見出し画像

ボウリング場でDJイベント! DJ WATARAI・DJ HASEBE・Tina出演 配信ライブ感想

 4月2日に東京・笹塚ボウルで行われたDJイベント「Japan DJ Net Online」を配信で鑑賞した。なんと会場がボウリング場。知らない方はまずここから驚きだろう。レーンの上をボールが転がり、ピンが倒れていく中で、中央にドン!と居座るターンテーブル。この相容れない光景に、筆者も最初は面食らったものだ。知らない方は、写真だけでも「え!?」と思わず声があがってしまうのではないか。これも回数を重ねるに連れて、すっかりフィットした感がある。今となっては、笹塚ボウルの特徴といえばコレ!というイメージに変わった。

 ジュークボックスにコインを入れて、お気に入りの曲をかけるのも良いが、一流のDJが厳選した音源を次々とかけてくれるのだ。なんと贅沢な遊び場だろう!

 DJ WATARAI・Tina・DJ HASEBE、この3名が出演。筆者もかねてから楽しみにしていたが、社会情勢により一度日程がやむなく流れてしまっていた。それだけに余計に期待に胸膨らんでいたのだが、3人とも大いに盛り上げてくれた。

 2人のDJは、風営法が変わる前の時代の、あの活況を呈していたクラブ・シーンを熱くした楽曲を多めにプレイした。

 まず先陣を切って登場したのが、DJ WATARAI。彼の選曲のうちの一つ、ジャネット・ジャクソン『That's the way love goes』を聴いていると、リリース当時を思い出す。


 この曲は友人が貸してくれたアルバム『ジャネット』の収録曲の中でも、とりわけ知名度が高く、公共の電波からも耳にする機会は度々あった。そんな巷の人気をよそに、筆者は一心不乱に『This Time』の方をリピートしまくっていたものだ。間奏の長い長いストリングス・パートの聴き応え!これはたまらない。J-POPだとTRFのアルバム『LOOP#1999』に収録の『WIRED』にも、同様にストリングスによる大きな聴きどころがある。

 最近はストリーミングが主流になったためか、長尺の曲は回避されがちになっているきらいもある。しかし、みんながみんなその時流に飲まれてしまっては面白くない。間奏のストリングス・パートを極限まで引っ張りまくって、ヒット曲を出してやるぜ!という、流行に抗う気概のあるミュージシャンに台頭して欲しいものだ。

 DJ WATARAIの選曲で、特に嬉しかったのはダフト・パンク『Get Lucky』。画面越しの鑑賞ではあるが、筆者も思わず拳を突き上げていた。DJ WATARAIは片時も耳を離せない、全編聴きどころのみのプレイで楽しませてくれた。

 配信のカメラ・ワークも良かった。DJブース全体と出演者がほどよく収まるアングルと、出演者のアップの2つのアングルに加えて、機材を操作する手元をとらえるアングルがあった。これが画面に表示される音の波形まで見てとれるほどに迫る、超アップ映像だったのだ。これは臨場感たっぷりだった。

 続いてはTinaによる生歌。『Magic』に始まり、リリース前の新曲『ナイテナイデ feat. ¥ellow Bucks』も披露。SNSで事前にこの曲のことを匂わせてはいたが、「どうしよう…大丈夫かなあ〜」と歌う前に少し不安そうに心の声を漏らしていた。意外な一面を垣間見た気がする。

 筆者はTinaがTV朝日のミュージック・ステーションに『Sunshine Love』で出演したときは録画して何度も見ていたし、2000年代初頭にはZepp Fukuokaでのワンマンライブにも足を運んだ。

 デビュー当時から貫禄十分で、その堂々たる歌いっぷりは自信に満ち溢れているように映っていた。そんなTinaでも緊張が表に出ることがあるのか〜。新曲を歌い終わった後は、やりきったぞという、良い表情をしていたね。

 最後の曲は『There must be an angel』だった。ここでカメラがステージからフレーム・アウトして観客の方を向く。この配信では珍しい映し方。みんな両手を上げて盛り上がっていた。

 そりゃそうだろう。こんな至近距離で迫力ある生歌に触れられるのだ。手を挙げずにいる方が無理な話というもの。配信で見ていて、現地組が羨ましかったな。

 それから出演者はTinaからDJ HASEBEへと交代する。DJ HASEBEはTinaのボーカルによる楽曲を1曲目に選択。最初は2人ともDJブースでこれを楽しんでいた。DJ HASEBEは日本語詞の曲が多めの選曲だった。そのうちの一つが、BENI『ずっと二人で』だ。


 プレイ中には、既に出番を終えたDJ WATARAIが再び登場した。DJ HASEBEと共に踊る一幕もあり、和やかな雰囲気に。イベントを執り仕切るWatusi(COLDFEET)もブースに歩み寄り、DJ HASEBEに声をかけていた。最後は本日の出演者3人が全員DJブースに揃い、どうやら予定にはなかったであろう、Tina『I'll be there』を本人の生歌で締めくくる。実に粋な計らいだ。DJ HASEBEもTinaに「無茶振りに応えてくれてありがとう」的な言葉をかけていた。


 すべてのDJプレイを聴き終えて、WatusiはDJ HASEBEに「なんでモテるのか分かったよ」と声をかけていた。DJ HASEBEはこの会場は初めてだったようだが、大変お気に入りのご様子。「また呼んで下さい!仕事下さい!」というようなことを言う。コメント欄も、「笹塚ボウル楽しそう、行ってみたい」という声も見られた。会場側としても、視聴者に良い印象を持ってもらえたことだろう。ボウリングなんてご無沙汰だったけど、久々に行ってみようかという視聴者もいたかもしれないね。

 とびきりのダンス・ミュージックで存分に楽しませてもらったのは勿論だ。それとは別に音楽面以外でも、長く続く友情っていいな、と感じた。この3人は良いバイブスに満ち溢れていた。




関連記事

 この日DJ WATARAIが選曲した、ダフト・パンク『ゲット・ラッキー』は、当ブログの過去記事でとりあげている。