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STVラジオ特番・TM NETWORK 39→40th SPECIAL

 11月16日にSTVラジオで放送された特別番組・TM NETWORK39→40th SPECIALに、TM NETWORKが3人揃って生出演した。番組ではTM NETWORKの生出演パートの後も、3人がSTVホール内で語らうようすを事前収録したものをオンエア。今回はこちらをご紹介したい。
 小室哲哉の発言は「小」、宇都宮隆は「宇」、木根尚登は「木」で表記した。

ー:この時間はスタジオを飛び出しまして、STV放送会館のすぐお隣にあります、STVホールに来ております。普段、テレビやラジオの収録や、公開放送などのイベントに使われている、STVホールなんですけれども、なんと!ここでTM NETWORKのみなさんが演奏されたことがあるということで、みなさんにお越しいただきました。今、いわゆるステージ袖にいるんですけども、この時点で、覚えてることなんて、なかなか…まだホールも見てないんですけども。ほんとにステージの袖の袖に今おります。さあ、それでは!38年ぶりになりますでしょうか、STVホールのステージに、ちょっとお立ちいただきましょう。立っていただくという言葉が合ってるか、ちょっと、お三方に入っていただきます。
木:大きい!
ー:ステージからの景色、覚えてますでしょうかね。
木:全然大きかった。イメージしてたより。
ー:ステージが観客席の…
木:全然違ってた。俺、舞台だと思ってた。
宇:でも、ここに舞台があって…目線が変わるよね。
木:舞台、作ってありましたかね。だよね?
小:視線的にはアルプススタジオ、あ!アルプススタンドみたいな感じじゃなかったみたいな気がするけどね。
木:いやいやいや、そっか。
ー:いわゆるこう、ステージになってるんじゃなくって、演じる側の所がちょっと床になってて、お客さまがひな壇になってるっていう、ちょっと変わったホールなんですけども。
木:ステージがあった記憶がある。
小:少し上がってませんでした?僕たちが居る所も。
ー:もしかしたら。台があったかも知れない。楽器があったりする場合は、台を作ってたのかも知れません、当時。
小:舞台用語で、ライザーっていうんですけど。あったような気がするんだよな~。
木:それはすごくあったような記憶があるんだけど。思ったより広かった。
小:僕、下手しもてだよね。多分ね。
木:そう、こっち。俺、こっちで
小:(木根に向けて)上手かみてだよね。
木:多分アコギを弾いてたんだ。
小:いつの日からか、(自分が)かみになったんだよね。
木:そうだね。
宇:いつから?
小:(そのときどきで)かみしも入れ替わるけど。
木:PARCOの後くらいでしょ。84年、5年。PARCOの映像見たとき、俺、こっち側にいたよ。
小:下手しもてだよね。
T:そうそうそう。(3人頷く)。
木:そっか。こっちか。
宇:えっと、覚えてないです、僕は。
木:いやいや、俺もね、想像してて、そうだと思ってたら違ってたから。
小:これ、何百人くらい入るんですか。
ー:400名ほどの観客席。はい。
木:すごい。400ほどいっぱいだったんだ。
ー:で、1984年、STVの名物番組・サンデージャンボスペシャルに出演という資料がですね、社内に残っておりましたのと、さらに1985年、8月にはSTVラジオの公開録音イベント・NTTヤングフェスティバルというイベントなんですが、こちらは詳しい資料残ってまして、ゲストがTM NETWORKと柏原芳恵さんだったんです。
木:ほら!それは覚えてる。
宇:え、覚えてるの?
ー:ホントですか!?
木:だからずっと言ってたじゃん。誰も反応しないから「あ、違うのかな」…柏原芳恵さんを、どっかから見てたんだよ。それを覚えてんの。柏原芳恵さんのステージを上から見てたのを覚えてる。客席じゃないから、あんなとこ入ったのかなあ。見せてもらったのかな。なんかそれをすごい僕は覚えてる。
ー:あー!嬉しいです。
宇:曲目は?紅茶のおいしいだよね?
木:かどうかは、分からない(笑)。
ー:何曲か柏原さんも歌ってたんですが、TM NETWORKはDRAGON THE FESTIVALとFAIRE LA VISEを演奏されまして…
宇:FAIRE LA VISE?シブいですね。
木:すごい2曲だね。なんでだったんだろう。
小:2ndアルバム後ですね。
木:シングルじゃなかったんだ、じゃあ。
宇:あの、リミックス…DRAGON THE FESTIVALで出してるじゃない?あれと、初期のFAIRE LA VISEを合体して…曲目、なったかも。
小:かも知れないですね。
ー:キャーキャーの、みなさんが本当に楽しみに待ってたという…
小:「キャー!」って言ってくれるもんですねえー。
宇:ほんとだね。いやいやいや、コンテストでも聞こえたよ。優勝した瞬間。
小:アイドルだったんですかね。
ー:いやでもほんとにアイドルみたいな、大・大・大人気、黄色い歓声でしたよね。コンサートに関して、38年前から今まで、変えてないこと、変えたこと、さまざまあると思うんですが。
小:今、聴かせていただいた音源に関しては僕なんですけど、なんも変わってない(笑)。相変わらず同じことやってるなっていう感じはあります。サンプリングってやつなんですけど。
木:やってたんだね。あのときからね。
小:唯一あれぐらいかな。誇れるのは。僕しかやってなかったっていう。
木:そうだね。先駆的なね。
ー:当時は衝撃的だったんじゃないですかね。
小:ん-。と、思いますね。サンプラーって楽器を持ってないと駄目だったんで。
ー:3名に、このSTVホールに再びお越しいただきましたけれども、また、機会がありましたら、遊びに来て下さい。
宇:ここにですか?
ー:はい!フフフ(笑)
宇:何しに来ればいいんですかね?
ー:えっと、何でしょうね。そう!ファンクラブのイベントとか、どうでしょう。
一同(笑)

