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台湾に行ったら意図せず2回涙が出た。

台湾にいった理由は、故宮博物館に行きたい。好きなだけ時間をとってじっくり見たいと思ったからだった。

まずは台北市内の観光。国立中正紀念堂に行く。建物内部には蒋介石について紹介する設備もある。説明文から蒋介石を通した日本の姿を感じる。有馬温泉で撮られた写真などが見られる。解説には日本語もあり歴史を淡々と語る内容だ。直接的ではないが確実な何かを感じる。

いろいろなことを考えながら道を歩いていると「臺北賓館」が無料開放されていた。

道路に面した門に「本日開放日」という看板があった。この建物がなんなのか知らない。古い洋館があるのが見えた。

大きな洋館で入り口にはガイド用リーフレットが英語、中国語、日本語の三種類置かれていた。私は日本語版を貰った。

階段を登りながら中を読み、日本語ガイドを丸めて誰からも見えないようにした。

蒋介石の記念堂で感じた若干の気まずさがここにきて日本語パンフレットを読んでいる持っていることを隠したくなっていた。

建物、調度品など見ながらどこまで当時のものを再現しているかわからないが悪趣味・成金的な豪華さがあった。そしてこの建物が台湾総督の官邸であった。

なぜか涙が出ていた。

汗をぬぐうようなしぐさで涙を拭いていた。

関西空港から飛行機で2時間20分でついた台湾で泣いていた。70年以上前に使われていた西洋風建物に庭園、調度品や間取り何をとっても的外れで、やりたかったことと中身が一致しないためこんなことをしてしまったのだろうか。何をしていたんだという気持ちが強くなった。豪華さの演出に失敗するとこのような形なるのか。

階段を降りかけると足がつりかけている。疲れたのでホテルに帰ろう。

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故宮博物館に行った

なにかをすごいと思うには多少知識がないと難しいと感じた。日本の年代はだいたいわかるが中国の年代はいまいちわからない。しかも、商の時代って…。殷って今はいわないそうだ。

日本で古墳を巡りが好きで歴史博物館も行く。日本で発掘される青銅鏡は日本の土壌が酸性で錆びていることが多い。そのため、鏡の背面模様がはっきりしないことが多い。

故宮博物館で展示されている青銅鏡は、背面模様がきれいで紋様の線、エッジがきれいだった。ここまでのものは観た記憶がない。

考えられる可能性は、修復技術がものすごい。保存状態がよいものだけを展示している。日本にある青銅鏡とは違う成分で作られているのどれかだ。

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博物館で腰が抜けるほど驚いた。

この博物館のすごさに驚き、動揺して、ベンチに腰を下ろして涙を拭った。ここは冷房が効いていて汗を拭うような仕草ではなく歴史を感じた。1Fのガイダンス展示室に戻って日本のどの時代が中国の年代と同じなのかを確認したりスマートフォンで検索した。

青銅鏡に始まり鼎などをみて意匠の細かさ、モチーフ、経過した時間、当時の人達が感じた優越感や権力の象徴だった時を想像すると涙が止まらなかった。

昔に人が土器に模様をつけたり、青銅で鋳造した時を想像してみる。二千年以上たった今、私がそれをみている。

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できたらこれを読んでくれた皆さんに台湾に行って欲しいとおもって写真は2枚だけにしました。