同じ会社に15年いても、仕事とキャラを変えたらやりたい事が出来てる話

 私はCulture Evangelist という肩書で「LINEのエンジニア文化を広め伝える」という仕事をしていて、具体的には技術に関連するブログやSNSの担当と技術イベントを担当しています。今の仕事をすることになったのはWebディレクターから技術広報へジョブチェンジし、自分本位の考え方からチームのためにどんな態度をとるべきか考えキャラチェンジした結果です。

このnoteで伝えたいこと

 このnoteでは、ディレクターやPMと呼ばれる仕事をしている方のキャリアパスの1つかもしれない「エバンジェリスト」という仕事についてや、同じ会社にい続けても自分次第でやりたい仕事はできるよ、という話をします。また、ライブドアだった頃のちょっと変わった体験についてもご紹介します。長いので適宜飛ばしながらでも見てください。

 先日、チームのワークショップで「出来て1年のチームなので、お互い知らない事もあるしバックグラウンドを知る的な意味で前職なども含めて自分を変えた出来事を3つ紹介するみたいな文脈で、ひとり15分プレゼンしてみましょう」という企画があり、やってみたらわりと楽しかったので自分が発表した内容を使いながらお話していきます。セルフログミーみたいなかんじです。

エバンジェリストってなに?

 まずは自己紹介を軽くしますね。Culture Evangelistをしていて「LINEのエンジニア文化を広め伝える」というのをしています。主に技術系イベントやLINE Engineering Blogなどを担当しています。

 エバンジェリストというのはサービスや製品について、ユーザーや潜在的なターゲット層に向けて宣伝をしたり技術的なサポートをしたり、コミュニティ活動をともに行う役割を指します。インフルエンサーと呼ばれる存在に近いかも知れませんが特定の企業やサービス・製品に紐づく存在です。
 「じゃあCulture Evangelistってなんなの?」というところでいうと、文化的なところや技術の側面でどういった会社なのかを知っていただくための活動をしています。たぶん他に同じ肩書を名乗っている人はいないかと思います。エバンジェリストはほとんどがエンジニア出身の方が多い職種ですが、私のように非エンジニアでもその役割を果たす事はできると思います。

 1999年頃、アニメ会社のインターネット部門に入り受託制作のディレクター見習いとしてキャリアをスタートしました。アルバイトからの入社でしたが月額8万円の働き放題プランに加入したのでなかなか大変でした。ちなみに2019年2月時点で、一行もコードを書いたことがなくて Hello Worldすらやったことがないんですが、OSS奨励賞を受賞したりデブサミで登壇したりしたことがあります。2004年にライブドアという会社に入りまして、色々あってLINEになって今ここみたいなかんじです。

今までにやってきた仕事

 主に技術イベントなどご紹介します。

 これはYAPC::Asiaというイベントで、Perlという言語のカンファレンスです。2010年から4回ほど担当して、それまではわりとシンプルにトークが行われるカンファレンスだったんですが、企画っぽい要素を盛り込んだりしていきました。担当し始めた時は600名くらいの参加者でしたが、最終的に私が担当した時期で1000名を超える人気イベントになったりしました。この右下の写真はPerlの産みの親のラリーウォールさんという方と、ロックスターと呼ばれている宮川達彦さんと私です。「コード書いたことないけどYAPC何回かやったしいいでしょう!?」みたいなかんじで撮ってもらいました。

 技術カンファレンスでよくスポンサーメニューというのがあって、バックパネルやWi-fiのSSIDに名前をつけるならいくらとか色々とプランがあるんですが、当時はまだそういうメニュー体系というのはそんなに定着していなくて、この頃のYAPCがきっかけで広まったと言われています。

 次にパフォーマンスチューニングコンテストのISUCONです。

 2011年からやってまして、エンジニア発案で始まったものですが直近のISUCON8だとオンライン予選に1300名が参加する人気イベントで、この運営をしています。

 あとは、LINE DEVELOPER DAYですね。

 これは社内の皆さんに多大なるご協力をいただいているイベントですが、昨年は八芳園で開催してこの懇親会は700人くらいですかね、写っています。沢山の方にお越しいただいてLINEの技術について知っていただくというものです。

というわけで…

 社内外のエンジニアを巻き込んだイベントが得意!ってのがわかりやすいかなと思います。では、今日は「今の自分に影響を与えたものを3つ」というお題をいただいてるので紹介させてください。

