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「永遠なんてものは無い」〜2023年DIALOGUE+総括〜

DIALOGUE+新曲披露ワンマン「フレンドファンファーレ」群馬公演~キイテカラミル~お疲れさまでした。

今回のライブも無事に終了し、これにて2023年のDIALOGUE+のライブも無事すべて終了となった。
いや~~~~~~~~、良かったな~~~~~~~~。

1年前。この声優ユニットはボロボロの状態だった。
内山悠里菜さんの声優活動休止。緒方佑奈さんの深刻な体調不良の発表。6人で開催されたライブ。総合プロデューサーの移動に伴う離脱。
いや、メンバーもスタッフも「大丈夫ですよ。これからもこの8人でやっていきますよ」という姿勢はちゃんと見せてくれていた。
10月に活動再開した内山さんは年末にはユニットにも復帰したし、緒方さんもユニットのライブを1度休みはしたものの、それ以外の活動は続けていた。
総合プロデューサーには、それまで音楽プロデューサーを担当していたUNISON SQUARE GARDENの田淵智也さんが新しく就任した。

それでもファンとしてはかなりの不安を抱えていた。

声優ユニットの寿命は短い。

2022年のDIALOGUE+はデビューから3年。声優ユニットとしての旬の時期を迎えていたのかもしれない。
そんな中に予想外のことが起き、作り手側が描いていたであろうロードマップが明らかに狂い始めているのを感じた。

思うように活動ができなくなった声優ユニットが辿る道は概ね決まっている。

不安な気持ちを抱え、それでもこの声優ユニットならばと信じる。
しかし不安はかなり大きい。
そんな嫌な緊張感とともに2023年を迎えた。

そんな2023年。
DIALOGUE+は、(対バンやゲストという形で出演したイベントを除けば)ライブやフェスはすべて8人全員でステージに立った。

ワンマンライブの公演数は11(昼夜込み)。
歌唱ありの単独イベントの数は1。
合計12公演。

前年、2022年は、
ワンマンライブ9公演(昼夜込み)。
主催対バンライブ3公演。
歌唱ありの単独イベントの数は2(昼夜込み)。
合計14公演。

実は、2023年と2022年の合計公演数の差は2公演なのである。
一部メンバーという形でゲストとして出演した対バン、イベントを加えると昨年と同じ計14公演になる。

新総合Pは今年を「立て直しの年」と表現していたが、終わってみれば去年と比べても遜色ないボリュームの年になった。

ひとえにメンバーたちの頑張りの結果だろう。
本当に良くやったなあと拍手と感謝を贈りたい。

今年のDIALOGUE+のライブは様々な面で変化があったが、その中で自分が特に大きく感じたのは、「我々は声優ユニットである、という意識」だった。

DIALOGUE+が活動している領域はもはやアイドルのそれであるというのはずっと思っているし、DIALOGUE+の精神部分には間違いなくロックバンドのそれが大きく影響されていると思っている。
しかしDIALOGUE+は声優ユニットなのだ。
今年それが強く感じられたのが、夏にDIALOGUE+が参加したふたつのアイドルフェス、SPARKとTIF。そして8月に開催されたワンマン、サマーライブだ。
アイドルフェスでのセットリスト。そしてサマーライブでのミニコーナー。「声優ユニットとして」の、「声優ユニットだからこそ」のやり方があるというのを、ユニットが自分たちで確認しながら構成しているのを感じた。

要は「やれることをやれる形でやる」という話で、これを個人的には「立て直しの年」であるならこういう形にもなるよなあと感じたし、上手くやったなあとも感じた。

「やれることをやれる形でやる」というのは今年のDIALOGUE+のライブ全体に通じることだと思うし、それでちゃんと楽しいライブにできていたのは先に書いたようにメンバーたちの頑張りの結果だったと思う。
本当に、色々なことが良い方向に行った1年だったのだろう。

この現状を物足りないと感じる人もどうしてもいるようだが。

ファン側の話として。
この1年。ユニット側に変化があった一方で、それを応援するファンの側にも変化があった。
有体に言えば「ファンの入れ替わり」だ。
ファンの入れ替わり自体はこれまでも毎年あったとは思うが、今年は特にそれが多かったと感じる。
ユニットの体制が変わり、はっきりと去年までとの違いが出てきた。
それまで良くも悪くもDIALOGUE+の特徴だった、ある種の「内輪感」はなりを潜め、その「内輪感」に惹かれていた層はだいぶ熱が冷めたようであるし、あるいは別の「そういうものがある場所」へ重点を移して行ったのを見てきた。

このユニットに何を求めているのか。というのは人それぞれ自由であるし、何年も活動していればそういう時期が来る。
ユニットが活動をしていく中で、定期的にファンの入れ替わりが起きる方が健康的だとも個人的に思っている。
今年がそういう時期だったのだろう。


