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ZeebraとRen YokoiがJ-WAVEの番組の新レギュラーに。第一回目にWatusiがゲスト出演。

 J-WAVEで放送されている番組・TOKYO M.A.A.D SPINが、今年度からリニューアル。第一月曜の新たなレギュラーMCとして、ZeebraとRen Yokoiが親子揃って登場する。
 記念すべき第一回目の放送に、ゲストとしてWatusiが招かれた。普段はこの番組の月曜レギュラーとして、招く側にいるWatusiが、ようこそいらっしゃいました、と声をかけられるのもなんだか新鮮に感じる。筆者がWatusiのゲスト出演番組を聴くのは、COLDFEETのアルバム『BODYPOP』リリースの告知で、Jazztronikの番組『ジャジン・ザ・ナイト』に出たとき以来だから、17~8年ぶりぐらいになる。まるで『笑っていいとも!』や『ミュージック・ステーション』で、常に真ん中で仕切っているはずのタモリが、たまに『徹子の部屋』に出ているときのような、「アレッ!?」という感覚に近いのかも知れない。

 親子共々、親交のあるWatusi。Zeebraとは、クラブとクラブ・カルチャーを守る会で、風営法改正に向けて共に動いていたときからのつきあいだそうだ。
 Watusiは「こんなやつらが動いて、(自分たちだけのことではないけれど)法律が変わることがあるんだ!?」と、目的を達成できたことを「楽しかったよね」と言いながら振り返っていた。Ren Yokoiも、「今現在、若手のDJたちが活動できているのも、このおかげ」と言っていた。
 この法律改正へ向けた動きの後、Zeebraが、音楽の道を志すRen YokoiにWatusiを紹介する。Ren Yokoiは、Watusiの私塾でサウンド・プログラミングのノウハウを学び、現在に至っているという。その中でも、808のDAWでの作り方が今でも印象に残っているそうだ。「昔の機材は一緒のタイミングでは鳴らせないから、ちょっとズラしがある。」という話をした。機材の性能が音楽に及ぼす影響と、このジャンルならではのグルーヴ感を、Watusiの私塾で感じ取ったようだ。Watusiも「だから、ハウスやヒップホップのノリって、こうなっちゃったんだ」と補足していた。この一部始終を聴いただけでも、相当深いことをレクチャーしたのだろうなと察することができる。
 Watusiは「政界や歌謡界にはいたけれど、クラブ・ミュージックでの二世は聞いたことがない」と話し、Zeebraの息子の台頭を嬉しく思っていると言っていた。筆者も記憶を辿ってみた。政界なら小泉純一郎、歌謡界なら氷川きよしの名が浮かぶ。一方、クラブ・ミュージックとなると、まだまだ歴史が浅く、ようやく二世が現れてもおかしくない頃かなといったところか。安室奈美恵とSAMの息子も、ダンスはできるみたいだけど、今はどんな道を辿っているのだろう。この他にも、親との血縁関係を明かさずに活動を始めているケースも考えられる。
 Watusiは最近の活動を尋ねられ、先ほど話題に上った私塾を持ち出した。今度はクリエイター向けではなく、ボーカリスト向けに展開していると言った。また、Tokyo Discotheque Orchestraの新作を7インチでリリースする考えも明かした。COLDFEETの25周年についても、期するものがあるようだ。特にTokyo Discotheque Orchestraの動向については、筆者もここで初めて耳にした話だけに、期待も高まる。もしシンガーを迎えるとしたら、今回は誰になるのだろう。立ち上げのときに参加したbird・SILVA・YOSHIKA(Soulhead)の中から再登板があるのか、それとも新たなシンガーを呼び寄せるのか。インスト作品の可能性もある。リスナーとしては、想像しながら待っているだけでも心躍るものがある。

 番組はZeebraとRen Yokoiがお互い持ち寄ってきたオススメの曲を、交互にオンエアする形で進行する。それぞれが語るオススメポイントはもちろんだが、傍らで聴いている方のリアクションも楽しめる。特にZeebraは相槌だけでもリスナーに感情が伝わるほど、存在感がある。Ren Yokoiは英語の発音ひとつとっても威勢が良く、曲紹介や番組メールアドレスを読み上げるのもスムーズでサマになっている。
 偶然にも第一回目のスタートはZeebraの誕生日でもある4月2日だった(放送日の表記としては4月1日深夜となるが、オンエアしている実際の時刻は4月2日の午前)。そこで息子のRen Yokoiは父親の誕生日を楽曲で祝うはずが、Zeebraが先にスティービー・ワンダーの『Happy Birthday』をかけて、自分で自分を盛大に祝ってしまい、息子の目論見はみごとに崩れ去ってしまう。この流れも面白い。
 一般の親子が、かたや「ワシの若い頃は~」とビートルズや加山雄三を持ち寄り、かたや「とうちゃん、今はねえ~」とデヴィッド・ゲッタやYOASOBIを持ち寄ったとしても、お互いわけわからない顔でノー・リアクションな図式しか、筆者には浮かばない。
 ところが、この番組はどうだ。音楽を発信する同士の立場にある親子が、それぞれの持ち寄った曲に対して興味津々なようすが伺える。こんな雰囲気はなかなか味わえるものではない。楽曲とともに2人のやりとりからも、GOOD VIBESを感じ取れる。ぜひ一度チェックしてみてはいかがだろうか。この番組がきっかけで、Zeebraリスナーの親世代と、Ren Yokoiリスナーの子世代の間にも交流が生まれたら、素敵なことだと思う。

今回はゲスト・Watusiの選曲で、PUNPEE『Award Tour』、いとうせいこうis the poet『conquerer~Waiting in Vain~』をオンエア。



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