①エンジニアへの憧れが形成されたオン・ザ・エッヂ社という存在。そしてジョブチェンジ。

 私のキャリアスタートの頃まで少し振り返っていきたいんですが、冒頭でお話ししたように働き放題していた頃に「こんなサイト作りませんかー」と某超大手IPである会社に企画を提案して、自分たちは企画制作プロデュースをしてシステムやデザインは外注するというスタイルで仕事をしてました。そのシステム構築を発注していたのがオン・ザ・エッヂという、ライブドアの前身となった会社です。ガラケーのサイトでクイズみたいなことをしたかったのでとにかく画面遷移が多くて、1000枚くらいHTMLが必要そうなので見積もりお願いしますと依頼したら「3日で大丈夫」と言われて「え?嘘でしょ」ってなりまして、凄い…好き…みたいなのが原体験としてあるんですね。エンジニアめっちゃすげーなっていう。

 当時のエンジニアを取り巻く環境というのは、めちゃくちゃ優秀なのに今ほど全体的に給料もよくなかったし待遇もよくなかったんですね。なので、彼等をサポートしたり支える仕事をしていきたいと考えるようになって、自分に何が出来るかを考えて、彼等が出来ないことをカバーしていきたいと。例えば会議室の予約ってどうやるの?とか飲み会したいとか勉強会したいけどやり方わからんとかあって、じゃあそこ全部まかせてくださいみたいな。

 もともとWebディレクターをしていたんですが、そういった体験もあったし自分で出来ることもそれなりにあったのと担当したサービスがクローズになったのもあってディレクター職はやめて、技術広報的にイベントをやったり広報活動をしたりというのをするようになりました。ジョブチェンジをこのように果たした、ってかんじです。転職を考えなかったわけではないですが、自分の居場所を自分で作り出せたかなというところです。

 この写真はオマケなんですが、2010年にYAPCの会場で「ちょっとこの画は良すぎるのでちょっと1枚撮らせてくださいよ!」と言って撮ったやつです。左の津久井さんという方が先ほどの「3日で大丈夫」と言ったスーパーな方で彼への憧れみたいなニュアンスもあるんですけど、すごい人です。海外で流行っていたMovableTypeというブログシステムの日本語化パッチを作って公開して日本で流行らせたのが彼です。私のブログは 941::blog って名前なんですけど、彼のブログ Milano::Monolog のオマージュです。

 あとはオン・ザ・エッヂの初代CTOのDanKogaiさん。真ん中が宮川達彦さんという方で、Perl界隈ではロックスターと呼ばれていて最近だとRebuild.fmとかで有名です。右は皆さんご存知だと思いますが現在はLINEでファミリーサービス開発の統括をしている上級執行役員の池邉さんです。オン・ザ・エッヂの歴代CTOが並んでるとか胸熱ですよね。渋すぎるか。

②日本中以外に私の気持ちも騒がせた「ライブドア事件」

 皆さんご存知かわかりませんが、ライブドア事件というのが昔ありまして。その時に体験したことは色々と衝撃だったというか、仕事へのスタンスが少し変わったかなというかんじでした。

 これは私が入社した2004年頃のライブドアの様子で、モバイル事業部だったのでガラケーとかがデバッグ機であるのが見えますね。六本木ヒルズの1フロアで働いてたんですが、けっこう社内にダンボールとか積んであってキレイではないですね。こんなかんじで働いてました。


 2006年に東京地検特捜部という方たちがオフィスにお越しになるということがありまして。14時くらいにNHKのニュース速報で「ライブドアに強制捜査」とテロップが出て「へぇどこのライブドアに入ったんだろうねぇ」なんて話してました。ちょっと情報が先に出たかなにかで、実際には16時くらいに皆さんお越しになったのを覚えてます。報道陣の皆さんもヒルズの下に大集合してましたね。
 パソコンも電話も触ってはいけない、と言われてたので暇だったんですけど「社長のスケジュールデータをこれに入れてください」とお持ちいただいたのがフロッピーディスクだったので「さすがにこれには入らないですね…」と話して、右の写真の彼がデータを抽出して私がCD-ROMに焼いてお渡ししました。いまどきフロッピーかぁ、と衝撃だったんですが「ポータルサイトのサーバーで使っているデータをこれに入れてください」とハードディスクをお持ちになっていたという話を聞いてさらにびっくらこきました。

 この当時はみんな終電までガッツリ働くみたいなスタンスだったので、16時とかそのくらいで仕事終わりって言われたら何したらいいかわからんわけです。なので、とりあえず六本木でお好み焼き食べたのを覚えてます。父親が誕生日だったんでおめでとーなんて電話かけたら「お前大丈夫なのか!?」と聞かれて「わからんw」と言ったりしました、なつかしいですね。

