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DIALOGUE+「タイバン」「ワンマン」とは何だったのか。

お気持ち表明みたいなタイトルになってしまった。

今年の3月から6月にかけて3度に渡り開催されたDIALOGUE+スリーマンライブ「タイバン」と定期バンドライブ「ワンマン」。
この記事では、「このライブは、声優ユニットDIALOGUE+とそのファンにとってどんな意味があったのか」と個人的に思ったことを書いていきたい。


全公演が終了した今、「DIALOGUE+がタイバン・ワンマンを開催したことでもたらされたものは何だろうか」ということを考えると、

「メンバーのパフォーマンスの経験値上昇」
「新規ファンの開拓」
「現在いるファンの視野を拡げさせる」

という点が思いつく。

「メンバーのパフォーマンスの経験値上昇」
これはたぶんいちばんわかりやすい話だ。
今回のタイバン・ワンマンは昨年開催された「フラフラ」と同じ立ち位置だ。
短期間に継続してライブを経験することでメンバーに経験値を積ませる。
場を重ねることは大事だ。

まあ、この辺の話は「ユニット側」の話である。
DIALOGUE+のメンバーはとても賢い子たちが揃っている、と思うので、ちゃんと彼女たちはタイバン・ワンマンの中から色々な事を学んで、今後のパフォーマンスの糧にしてくれるだろう。たぶん。


僕が今回この記事で書きたいのは、上に挙げた中の、

「新規ファンの開拓」
「現在いるファンの視野を拡げさせる」

についてだ。

対バンというものはそもそも新規ファン開拓の場でもあるのだが、今回のDIALOGUE+のタイバン、そしてワンマンではひとつの試みが行われた。

全公演の女性エリア設置だ。

タイバンゲストグループの女性ファンが参加しやすいようにという配慮のようにも感じる女性エリアの設置だが、タイバン・ワンマン開催の少し前よりDIALOGUE+の女性ファンから女性エリアの設置を希望する声は出ていた。

女性エリア設置希望の声については、「男女の身長差の関係で、女性はステージが見えづらい時がある」、「女性エリアがあれば安心してライブを観に行きやすい」という「よくある話」が大きな理由だった。

DIALOGUE+は新人女性声優によるユニットなので、メインファン層はやはり男性オタクなのであるが、そんな中でも順調に女性ファンが増えてきているというのを、ハマって1年程度の自分でも感じている。

ならば、ということでタイバン・ワンマンにて女性エリア設置を実施したのだと思うが、これについては開催前後でファンの間で様々な意見があった。

「3月、4月の会場である山野ホールのような、客席の前半分が平面な会場ならともかく、6月の会場である新宿文化センター大ホールのような全列に傾斜がある会場に女性エリアを設置する意味はあるのか」
「全席指定の会場で設置する意味はあるのか」
「女性エリアを前方に設置することで男性客が前の席取りにくくなるじゃん」
等々。

女性エリアを設置することで、女性ファンがライブに行きやすくなったり、女性ファンがどれくらい来ているのかがメンバーや運営側から見てわかりやすくなることと、背が低かったらそりゃあステージを見やすい席がいいよね……、とは思うので、個人的に女性エリア設置については「まあ別に良いのではないでしょうか」と思っている。

しかし、6月のタイバンでは女性エリアの空席がだいぶ目立っていた。

「下手側ブロックの数列が丸々空席」という状態だったので、それをうしろから見てたら「なんじゃそら」となるのは当然の流れだろう。
これは多分、6月公演の会場が山野ホールから新宿文化センターに変わったことに対して、運営側の見積もりがちょっと甘かったというか、先行抽選と一般販売の振り分けがガバガバだったというか(先行チケット抽選の時点では女性エリアでも落選があったそうです)。


2020年1月に池袋harevutaiにてオールスタンディングで開催された「DIALOGUE+JAM」でも女性エリアの設置があったそうだが(僕はこの時はまだDIALOGUE+にハマっていなかった)、全席指定のライブでの女性エリア設置は今回のタイバン・ワンマンが初だ。
設置希望の声も出てるし良いタイミングだからやってみて、それを踏まえて今後はどうしていくか、設置するならどういう風に設置するのか、というところだと思うので、ここは少し長い目で見てもいいんじゃないだろうかと思っている。

まあ、「改善の必要がある」というのは運営側もちゃんとわかっているだろう。チケットが売れてないってことだし。


それでも、「良い席でライブを観れた」、「そのおかげでファンサをもらえた」みたいな一種の成功体験があれば、「このユニット(もしくはメンバー個人)を推そう」、「次のライブも行こう」という気持ちにつながるので、「女性エリア設置」という試みは、新規ファンの開拓として良い形になるだろう。

「こっちはそれなりの金を使って観に来てるんだから、ライブを実験の場にするな!」と言う人もいるだろうが(もっともな話ではあるが)、なにせまだまだ若いユニットだ。新規ファンの開拓になりそうなことはどんどんやっていくべきだと思う。


それによってファン層の入れ替わりがあったとしても。


「大衆に支持されるアイドルグループというのは、ファン層の入れ替えを意図的に行うグループだ」という話を目にしたことがある。

DIALOGUE+はアイドルではなくて声優アーティストユニットであるのだが、彼女たちが戦おうとしている場は既に声優ユニットではなくアイドルの領分だ。

DIALOGUE+がどこまで上を目指そうとしているのかは正直わからないが、「停滞」を選ばないのならば新規ファンの開拓とファン層の入れ替えという問題からは逃れられないだろうと思うし、逃げないだろうとも思う。

