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ユグド通信Vol.48 森妖精の寿命

 チェンクロで最も長寿な種族といえば森妖精。一般作品でいえばエルフに相当する彼らは長い者では数万年を生きています。一見すると不老不死にも映る彼らですが実際の所はどうなのでしょう?

今回Ainは森妖精の寿命やおおよその年齢、年代について考察したいと思います。



1.森妖精とはなんぞや

それについては下記の過去記事でも触れているので割愛しますね。
https://note.com/962962/n/nc1c7e47cab89

2.森妖精の平均年齢はどれくらい?

 チェンクロの舞台ユグド世界は約五万年周期で滅亡と再生を繰り返していたのでそれ以上の寿命があるのかどうかは分かりません。更に言うと森妖精の誕生は世界樹と密接な繋がりがありますので世界樹が相応に育つまでの期間は存在すらしないことになります。
なので最年長のユグドとラシルでも最大四万歳+αと仮定しましょう。

次に長いのが森妖精の原点である黄果の氏族長ポテンシア。ユグドよりは若いとは言え数万歳であることは確実、その次が大樹の氏族長アルボール。ラシルがユグド大陸を旅立った頃は、まだほんの子供だったそうなのでこちらも数万歳は確実と言えます。一方の海風の氏族長だったオルオレータはせいぜい数千歳。千河の氏族長ラファーガはそれより年下であることから、ほとんどの森妖精の平均年齢は年長者でも数千歳ということになります。

3.森妖精にも寿命はあるの?

アルボールの寿命はポテンシアほど長くなかったようです。

一見すると不老不死に見える森妖精もアルボールが大樹の氏族の立ち上げを決断した背景が寿命だとすれば不老不死とはいかないことが窺えます。(ユグド、ラシル、ポテンシアは例外みたいですけど)一方で戦闘民族である千河は寿命よりも戦で亡くなるケースが多いし海風も千河ほどではないにしろ戦う機会が多いことから千河に次いで平均寿命は短くなります。

それでは荒事を毛嫌いする傾向の強い大樹と黄果なら寿命を全うするのでしょうか? 大樹は大地に根を降ろして世界と一体化することを生涯目標にしている一族なので森妖精としての一生を終えた後も植物として生き続けています。森妖精としての自我は希薄になりますが、アベータ(※)祖父の例を見ると氏族間での共鳴には反応するみたいなのである意味不老不死と言えなくもありません。

黄果はどうなのでしょうね。ポテンシア以外の義勇軍メンバーは全体的に若い世代が多いのですがちょっと気になるシーンがあります。

ロスカァとラシルには面識がありそうです。

画像1 でラシルは誰かを見つけます。
画像2 ロスカァのようです。
画像3、4オルオレータを若い子と呼ぶ年寄り。

この後ロスカァはベルダッドと共にセレステ達を連れて逃げてくれます。あの無精者のロスカァが初対面の相手の頼みを聞くと思いますか? 更に海風の氏族でも年長組に入りそうなオルオレータは若い子扱い。この時のラシルは○万年振りに精霊島に帰ってきた所なのでロスカァとは以前から面識がある可能性が高く彼女も黄果の中で年長者の一角であると推測出来ます。

しかしこれだけでは寿命があるのかは分かりません。ですが各氏族には世代交代があります。まずオルオレータとラファーガはそれぞれの氏族の初代族長ではありませんしユグドを守護する使徒もラシルとカルネロの間にも何人もいます。分解者の女王ラウトにも先代がいることが『穢れの檻に囚われて』で語られています。しかもユグドの口振りからすると唐突な交代劇ではなく代々受け継がれてきたお役目であることが窺えます。金獅子(レアーオ)と銀狼(バリエナ)の守護者もラシルがユグドにいた頃からいたようです。(当時はまだ海風の氏族という名称はない筈ですけど)世代交代が必要なのは寿命に拠る所が大きいのではないでしょうか。

ここまでをまとめると…
1.アルボールは寿命を伸ばす為に独立した。
2.千河と海風は早死にしやすい。
3..大樹は大地に根を降ろして植物化するが、植物としての寿命は永遠に近いようである。
4.ロスカァは意外と年寄り。
でしょうか。

(※)『聖夜を彩る樹人アベータ』の祖父は聖夜の聖人が世話になった聖樹でもあります。

4.森妖精以外の長寿な種族

 火鬼のヒトリは年齢を問われて200歳とか言っていましたよね。シヅチとコロミに至っては現在の九領誕生の頃から生きているので数千歳は確実。そうなると種族系統の近い火妖精も同等でしょう。土妖精については大族長のバルドルが(海風の方舟で)森妖精とは時間の流れが違うと述べていましたが、それでもアイナ(迷宮山脈の鍛冶職人)の師匠が、「人間なんて寿命が短いから教えるだけ無駄」的な話をしていたので森妖精には及ばないものの長寿が窺えます。他には魔物になってしまいますが、竜族、妖怪、魔神なんかも長寿ですよね。更に先天的なものではないですがクラインとヘリシティーとディルマ、人ならざる者ですがゼルザールやジューダなんて例もあったりします。

5.森妖精の年齢を推測してみる

ここからは森妖精の年齢を氏族毎に推測してみます。

黄果

森妖精の原点である黄果の氏族の長ポテンシアは最も古い森妖精の一人。その年齢はユグドに及ばないものの数万歳になります。ロスカァもラシルと面識があるのなら数万歳は確実でしょうね。ラスティマもアルボールとタメ口であることから年長であることが窺えます。逆にディエス三姉妹は成人こそしていますが黄果の中では年少なので百歳以下と思われます。