 進行役の奈良まなみは、この会場でセミナーの司会もやったそうだ。その場所にTM NETWORKがいるという不思議さを、現地で対談しながら感じていたようだ。3人にはSTVホール出演時のライブ音源を聴いてもらったと言っていた。このように振り返り、談話中にも出てきた曲『DRAGON THE FESIVAL』をオンエアした。

TM NETWORK『DRAGON THE FESTIVAL』


 翌日にカナモトホールでのライブを控え、ファンの期待が最高潮に高まる北海道。その地の番組でリスナーの声が届けられ、TM NETWORKの3人もそれに応えた。スタジオだけではなく、38年前に出演した場所にも足を運んでもらい、そこでの談話を届けるという、エモい企画だった。

 さらにTM NETWORKの楽曲『N43』のモチーフとなっている喫茶店も話題に登場。店のオーナーの養女の方が電話出演した。ファンが来店したときにはBGMにTM NETWORKの楽曲を流して喜ばれているエピソードや、TM NETWORKが来店して曲を作ったエピソードが語られた。今回は、店からのリクエスト曲『N43』もオンエアされた。

TM NETWORK『N43』


 ライブ前夜に3人揃って生出演というだけでも大きな快挙。その上、この局でなければできない独自の企画で、地元ファンの機運をおおいに盛り上げたと思う。筆者は北海道には一度も行ったことがなく、縁もゆかりもない。それでも聴いていてアツい番組だったから、地元ファンの喜びようは、相当なものだったろう。

 MCの奈良まなみは、学生時代は放送部だったという。好きなことが職業になって、なおかつ憧れのアーティストと一緒に仕事ができたのだ。過去に坂本美雨や住吉美紀の番組にTM NETWORKが出演したときにも感じたことだが、こういうのは本当に感慨深い。今回の経験が励みになって、今後の仕事もますます実りあるものになっていくだろう。音楽業界に携わる人材にも影響力があるのが、今のTM NETWORKだ。
 彼らの出演は、番組制作陣をも活性化させる。これからもファンにその声を届けて欲しい。

 有望な若手アーティストに活動の場を提供し、キャリアを積んだ後にまた同じ場所に戻ってきて初心を思い出すという、この一連の流れ。今回はTM NETWORKのリスナーが熱い思いを共有することになったのだが、この感動は他のアーティストのファンにもぜひ味わって欲しい。STVラジオには、会場運営や番組制作において、今後も注力を止めることなく、音楽シーンを盛り上げていただきたい。


 ※画像は山木慶子さんのX(旧Twitter)アカウントの投稿写真を、承諾の上で使わせていただきました。ありがとうございます。



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STVラジオのニュースリリース

サントリーのサイトより、N43の紹介ページ

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