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紫煙に霞む先に 二服目

「いらっしゃいませ。」

ガラスの扉を開けると、お背の高い男性が陽気さを含んだお声で仰る。

私は人差し指を顔元に持って行き、一人という仕草をしながら、一名で葉巻も購入したい旨も伝えた。

先ずは奥へ案内されると調べた通り、店内は薄暗く紫煙は燻(くゆ)らている葉巻の所だけで視界は曇らない。

座り心地の良い革のソファーに荷物を置くと葉巻の販売室へ向かった。

彼の愛用していた銘柄すら記憶にない私は、相談した結果、細くて短い初心者向けにすることに。

席に着き、吸口をカットしていただき、火を点けていただく。

円状に燃える火の説明を受け、薄暗い店内に小さい花火が浮かんでいた。

それはまるで今日の誕生日を祝うかのようで…。


一服目→

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