事実、活動開始から3年で既にファン層の入れ替わりは起きている。
ただでさえ年々様々なコンテンツの消費スピードは加速し、流行ったと思ったら数ヶ月後、下手したら数週間後には飽きられてしまうような時代である。
飽きられないように、もしくは新しい人に見つけてもらえるように、そのチャンスになることはどんどんやっていく。
ちょうど今はそういう時期なのかもしれない。


と、この辺の話が最初の方に書いた「現在いるファンの視野を拡げさせる」という話に繋がってくる。


「視野を拡げる」というのは何も、対バン相手に興味を持ったり、これまで知らなかった音楽と出会うということだけではない。
DIALOGUE+の今のチカラをしっかりと確認するという意味もある。


2021年はDIALOGUE+にとってまさに飛躍の年となった。

「おもいでしりとり」というヒット曲の誕生。
いくつものフェス系イベントへの出演。
1stフルアルバム「DIALOGUE+1」の発売。
初のツアーライブ開催。

「今、もっとも勢いのある声優ユニット」とも言われるようになった。

「このままこのユニットはきっとすごいことになるぞ」と何度も感じさせられた。

危うい兆候だと思う。

なにせ推しだからだ。
「この子たちはすごい!」
「この子たちは売れる!」
「この子たちはこのままもっと羽ばたいていくぞ!」
と、調子の良い時期を一回でも経験すると、自分の推しはすごいところまで行けるのではと思いがちになってしまう。
その思考は「期待」でもあるのだが、次に発表される曲や次に見せてくれるライブのパフォーマンス、セットリストに対してハードルを必要以上に上げて臨んでしまうようになる。
「完璧」を求め続けてしまうようになる。

そうするうちに、なんだか思っていたのと違うという点ばかりが目立って見えるようになって、不満を抱えるようになってしまう。

これは、あまり良い状態ではない。


2022年6月24日。
DIALOGUE+は結成3周年を迎え、4年目に突入する。


2021年は間違いなく飛躍の年だった。

だからこそ、4年目に突入する前に一旦冷静になるためにもタイバン・ワンマンのステージは役立ったと感じる。
DIALOGUE+とゲストのパフォーマンスを見て、曲を聴いて、客席の雰囲気を肌で感じて、DIALOGUE+のチカラが今、実際はどんなものなのかということを再確認する場になったと思う。

このユニットはまだまだ道半ばのユニットだ。

どこまで行くのかはわからないが、前に進む限り間違いなくこれからも色々と変化を続けていく。
その中で、たぶんたくさん気になるところだったり「粗」のようなものも見えてくることがあるんだろう。
今回のタイバン・ワンマンで言えば、運営が試した女性エリア設置もそうだし、各公演のセットリストもそうだし、「完璧」とは言えなかったステージもそうだし、埋めきることができなかった客席もそうだ。


そういった粗というか、悔しさや心残りのようなものも含めて、その瞬間瞬間を楽しめていけたらいいなあと思う。

楽しまないのはもったいないので。
時間とかお金とか。


要は「伸びしろは色々あるし、これからもどんどん変化していくだろうし、楽しいものがたくさん見れそうだな~~~~~」と思った、ということを書くだけで随分長ったらしくなってしまった。

これからこのユニットはどこまで行くのか。
どこに着地するのか。
その時、彼女たちはどうなっているのか。

それはまったく予想できないが、「見届けたい」という気持ちは間違いなくある。
「DIALOGUE+はすごいぞ」という気持ちもあるし、「今、もっとも勢いのある声優ユニット」という評も間違いないと思っている。
これから先、どうなるのか本当に楽しみだ。
なにせ、今や「DIALOGUE+といえばこの曲!」と言われる「おもいでしりとり」の発売からもまだ1年しか経ってないのだから。


それにしても、6月タイバン・ワンマンは良いライブだった。
3月の良く晴れた春の始まりの日にスタートしたタイバン・ワンマン。
6月の最後の公演は、大団円に相応しい「花咲く僕らのアンサーを」でタイバンのラストを飾り、新曲「デネブとスピカ」の「おまけ!」でワンマンの幕を閉じ、アンコールはデビュー曲「はじめてのかくめい!」を披露した。
良いライブだった。

きっとまだ 僕たちは 僕たちは
デネブとスピカの平行線上で ちぐはぐな恋をしてる
季節が巡ったら さっきまでの君はもういないんだね
宙に右手伸ばし探す わがまますぎるデイドリーム

と彼女たちが歌った翌日、東京は梅雨入りした。

季節が巡ったのだ。

「本当にこのユニットは持ってるな~~~~~~~~~!!!!!」
と思ってしまった。

季節は巡り、さっきまでの彼女たちはもういない。
今年の夏も既にフェスへの出演やイベントの開催が発表されている。
楽しい夏が始まる。
どんなステージが見れるのだろうか。

夏の終わりの8月24日には7thシングル「デネブとスピカ」が発売され、また季節は巡り、秋が来て冬が来る。


そして、また春はやってくる


“不安”は“楽しみ”になる




「損は絶対させないさ」なんでしょ?



自称最強の未来に幸多からんことを。



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