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北九州ラーメン王座選手権2024

 3月16日、北九州市門司区で北九州ラーメン王座選手権2024が開催されました。この日は絶好の行楽日和。

関門海峡の景観

 会場から徒歩で数分の距離に、本州へ渡る連絡船の乗り場もあります。ここから山口県の観光地にある観覧車も見渡すことができて、眺めているだけでも良い気分転換になります。せっかくの機会なので乗船してみました。

 週末で人の入りも多く、この日は臨時便が出ていました。船の2階は直接外気に触れるので、潮風を浴びながら、関門海峡の海景色を楽しめます。移動に伴い、海面に発生する波しぶきと関門橋、それからプロペラの回転。すべてを目で追っていきます。この景観は良いものですね。気温は16度。海の上でしたが、Tシャツとトレーナーだけでも寒くはありません。大型船に近づいたときは、なんだかワクワクしました。

 この連絡船で、宮本武蔵VS佐々木小次郎の決戦の舞台・巌流島へ渡ることもできます。僕が以前手に入れた資料では、本州発の便はあっても、九州発の便はなかったのですが、この日は本州・九州、どちら側からも巌流島へ行けるようになっていました。利用客も多くて繁盛していましたよ。

 日本史が好きな方はもちろん、この巌流島はゆでたまご先生原作の漫画『キン肉マンII世』第25巻の、スカーフェイス&ケビンマスク組VSアシュラマン&ボルトマン組の決戦の舞台でもあります。漫画の聖地巡礼の旅が好きな方にとっても、興味深い場所ではないでしょうか。電車や車での聖地巡礼はあっても、船旅というのは、なかなかレアだと思いますね。

関門海峡



北九州ラーメン王座選手権2024

 こちらのイベントに来るのは初めてでした。大人気だという情報は得ていたものの、実際に目の当たりにして驚きました。確かに大盛況。天気が悪かったら行くのはよそうかと思っていたので、前売り券までは買いませんでしたが、11時ごろだったのが幸したのか、無事に当日券をGet。
 お酒も売っています。車は持っているけれど、わざわざ公共の交通機関で来るというのもアリでしょう。そうすれば酒とラーメン、両方楽しめます。

 16店舗のブースに、それぞれノボリが立てられていて、気合いの入っているところは2階ぐらいの高さまであります。何十本ものノボリに、毛筆書体で書かれた店名の旗が風でパタパタとなびくようすは、なんだか戦国時代の合戦を連想させられました。

 会場は、スタッフの威勢の良い呼び込みの声で活気づいていました。過去の大会で好成績を修めた店は、看板に「優勝!」などと書いてあります。こういうのはアピール材料になるなと思いましたね。

 呼び込みの声に加えて、スタッフの服装も、
・赤いエクステンションの髪型
・氣志團みたいな刺繍入りの学ランに、大きなリーゼントのウィッグ
・ゲームのコスプレみたいな衣装
こんな感じのものまであって、祭りの雰囲気を盛り立てていました。
 名刺を配っている店もあって、PRが上手だなと思いました。

北九州ラーメン王座選手権2024-A
北九州ラーメン王座選手権2024-B



 僕のお目当ては北海道札幌市からゲスト出店の、inEZOという店。アメリカに渡ったこともあるようです。じゃがいもを使用したスープが特徴とのことで、福岡では珍しいのではないでしょうか。麺の細いとんこつラーメンに慣れている方には、inEZOの麺の太さも新鮮に感じられたかも知れません。具材の肉は器の端から端まであるような、とびきり大きなサイズで厚みもあり、とんこつラーメンとは明らかに違います。

 僕が到着したタイミングでは、この店がダントツに長い行列ができていました。車10台は並べられるんじゃないかという行列で、並ぶのをためらいましたが、やはりレアなものを食べたくて、この店にしました。
 客を捌くのが上手な店でした。調理用のテーブルに6人ぐらいのスタッフがつきます。1人ずつ各々担当の具を受け持ち、流れ作業で盛りつけるので、手渡しがスピーディー。列の最後尾についたときは気の遠くなる思いでしたが、食事にありつくまでの待ち時間の長さは、さほど気になりませんでしたね。

大道芸人SATOYA

 食事とともに、大道芸人・SATOYAさんのパフォーマンスも会場を盛り上げていました。手元にある球体が、まるで宙に浮いているかのように見える芸を披露。ドラゴンボールの「かめはめ波」で、ちょうど気を放った直後のような、両手を前に伸ばしたポーズで、手のひらの角度を段々と変えていきながら、球体が手から離れていくように見えるようすには驚かされます。

 ジャグリングでは刃物も扱います。この小道具が、飛行機移動のときには荷物検査で怪しまれるそうです。そんなクスッと笑えるエピソードも交えて、芸に加えてMCでも楽しませてくれます。持ち物を高く投げたり大回転させたりする芸を見せました。

 クライマックスでは2つの筒と箱を交互に縦に積み、その上に立ち上がるという難技を披露。SNSでは過去のイベントで成功した瞬間の写真も掲載されています。
 これは実際に生で見た方が、感動がダイレクトに伝わります。足場に丸いものを2つも挟んでいるので、本当に立ち上がりが不安定なんです。少しでも重心が傾くと、筒が回転して体勢が崩れそうになるようすがアリアリと分かります。
 何度も何度も立て直して、ベストポジションを探るSATOYAさん。見ていても絶体絶命のピンチな感じで、ハラハラする時間が長く続きますが、SATOYAさんはこの芸に長年かけた思いをMCに込めて、観客の注意を逸らしません。

 最終的にはバッチリと立ち上がり、拍手喝采。チップ入れには観客からたくさんのお札が投げ入れられていました。BGMもオシャレな雰囲気にビートも効いたサウンドで、僕好みの良い感じの曲を使っていましたね。


 海の向こうの対岸を見ながら、写真を撮るだけでも気晴らしになりますが、このロケーションは食事やパフォーマンスをより一層楽しくするのにも最高でしょう。これから暖かくなって外出が増える季節柄。出店・出演する側にも、注目していただきたい場所です。

 ※人気投票も行なっています。食べ比べて気に入った店舗に投票できます。

北九州ラーメン王座選手権2024-C

Japanese kitchenによる、出店店舗・楽亭の取材動画。厨房のようすや利用客の感想を紹介。冒頭の、店主が店を引き継ぐ経緯は、心にグッときます。


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