物語を失って浮き彫りになる物語(うらべんとかれんだー2015)

【この記事は】
長い文章を書こうとしてたのですが、しばらく書いてから見直すと「これ読むのつらそう」って思ってしまったので、140字ごとに区切れる感じで書いていくことにします。ここがイントロダクションです。

これは裏ベントカレンダーと呼ばれてるものの、12月16日分の記事です。(現在19日)
リンクを貼らないといけないんですね。http://www.adventar.org/calendars/1289
去年もあった「体験型イベントアドベントカレンダー」の2015年版、の裏だそうです。その名も「体験型イベント(裏) Advent Calendar 2015」

【自己紹介】
さて、自己紹介もテンプレらしいので。
ZER0KITの代表、零狐春のメンバーをやってる八索と申します。最新作は「ボロボ・ロボット」ですね。現在なんばのなぞともカフェで遊べるそうです。
ビンゴとかポーカーが代表作と言われたりします。

【物語を失った謎解き】
前置きもなく本題に突っ込みます。
よく、物語要素は謎解きに必要なものと言われます。「お前が主人公になるんだよ!」にはストーリーがないといけませんからね。牢獄から脱出するとか、沈没しそうな潜水艦から脱出するとか。シチュエーションと問題が絡みあうことこそが面白い点だ!とか。

ところが。この物語要素を排した「謎解き」が最近現れてきた感じがします。公演型ではないですが。
零狐春のコンテンツで言うと、持ち帰りの「解法シリーズ」とかwebの「BEAUTIFUL BINGO」とかですね(宣伝)。

取ってつけたような爆弾解除の設定すらない。
このようなものを「アブストラクト謎解き」と呼んでみましょう。オセロとか囲碁とかを「アブストラクトゲーム」と呼ぶので。設定がないので、答えとなる言葉のアタリをつけにくいという特徴があります。もういくつか例を挙げましょう。「AtoZ」とか「東狼の1枚謎」なども該当すると思います。

物語のない謎解き。何が面白いのか?
ここで、例に挙げたものの共通点が見えます。「解いたタイムを競える」という点です。BINGOはトーナメントの枠内なので、速い順に勝ち抜けですし、東狼もランキングが出ます。AtoZはタイム通知があり、解法シリーズでは計測を推奨しています。

【浮き彫りになる物語】
「速く解く」という競技的な要素が追加されています。物語要素がある場合、「速く解けない」ケースがあり、また「他人と競わない、己が成功できるか否か」という点を好む方もいます。アブストラクト謎解きではそれがない代わりに、他人と競うという要素が明確に存在しています。

「他人と競う」これが、物語要素を排したことによって生まれる「リアルな物語」なんだと思います。プレイヤーは用意された物語の登場人物ではなく、プレイヤー自身として挑み、ランキングに喜び、上位の人に憧れる。そういう物語。

競技的な謎解きというのでは「解神」という大イベントがありました。行ってないですが・・・上位陣の解く姿というのは常軌を逸しているといいます。本当に何が起こるかわからない現実のドラマとしてのイベントですね。観客として楽しめる形になっているというのはとてもめずらしいですね。第2回があるそうで。

競技性という点では「小謎王」のことにも触れたいですね。「すべての謎を解き明かし~」が前提の謎解きにおいて「速さと正解」の2要素を盛り込んだ評価軸を持ってきた点(そしてgoogleフォームで実装した点)がかなり新しいと思っています。「解けないものは潔く飛ばす」

競技とするなら、「すべての謎を速く解く」より「正解数と回答速度を天秤にかける」の方が熱狂しませんか?明確に、同時に戦う敵がいる「解神」なら自分が解かなくても他人が解くのでスピード感があるのですが、一人ひとりのスコアを競う形なら、詰まると無限時間になってしまうのはいただけない。

【おしまい】
というわけで、今後は「謎を全て解くことが必ずしもスコアにつながらない」webコンテンツが出てくるといいなぁ、なんて。もちろんストーリーのあるweb謎も良いですが。

「謎解弾撃遊戯」ですね。(あの、狐が夜を食い潰すんです)

この考えを発展させると、ブロック選択という形で解く謎を選択する競技として大きな枠組を持っている謎解き王トーナメントはリアルな物語を生み出す装置で、なおかつ各ブロックが1つで十分なクオリティを持っているからやっぱり激ヤバコンテンツですね、2016もやるからみんな参加してね。

よみやすいとはいえないきがするなあ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?