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《離島の生活》「草刈り」を舐めていた男_後編。

こんにちは2022年に千葉から、八丈島に家族で移住した「わたる」です。
今回は千葉県千葉市で生まれ育ち、普通のサラリーマン生活を送っていた私が、、、40代で離島で生活するようになって感じた圧倒的な生活力の無さについて書いていきたいと思います。

※完全に私目線のものですので、「そんな事も知らないのかよ!」とか逆に「前提知識・経験がおかしい」という事もあると思いますが、「離島の生活ってそんなもんなんだな~」という感覚で読んでいただけると嬉しいです。

これまでの経緯。

草刈り機を手にし、あとはテキトーに刈り払えばいいでしょと思っていたが、そもそも草刈り自体が想像以上に過酷な重労働でした・・・。

当日、農家の方から丁寧な手ほどきを受け、最初は慎重に草刈りを始めました。大体1区画あたり小学校の25ḿプールぐらいの広さがある土地が2区画あるのですが、

「こんなもの私の手にかかれば小1時間で済むだろう。9時から始めたから2面あるけど午前中には終わるな!」

と謎の自信で高をくくっていたアホな私ですが実態は、途中こまめに休憩を挟みながら1面に5時間かかりました。。。しかも終わった後は疲労がものすごくて2時間動けず「あんたこれから子どもたち4人帰ってきて戦争になるのに、体力使い果たさないでよ!」と妻に言われる始末。。。

もう、雑魚すぎる、、、。いくつになっても夢想している自分と実態の自分がかみ合わず絶望するも・・・本当に動けませんでした。

そもそも最初の内は、機械のパワーが強く多少振り回される。出力をどの程度出せばいいかわからず、うまく切れない。強すぎると危ない・音もうるさいし弱すぎると、草が絡まり動かなくなる。生えている草ごとにあった切り方があるので意外と技術も必要だし、何より体力が必要な仕事だと理解しました。。。自分が舐めていたことを正直に農家の方に伝えると・・

「何を言ってるんだ(笑)竹藪があるわけでもないし、多少広いけど楽な場所だよぉ(笑)」と笑われました。。。。

※5時間のBefore→After。写真では伝わりづらいですが手前の木は5mくらいあり、中に生えている藪は2m以上の高さになってました。

最初の1面でコツをつかんだ私は、後日もう1面に取り掛かるのですが、そこにはあらたな刺客が待っていました。

ある程度コツは掴めたので、もう1面は最初から一人でとりかかりました。良い感じのスピードでスイスイ進む。『このペースなら3時間くらいでできるなぁ。。。前回の5時間を大幅更新できるのでは??』と休憩しながらほくそ笑んでいると、足元に黄色い虫がもぞもぞ動いているのが見えました。

うん!? ハチ? アシナガかスズメ蜂だよね!!

どういう経緯かわからないのですが草刈り中に巻き込まれたようで、下腹部が潰れてのたうち回っていたので危険度は低かったのですが、念のため足で踏みつぶしました。

これまでの経験上、蜂と生活圏を共にした経験が少ない(というか無い!)私は「怖ぇぇえぇ」と思って周りをよく見ました。
するとすこし先を、一匹のアシナガバチがホバリングしているのが見え、すぐにどこかに飛んで行きました。
「うぉぉぉ怖ぇぇ」と思って体ががっちがちなまま視線を戻しかけた途中。少し先の足元に、、、どう見ても、蜂の巣が転がっていました・・!!

『ウソ、切り落とした???やっちまった・・・刺される?』

と思いましたが、攻撃部隊が出てこず意外と静か。そろりそろりとその場を離れしばらく様子を伺うも、戻り蜂の姿が見えない。。どうやら、もう終わりかけの巣を切り落としたようでした。不幸中の幸い・・・です。

知らぬ間に切り落としたハチの巣をズームで撮影。帰りがけによくみたら、少しだけ残っていた幼虫をアリがほじくり出してました。アリは最強ですね。

こういう場合どうしたらいいのかわからなかったので、農家の方に電話をしたのですが、出ない。仕方ない自己判断するしかない。進軍か?撤退か?

私は少しでも進めたかったので「巣が転がっているのは畑のちょうど中心あたりなので、巣の付近半径5mは近づかず、それ以外の部分の草を刈っていこう」と考えました。


その後多少警戒しながらも迂回をしながら、快調に草刈りを続け畑の右手一番奥の最深部まで到達しました。そこからは調子も戻り左へと怒涛の草刈りをしていた途中。本当に突然ワープしてきたかのように、目の前に10匹ほどの蜂が「ぶわっ!」と草むらから出現しました!!!!

今回は、活発な巣を切りおとしたか、刺激を与えてしまった!!!

一瞬のどはひきつり、頭はパニック。。。。になったのですが、身体は「蜂だ!」と思った瞬間に、草刈り機を抱えて逃げていました!!!

