だった時代からスーパーが生まれ、70年代後半あたりからスーパーがどんどん巨大化していき、80年代になると現在のライフスタイルショップの走りのようなお店がでてきました。でも薬はつい最近まで薬局やドラッグストアでしか販売できないもので、薬も生活用品も同じお店で買えるというお客様にとって利便性の高さがドラッグストアならではの持ち味ですよね。富山さんは地元の大学を出られて一時北海道から離れていたこともあるそうですが、家業に携わるようになった経緯を教えてください。

富山:学生の頃は、父と家の仕事について話すこともありませんでしたし、とにかく北海道を出て好きなことをしたいと思っていたんですよね(笑)。30歳を前にしていろいろと思うところがあり、北海道に戻ってくることにしました。

ーー入社当時はどのようことをされたのですか?


この続きは、エイトブランディングデザインWEBサイトで全文無料公開中。『サツドラ [ 前編 ] 「楽しい」の先にある笑顔をつくるドラッグストア』へ


執筆・編集

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加藤孝司
デザインジャーナリスト/ フォトグラファー

1965年東京生まれ。デザイン、ライフスタイル、アートなどを横断的に探求、執筆。2005年よりはじめたweblog『FORM_story of design』では、デザイン、建築、映画や哲学など、独自の視点から幅広く論考。休日は愛猫ジャスパー(ブリティッシュショートヘアの男の子)とともにすごすことを楽しみにしている。http://form-design.jugem.jp

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撮影 トヤマタクロウ

1988年生まれ。写真集や個展での作品発表を中心に、クライアントワークにおいても幅広く活動。http://takurohtoyama.tumblr.com

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