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全員野球で''勇人のチーム''へ

王者の帰還だ

巨人軍が5年振り37回目のセ・リーグ制覇を果たした。

山あり谷ありの1年で、終盤は何度も首位陥落のピンチやマジックが消えた時もありながら、ここぞの試合で勝負強さを発揮し2位DeNAの追撃を躱して昨日今日の直接対決天王山を連勝し逃げ切った。

今季はなんとしても優勝しなければならないシーズンだった。。

今季V逸となれば5年連続となり、球団ワースト記録となる。それを何としても防ぎたいがために球団は4年ぶりに実績十分の原辰徳を再登板させたわけだ。
さすがの百戦錬磨原辰徳でもかなりの重圧があったことを今日の涙が物語っている気がする。


また、''坂本勇人主将を勝たせる''為でもあった。

坂本は2015年に主将に就任。
そして巨人が最後に優勝したのは2014年。
そう、奇しくも坂本が主将に就任してから1度も優勝していなかったのだ。

主将を務めているここ4〜5年が坂本にとって全盛期であり、その脂が乗り切っている時期に優勝出来ない悔しさは大きかっただろう。

チームの転換期という難しいタイミングでの主将就任だった為、なかなかチームが上手く回らないことも多かった。坂本1人が打ち、孤軍奮闘している様から、「坂本個人軍」と揶揄される時もあった。


そんな中、チームで高橋由伸前監督から指揮を受け継いだのが原辰徳だった。

4年振り 3度目の監督就任であった。

就任後、もはや我が家のようなFA市場へ早速繰り出し西武から炭谷銀仁朗、広島から丸佳浩を口説き落とした。特に丸の加入は坂本にとってもチームにとっても非常に大きな影響を与えている。

これまでの坂本への負担を丸が軽減させてくれたおかげもあり、坂本は開幕から36試合連続出塁と絶好調。ホームランも量産し年間通してホームラン王争いを繰り広げるなどNew坂本として圧倒的な姿を見せてくれた。
2番坂本、3番丸という並びにする事で相手心理としては「坂本を抑えても丸が…」という脅威になったし、その''サカマルコンビ''が前年覚醒した若き主砲 岡本和真のサポート役に回ることで岡本ものびのびと野球ができ、見事2年連続で30本塁打の大台に乗せるなどチームに良い相乗効果をもたらした。
さらには丸が会得した丸ポーズがチームに浸透しその名の通りチームを一丸とした側面もあるだろう。

丸以外にも炭谷は小林、大城との併用ながら上手く疲労を分配しながら戦えたし、波があるものの陽岱鋼のおかげで亀井を適度に休ませることが出来た。ゲレーロも気分屋ながら夏場苦しい時に打棒が爆発したおかげで首位に留まることが出来た。
また、代打でもスタメンでもさすがの勝負強さを見せた40歳阿部慎之助や打順、ポジション等起用法が変わりながらも結果を残してきた37歳亀井善行といったベテラン勢、課題の打撃で今日の優勝決定試合にて9回2死から起死回生の同点タイムリーを放つなど勝負強さを見せている小林誠司、今季は一塁での起用がメインとなり、クリーンナップも担い打力はいい物を見せてくれた大城卓三、さらにはここぞの場面での好走塁や好守が光り、優勝を決める大殊勲打を放ったユーティリティ増田大輝やサヨナラも決めた重信慎之介石川慎吾、離脱中の吉川尚輝の穴を埋める、いや二塁のポジションを奪う勢いで争った若林晃弘田中俊太山本泰寛といった93年組ら生え抜き勢の活躍も忘れてはならない。


投手陣は苦しんだが投手陣全体でカバーしあった。
開幕から不調で結果的には2桁勝利を挙げたものの年間通して不本意な内容だった絶対的エース菅野智之や復帰の目処が立たない畠世周、荒れたヤングマン等を投手3冠の山口俊、覚醒した桜井俊貴、大健闘のルーキー高橋優貴メルセデスらでカバーし、時にはブルペンデーとして救援陣で乗り切った試合もあった。
救援陣も開幕前から不安があったものの中川皓太が安定感抜群で守護神としてフル回転。シーズン終盤はさすがに疲れが見えたもののその時期に加入したデラロサが救世主となり新守護神として固定出来た。
他にも田口麗斗は連投や回跨ぎ、リード時、ビハインド時関係なくフル回転し、澤村拓一大竹寛の終盤の安定感も大きかった。
トレード加入の鍵谷陽平、スクランブル登板にも対応した高木京介、故障したものの春先の安定感で救援陣を支えた戸根千明らも忘れてはならない。

選手だけではない。
今季のコーチ陣はフレッシュな面々が揃った。
特に宮本和知投手総合コーチと元木大介内野守備兼打撃コーチの二名がムードメーカーとしてチームにもたらした明るい雰囲気は長丁場のペナントレースを戦う際に大切な事だろう。

こうして、ベテランから中堅、若手の選手、フレッシュなコーチ陣、そして経験豊富な監督…と、みんなの力で、全員野球で坂本主将をようやく勝たせる事ができたのだ。

2012年〜2014年にセ・リーグ3連覇を果たしたチームが「慎之助のチーム」と呼ばれたように、今、巨人軍は「勇人のチーム」に生まれ変わっている。

さぁ、次はCSそして日本一へ

勇人のチームは我らをどこまで連れていってくれるだろう

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