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心の握手

「大切にする」ってどうしたらいいの?

例えば、友人からプレゼントをもらったとします。
あなたは、
「ありがとう、大切にするね」
と言いました。

はい、ここで言う大切にする、ってどうする事を指してると思いますか?慎重に扱うこと?そもそも使わないこと?特に何もしないけど、雑に扱うこともないよってこと?
うーん、何が正解なのか分からないけど、あなたが思う大切にするを実行していたとします。
ある日、プレゼントをくれた友人から、
「全然大切にしてくれてないじゃん」
と言われました。(そんな場面あるかわかんないけど)こちらからしてみると、大切にしてたのに、どうしてそんな風に言われなくちゃならないんだ、とお互いモヤモヤしてしまうことになります。

二人の大切にするの価値観が違ったことで、誰も悪くないのにこのような結果を産むことがあります。
これは、物だけではありません。
人間関係にも同じことが言えると思うのです。

私は、元恋人をとても大切に思っていました。そして、彼もまた、私を大切にしてくれていました。それなのに、私達は来週の2人の誕生日を一緒にお祝いすることができません。これは、何故でしょうか。
原因はもちろん沢山あるのだろうけど、そのひとつとして、それぞれの大切にするの価値観が違ったのだと思うのです。具体的な話をしようかな、とも思いましたが、私の精神衛生上きっとよろしくないので今回は避けます。
しかし、ここで私は何度もこのような経験があると気づきました。友人関係でもそうでした。人間関係において、私の大切にすると、相手の大切にするの差に悲しくなって、ちくんと胸が痛む経験を何度もしています。どうして、私は大切にしているつもりなのに、誰からも大切にして貰えないのだろうと悩む日々を過ごしていました。

ある日、小島よしおさんが、子どもの相談に乗る記事を偶然読みました。その回は、小学生の女の子が友人から仲間外れにされているという相談でした。私は、あからさまに仲間外れにされた経験はないけれど、何故かとても先が気になって、読み進めました。その中で、自分に言われているかのように思った箇所があります。

「人との関わり合いのなかで僕が大切にしているのは「執着(しゅうちゃく、と読むよ)しすぎない」ってこと。執着しすぎる、っていうのは、言い換えれば「心の握手」が強すぎるってことだよ。心の握手が強すぎるとどうなると思う? 友だちが手を離そうとしているときにこっちが強くにぎってしまうと、友だちの手が痛くなってしまう。それでも友だちが無理やり離そうとしたら、こちらの手はもっと痛くなってしまうよね。お互いに痛くなった手では、もう一度握手するのは難しいかもしれない。でも、ゆるく握っていれば、一度離れてもまた手を握ることができると思うんだ。」 https://dot.asahi.com/dot/2022020300062.html?page=


ああ、私は「心の握手」が他の人よりも強いんだな。

素直にそう思いました。
私が悩んできたことの全てがこの文章にありました。私は、幼少期の経験から大事な人が離れていく恐怖を引きずって生きています。だから、そもそも大事な人を作ることに強い抵抗があります。そして、誰からも嫌われたくないという気持ちが異常に強いのです。誰からも、という部分には、本当に全人類が含まれていると言っても過言ではありません。極端に言えば、私のことをいじめる誰かや、道ですれ違った知らない人でさえも。そうして、私はどんどん「心の握手」が強くなっていったんだと思います。
そして、私は大切に思うあまり、もともと強く握っていた彼の手を、離そうとする彼の手を、さらに強く握ってしまいました。そして、彼を傷つけて、私も傷つきました。そして、お互いが痛くなった手では、元には戻れない。元には。

そして、これから出逢う誰かのことは、緩く握るようにしなきゃ、と思いこの文章を書きながらも私は、手、繋ぐ?と恥ずかしそうに聞く彼の顔を、手汗でびちゃびちゃなことを恥ずかしがっていた彼の横顔を、私の握り方が弱いと拗ねる彼の顔を、また思い出しているのです。もう、本当には私は、どうしようもない人間です。

何が言いたいかと言うと、大切にしすぎることは、相手も、自分自身も傷つける可能性があるということです。20年間、強くしか握れなかった私は、簡単に緩めることは出来ないのかもしれないけど、今度は、こんな結末を産まないように、緩く握る努力をしたいと思っています。
そして、数年前までくだらないことで子供達を笑わせていた彼が、こんなにも素敵な言葉を選んで悩みを解決する姿に、彼の頭の良さと、心の温かさを感じました。この文章に出会えて良かったと、強く感じています。

もし、人間関係に悩んでいる理由が私と似ているならば、一緒に心の握手を緩める努力をしてみませんか。

ps
調べたら記事の全文が出てくると思うので、ぜひ読んでみてほしいです。

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