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閑話休題(うつわ人器と天器)今年の干支は



甲の意味 
甲はよろいで、鱗、よろいをつけた草木の芽が、その殻を破って頭を少し出したという象形文字です、これを人事に適用いたしますと、旧体制が破れて、革新の動きが始まるということを意味しています。この自然の機運に応じて、旧来のしきたりや陋習を破って、革新の歩を進めねばならないわけなのです。
「甲」という字は、今まで寒さのために殻をかぶっていた草木の芽が、その殻を破って頭を出したという象形文字です。春になって草木が殻を破って芽を出す(これを甲折といいます)という自然現象を表します。人間のなすべき行為で言いますと、旧体制の殻を破って創造を伸ばせ、ということを教えてます。

辰の意味
「辰」という字は、これは説文学上から言いますと、会意文字で、理想に向かって辛抱強く、かつ慎重に、いろいろの抵抗や妨害と闘いながら歩を進めてゆくという意味です。辰の厂の次に書いてある二は、上・天・神・理想を表す指事文字で、振・伸・震と相通ずる意味を持っています。
「辰」は震に通ずる文字で、伸の義と解するなど、いろいろな解説があります。説文学から言いますと、寅・卯と来まして、ここで初めて非常に陽気に行動的になる。物事の活動力が依然として盛んになるわけです。時間でいうと午前七時から九時、中をとって八時。四季で言うと本当の春、春から初夏にかけるわけですから、物事が活発になる。文字学の解説もいろいろありますが、辰の厂は崖を表す。初めは門を開いて中へ入ろうとしたら草や木が茂っていて、それを刈り取ったり何かとやっているうちに、ブルドーザーででも突き崩さねばならない崖にぶつかります。その崖を辰の字の厂が表すわけです。この中は、その下に働いておる人の姿であります。問題はこの崖を崩す、つまり障害物の取り払いです。また春が陽気になってきますと、今まで水の中にあって貝が蓋を閉じていたのが、その蓋を開けて中身を出す蜃という字であるという解もあります。
 辰に自然現象を加えると地震の震です。つまり、非常に活動的、震動的になるということです。だから手扁をつけると振という字になります。その他、貝扁をつけると賑という字になる。そういうことでみんな解釈がつきます。「辰」は、「今まで内に蔵されていた、あるいは紆余曲折していた陽気、活動が、外に出て活発に動く」ということを意味しています。

 したがって今年は陽気の始まりの年でもあり(甲)大き動く激震が走る年(辰)でもあり、善悪共にいろいろの問題が活発に動いてくる、外に出てくるわけですから、今年は、紆余曲折、因循姑息は許されない。それだけに今年は気合のかかる、情熱をわかす年であるとも言えるわけです。

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