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続けるモノガタリ③


記憶を取り戻す...
ということは、ボクは何かを原因として記憶を無くしてしまっているということか。
物語を紡ぐ能力とは?
謎だらけだ。どれくらいの時間が経過しているのかも分からない。
「ううっ、酷い頭痛だ。喉も乾いた...」
とっさに口から言葉が出た。
何か頭痛薬、それと水が欲しいな。辺りを見回すと木製の四角いウォールナットで出来た机の上に透明なグラスに入った液体が目に入った。
「これは、水?」
彼女の方に視線を移すと先程よりも微笑んでいる様な気がした。なぜか分からないがこの水らしい飲み物は不思議と安全な気がした。
コップを口元へ持っていく。彼女は微笑んだままだ。
液体を唇に触れさせる。冷たい。
唇を広げて口に含ませると、それはよく知っている水だった。
ゴクゴクと喉を鳴らして飲み干す。
すると喉の乾きはもちろん、頭痛も消えていた。

彼女に質問をしてみる。
「言葉にしたらそれが出てきたような?それでは空腹を感じたと言ったら」
先程の机に目をやりながら話していると青いカップに入った球状の黒いものが目に入ってきた。これは一体。言葉を紡ぐとは?

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