【閲覧注意】HSPという名の受信機。

母が帰ってきた。家の玄関が開いた瞬間、母からピリピリとしたオーラが発せられていることに気づく。むかしからそうだった。ぼくは他人の気分や状態を「必要以上に」受信してしまうのだ。

それはきっと、幼いころから「長男なんだからこうしなさい」と言われ続けた結果、あるいは「ひどいイジメ」を受け続けた結果身に付いた、ぼくなりの自己防衛のノウハウに違いない。

とくに分かりやすいのは「怒り」と「嘘」と「眠気」だ。彼女と電話をしているときにもよく「眠くなってきてる?」と聞いてしまう。本当は眠いのにぼくと電話をしてくれているのだろうかと考えると、何だか申し訳なくなってしまうからだ。

そのため「少し寝れば?」としきりに聞いてしまうので、ぼくが彼女と電話をしていたくないというふうに受け取られかねない。

眠気については、しばしば本人よりも先にぼくが受信してしまうことがある。彼女に「眠くなってきてる?」と尋ねたとき、「言われてみればそうかも」という答えが返ってくることも少なくない。

これらのエピソードはどれも「電話で」の出来事であり、彼女が眠たげな表情をしていたとか、あくびをしていたということから「彼女は眠いのではないか?」と思ったわけではない。

なんとなくそう感じた、という感覚の精度が、異様に高いのだ。

ぼくは一般的な人間よりずっと「敏感」にできているらしい。

敏感で繊細な人間のことをHSP(Highly sensitive person)というが、ぼくはそのHSPのなかでも「とくに敏感な人間」に属していると確信している。

帰宅した母がひどく怒っている。そのことを強く感じると、何だかぼくのほうまでイライラしてくるのだ。母にとっては「理由のある怒り」も、ぼくにとっては「意図せず受け取ってしまった怒り」でしかない。

理由がないので怒りの矛先は自分か、怒りを発していた人、この場合は母に向けざるを得ない。

結果、こうして「うつろぐ」を書いている。

ぼくはもっとふつうに人としゃべりたい。しかしぼくにはそれができない。相手の考えが入ってくると、どうしてもその考えに沿うような発言をしてしまうし、何か言おうとしても、そのことを喋ったときの相手の反応が先に分かっているので、結局なにも言えなかったりする。

先日、電話で彼女が「黒井のことを全然知らない」というふうなことを言った。ぼくは少しショックを受けたが、たしかに、ぼくは自分のことをほとんど彼女に話したりしない。どういう答えが返ってくるか、(少なくともぼくのなかでは)分かっているからだ。

ぼくが会話をする人間は両親と彼女くらいのものだが、これまでぼくが素直に本音を喋ることができたことは(部分部分では素直に喋っているかもしれないが)ただの一度もないのではないかと思う。

ぼくは一生この他人の感情や嘘が入り込んでくるような気持ちの悪い感覚とともに過ごさなければならないのか。

ときどきそう思い、死んでしまいたくなる。



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鬱ログ

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