気が付くと畑を出て50mくらい走って逃げていたのですが意外にも蜂は追ってこなかった。多分今日は風が強くてうまく飛べなかったのかな?(そんなことあるのかな?)と思いましたが、畑の上空に蜂がぶんぶん飛んでいるのを見て、わたしは「あそこにはもう戻れない」と思いました。

農家の方に「蜂が出たから怖いので今日はいったん帰る」ことを告げ、這う這うの体で家に逃げ帰りました。

草刈りは奥が深い。。。そして蜂怖ぇぇ!!!

蜂を退治しない事には草刈りもできないので、数日後農家の方と一緒に蜂退治に向かいました!

蜂退治なんてやった事もないし、この時期ニュースなどでは注意喚起をしているし、防護服なんて持ってないしと思っていたら・・・

当日、農家の方はTシャツ一枚で畑に登場しました。。。。。

躊躇することなくガンガン畑に入り、「ここら辺か?巣が見えないなぁ」と言いながら、蜂退治スプレーを怪しいところに撒いていきました。

私「Tシャツで大丈夫ですか?」
農「大丈夫だよ。ビビっていると刺されるんだよ!」
私「そんなもんですかね・・・・・!?」

スプレーを撒くと数十匹の蜂が飛び立ち、四散していく。でもしばらくすると、数匹ずつ戻ってくる。。。それを2、3度繰り返すと農家の方は、まるで儀式が完了したかのように駆除完了宣言をされました。

農「よし、これで大丈夫だ!」
私「はぁ。大丈夫ですかね?(心の声:うん!?どこが、大丈夫なんだ?そもそも巣がどこかわからんし、蜂はすぐ戻ってくるし・・・)」
農「大丈夫だよ!蜂のいなさそうなところからやってみな!ビビってると刺されるぞ」

わたしは素直に草刈りを再開しました。しかしというか、やはりというか、たたみ一畳くらいを刈ると蜂が1・2匹出てくる!そのたびにスプレーで除去しながらやるのだから効率悪くてかなわない。全然、草刈りが進まない。。。

そんな姿を見て、農家の方は「ビビってるからダメなんだよ~。どんどん刈っちゃいな!刺されるんだったらもうとっくに刺されてるよ!この蜂、刺す気がないんだよ!」と言ってくる。「いやいや、そりゃ怖いっすよ~!」というラリーを何度か繰り返していました。

ハチの巣の場所の見当がつき始め、最終決戦が始まる

それでも草刈りを進めるとだんだん、蜂の巣がありそうな場所が特定できて来ました!前回、ハチの巣が転がっていたのは畑のちょうど中心当たりだったのですが、そこから奥のほう。25mプールの真ん中の飛び込み台に立ったとして、そこから20m~25mほどの奥の方にどうやら本丸がありそうだな。と思うようになりました。

周りから刈り進めていくとやはり、『ここらへんかな?』という場所でなんかもわっと数十匹の蜂が立ち込めた。
うまく表現できないけど、霧が立ち込めたみたいに蜂がもわっと湧いてきました。。。

2度目だったのと想像がついていたので、速攻でその場を離れ、草刈り機を脱ぐ。
その後、西部劇のガンマンのように両手にスプレーをもち、再度突撃。
片方の手でハチの巣めがけてスプレーを打ちつつ。もう片方の手で浮遊している蜂にも噴射。ある程度の蜂をやっつけた後は、その場で待機をしつつ戻ってくる蜂に噴射をする。丸見えだがスナイパーのような気分だ。


しかし今回の蜂は、スズメバチに比べたら大人しい性格のアシナガバチで助かった。スズメバチだったら多分、前回でわたしは散々に刺され、戦意を喪失していたに違いない。


結局その日だけでハチの巣は3つあった。前回のもいれると4つ。後日もうひとつ大きい巣が見つかった。巣が5つ。そりゃ蜂がいっぱいいたわけだ。。。。

しかしこの草刈りを通じて、何もできない自分を再確認できた。そもそも午前中で終わるなどと嘯いていた私だったが、結局なんやかんやで4日に渡って草刈りをしていた。自然の前では人間なんて無力だというのは本当だし、40超えるまでそんなことも知らなかった自分は、あらたな領域に足を踏み入れた清々しい気分となりました。

■別のシリーズ【息子ふたりと1ヶ月インド旅行に行った話】

移住を考えた時、移住先の情報収集や移住先の家・仕事についてなど移住先選定に向けての行動や情報に着目しがちですが、わたしが移住活動を行う中で一番大事だと分かったのは、「自分の気持ちを整理し、自身の欲求に素直になること/気付くこと」さらに「家族や親せき、職場など第三者に気持ちを知ってもらい、理解が必要な場合はそのコミュニケーション設計をどうするかということ」でした。

上記のことに悩まれている方はぜひ、私といちどお話ししませんか。
ご興味ある方は以下をご確認ください。


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