 この頃はライブドアといえば、時代の寵児だ、ブログだとワイワイなってたんですが強制捜査が入ってまだ何も判明していない段階でガラッと変わりまして

 こんなかんじで、完全に手のひら返しという雰囲気になりました。結構キツかったのは、テレビ番組でわかりやすさを追求するあまりか「ライブドア」のところに悪魔のイラストを使われたときは本当に驚いたしガッカリしました。その後の捜査とかでハッキリしましたが、上層部のごく一部しか関与していない事件だったのでそれ以外の人は本当に寝耳に水というかんじでした。

 昨日まで応援してくれてたのにこの変わりっぷりは一体…と、真っ青になりました。

 この時は本当に悔しくて「絶対に見返してやる!」という怒りが仕事へのモチベーションになってしまっていました。あまりよくないことですし、今はもちろんそんなことないんですけどね。

③ポジティブに大人になる というキャラチェンジ

3つ目です。ポジティブに、大人になる。これ何かというとキャラチェンジをしましたという話です。

 なんのイベントで撮ったか忘れましたが、左は小久保さんという方で2004年のライブドア入社時に上司だった方です。ディレクターとして彼ほど有能な方を知りません、すごい人です。技術広報っぽい仕事が増えていたのもあって、2008年とか2009年とかそのくらいだったと思いますが池邉さんと飲んでいる時に「俺の部下にするから」と言われて翌日に本当に辞令が出て「そういうのもあるのか〜」と思いました。スピード感あふれてますよね。

 それから2018年まで約10年くらい池邉さんの部下だったんですが、これは2010年くらいですかね。通称「池邉さんの下請け」をやっていた時代の写真です、基本なんでもやってました。

 2010年か2011年くらいだったと思いますが、当時の私は300人とか400人とかの全社員が見ているメールで、ちょっとおかしいなと思うことがあったりすると「それはおかしいのでは」とかギャンギャン喧嘩したりとかしょっちゅうやっていて、周りからは「キレたナイフ」って呼ばれたりしてたんですね。こわいですね。そんな頃、半年に一度行われる査定面談の時に池邉さんからこう言われたんですね。

「とんがった発言してるように見えるエンジニアはコードを書くことでいくらでも挽回できるけど、キミは出来ないからね?」

 これは自分としては衝撃というか、超ウルトラ当たり前なんですけど非エンジニアは周りの人をうまく巻き込んだりリーダーシップを発揮しながらチームを機能させていかないと仕事のレベルが上がっていかないんですね。「あぁたしかにそうですよね」と当時はこれを言われて、めちゃくちゃ腹落ちしたんですね。どのくらいかっていうと、それまでの言動とか色々と反省して自分の席に戻ってすぐにTwitterの過去ログを全部消しました。

 そのくらいの衝撃で、自分としてはよかれと思ってやっていたことでも周りからどう見えているかとか、どう思うかというのもすごく大事なんだなぁというのが頭ではなく心で理解できました。それまでの自分を知ってる人からは「なんだか随分と大人しくなりましたね」なんて言われることもありますが、自分や周りのための変化なら喜んで変わっていきたいと思っていました。

 それからは、こりゃもうキャラチェンジするしかないと思って、強い言葉を使わなくなりましたし、言いたいことがあるなら本人とだけ直接話したりとか、いわゆる普通に平和なかんじにしていこうと決意して数ヶ月かけて徐々にやりました。

 この頃考えてたのは、結局一人でやれる仕事なんて限られるわけでチームでやらないと成果を出していけないんですよね。悪目立ちしてちゃいけないし、チームを引っ張る存在になりたければ強い言葉で尖っていてはいけないんだなと。結果的には社内にも社外にも当たりが柔らかくなりましたし、仕事も「新規案件はいいけど運用系がダメ、飽きっぽい」と評されていたのが改善して今では数年続くイベントを大きく成長していけていますし、この時にバチッと言っていただいたのはすごく感謝しています。平和が一番です。

 そんなかんじで、ジョブチェンジとキャラチェンジをした話でした。

まとめ

・エバンジェリストはインフルエンサーみたいなもの、非エンジニアにとってのキャリアパスの1つになりえる
・自分の願望がモチベーションになる職種は働いていて楽しい
・キャラを変えるのは少し大変だけど変える価値は多いにある

※ちなみにLINEでは社内公募制度というのがあり、希望者は全く別の仕事であっても適正があると判断されれば異動が出来たりするナイスな環境です


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