それでも、「去年までは楽しかった」という愚痴を見かけた時は流石に腹がたったが。

「うちの推しは去年までのやり方の果てに一度ぶっ壊されてるのだが?????」

約半年のブランクを乗り越え戻って来たDIALOGUE+のステージで、ひとつひとつ「やるべきこと」と「できること」を積みなおしてきた1年。
かつて、音楽を「やらなきゃいけないもの」と思っていた彼女は、DIALOGUE+の活動を通して、音楽を「楽しい」と思えるようになり、そして今年「DIALOGUE+の音楽は絶対楽しい。私が保証します」とまで言えるようになった。
内山さん推しにしてみれば間違いなく今年はひたすら楽しい1年であり、彼女をここまで復活させ、更に大きく成長させ続けてくれている現在のユニットに対しては感謝しかない。
自分が今年薄っすらと感じた他メンバー推しのオタクとの温度差はここなのだろうなと思う。

まあ先に書いたように、このユニットに何を求めているのか。というのは人それぞれ自由であるし、内山さん推しが去年味わったものと今年堪能した景色は内山さん推しにしかわからないことなので、同じ経験をしない限りこの温度差は埋まらないものでもあると思う。(当然、あんな経験はしないに越したことはないのではあるが)


話を戻そう。


2023年のDIALOGUE+最後のライブとなった「フレンドファンファーレ」群馬公演。
素晴らしいライブだった。
セットリストの構成も素晴らしかったが、このライブで特に印象に残ったのはアンコール後の宮原さんのMCだった。

「私は『永遠』というものは無いと思っています」

すべてのモノには必ず終わりが来る。
永遠に続くモノは無い。永遠に変わらないモノは無い。
それでも、このDIALOGUE+なら「永遠」を作れるかもしれない。

声優ユニットとしての大きな危機を乗り越えて更に成長を見せたDIALOGUE+の、1年を締めくくるライブでの最後の言葉としてこれ以上に相応しい話は無いだろうという挨拶だった。

声優ユニットの寿命は短い。

声優ブームは終わったと言う人がいる。
本当に終わったのかどうかはわからないが、数年前までの盛り上がりとは大きく空気が変わっているというのは自分も実感している。

今、あらゆるジャンルにおいて流行のサイクルは異常とも思えるようなスピードを見せている。
そしてジャンル自体の細分化も進んでいる。
声優。そして声優アーティストというジャンルも同じであり、1年の間にどんどんと流行が切り替わり、アニソンという枠も細分化されていっている。
そういったものが進みつつも、ジャンル全体で盛り上がりが拡がっていけばいいのではあるが、最近はどうにもそういう風にはならないらしい。
切り替わるたびに少しずつその盛り上がりは風船のようにしぼんでいっているように感じる。

今、人気作品のタイトルを背負わない声優グループ・ユニットで、コンスタントに新曲を出しライブ活動を続けているものがどれぐらいあるだろうか。
DIALOGUE+のうしろを振り返ってみると、ここは既に道ではない道なのではないかと感じる時もある。

しかし、それでも僕はこのDIALOGUE+というユニットに期待をしてしまう。

声優ユニットの寿命は短い。
すべてのモノには必ず終わりが来る。
永遠に続くモノは無い。
しかし。
いつかの未来で、「あの頃、なんか面白い声優ユニットがあったんだよね」と「あの頃、なんかすごい声優ユニットがあったんだよね」と誰かが懐かしむことがあれば。
彼女たちはその人たちの「永遠」になるのだろう。
彼女たちは、その「永遠」になるために変わり続ける。
「今」を更新し続け、声優ユニットとしての命を燃やし続けるのだ。

彼女たちを「永遠」にしたいな~~~。


長くなったし総括らしくない総括になっている気もするが、ともかくDIALOGUE+は見事に2023年を走りぬき、2024年を迎える。

2024年。
結成5周年を迎える年のライブは1月7日。DIALOGUE+ワンマンライブ史上、過去最大規模の会場となるパシフィコ横浜からスタートする。

当然不安もある。
どれぐらい客席が埋まるのか。無事に8人揃って開催できるのか。
けれども、僕はそういう時に決まってあの曲のあの大好きな歌詞を思い出す。
振り返ってみると、去年から何度も何度もあの歌詞にハッとさせられてきた。

曲のタイトルは、「花咲く僕らのアンサーを」

このユニットはどうなってしまうのかという状態から始まった2023年の、最後のライブをこの曲でスタートさせたことに僕はやはり意図を感じてしまうのであった。

「また春はやってくる。"不安"は"楽しみ"になる」

パシフィコ横浜でのライブが終わったら、もう春は目の前だ。

彼女たちはまた、"不安"を"楽しみ"にしてくれるだろう。

結成5周年を迎える2024年。
DIALOGUE+にとって、楽しいが満ち溢れる年になりますように。



(おまけ)

この記事を読んでDIALOGUE+に興味を持ってくれたという人へ。
1月7日のパシフィコ横浜のチケットはこちらからまだ買えますので、良かったら何卒。


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