ムジカについては里を出たのが50年前、当時から既に大人ではあったので数百歳でしょうか。リーニャやミニモに比べると年上です。クストディオとサナオーリアはリーニャと三姉妹の間くらいでしょうか。コモディアとサビオはリーニャ以上ムジカ以下のイメージ。グラシアとアレグリアも世代的にはリーニャと同年代か少し下かと。

千河

千河の最年長はラファーガでしょうね。200歳を超えてからは数えていないとのことですが、オルオレータとの年齢差を考慮すると1,000歳以上3,000歳以下と思われます。トルナドはラファーガの右腕的な立ち位置から数百歳以上ではありそうです。ハジャダ、ブリサ、ジェアダ、リュビアも世代的には近いと思われます。ミラジェンは50年前にムジカが島を出た頃は子供だったそうですが、20年前の九領との聖戦では子供達の面倒を見ていたようなのでせいぜい100歳以下でしょう。20年前はまだ子供だったビエンタ、ライオ、ガロアは50歳以下と推定。ヌヴィエムとスピリオーナはミラジェンと近い年代と思われますが、テンペスタ、ネブリナ、アイレ、レサーカはもう少し若そうです。トルメンタとコリエンテはビエンタよりは年下として、ティフォは最年少なので30歳以下でしょうね。

大樹

最年長はポテンシアに次いで古いアルボールが数万歳ですが、アルボールが独立したのは砂漠で大きな争い事が起きていた時代(※)なので約五千年でしょうか。上の世代はトレランシア、ウィヴェア、ローザ、フロル、ウーヴィア、その下がゼルコバ、サイプレス、ユーヌマス、エイラでしょうか。幼少期を聖王国で過ごしたエイラは50年くらい前はまだ師匠の元にいたので100歳以下でしょうね。エバノ、サンデーロ、セレージャ、カクトは無邪気さや攻撃的な面から見てエイラ達よりは若そうな印象。パポラは見た目は幼い感じですが年齢が読みにくい。

(※)竜の民と黄金の民の争いと推測されます。

海風

一般的に最年長=族長のイメージが強いですが、それが当てはまらないのが海風。一番年上なのは不老不死の呪いを抱えたサーポですね。彼は外見こそ幼めですがオルオレータを大きく上回ります。更にセラカも数百年も島には戻っていなかったことからかなり年長であることが窺えます。ではオルオレータの年齢はどのくらいでしょう。彼女が幼少期に猛威を振るったのが当時の剣聖アグダラなので数千歳でしょうか。

残りの海風の氏族の年齢は如何なるものでしょう。ただ人数が多いので分からない分は割愛しますね。
まずルーラはオルオレータと同年代なので数千歳。タンボリルもおっさんですしトゥバラオも若年ではないので近い年齢かもしれません。オストラ、オリュミーナ、ヴィーボラ、ラーナ、バラクーダ、ペイシェは比較的若い世代ですね。特にペイシェは九領と聖戦していた頃は子供だったみたいです。バリエナはペイシェ達よりは上で同世代にはカルネロとレアーオがいます。リンセは子供世代のリーダーで同世代以下にはコネリ、パロマ、キャン、イナミがいます。クーシャンとシーシャン(以下クーシー)も子供世代には当たりますが、二人は鷲獅子の眷属ということもあり幼いながらに大人びた思考も持ち合わせています。年齢的には歳を聞いてきたラインベルト(※)よりは歳上と見た方が良いので20~30の間と思われます。クーシーが30以下とすればペイシェの世代は50以下、バリエナの世代は100以下といった感じでしょうか。ここで分からないのがリンセになりますが、それについては次の項で解説します。

(※)カインの弟子でガーディアンギルドの盾

6.ハーフの成長は人間寄りか妖精寄りか

森妖精のハーフ達。(左からメーリア、リンセ、ルカナ)

前項でも触れましたがリンセは森妖精と人間のハーフなのですよね。作中でハーフが明言されているのは他に大樹のメーリアと賢者の塔のルカナですが、ハーフの成長率は人間と妖精どちら寄りなのでしょう。
森妖精のモデルと考えられるエルフ(ハーフ)の成長率は作品毎にバラバラなので統一見解というものはなさそうです。仮に森妖精寄りならリンセと幼なじみのコネリは同じ周期で成長しますが、そうなるとルカナはどうなのでしょう。今では学校を卒業して学者になりましたが、妖精寄りなら同期の四人とは徐々に時間の周期が擦れていきます。逆ならリンセは早々に寿命を全うしてコネリが残される未来もあり得ます。話が脱線してしまいましたがハーフの寿命は人と森妖精どちらに近いのでしょうね。(余談ですが千河のテンペスタも耳が尖っていないのでハーフだったりしないですかね?)

7.森妖精の青春は一千年単位!?

年長の森妖精が若い頃の話をすると数百年どころか一千年なんてのもざらなんですよね。森妖精の幼少期はクーシーの推定年齢から30歳くらいまでで、ビエンタの初陣から現在に至る期間を推測すると50歳を越える頃には成人している感じでしょうか。ここから若い時分とは幾つくらいまでを差すのでしょう。前述のオルオレータの幼少期はアグダラが暴れていた数千年前、しかし彼女がyggd chronicleで若い頃と触れた時代に活躍したのはランスバーン(※)の時代。これは数百年前の話なので森妖精の若い時分とは一千年以上ということになります。成人するまでが50年近くでその後の若い時分が一千年以上……ちょっと想像つきませんね。

(※)アインスロットとマリスの御先祖で聖騎士団総帥と剣聖を兼任。

8.その他の年長者

精霊島にはユグド達と四氏族以外にも長寿がいます。そんな面々についても触れておきましょう。

アグダラ

かつての森妖精の盟主に仕えた剣聖。主亡き後も強者を倒すことを生き甲斐としていたが、まともに戦える相手が居なくなり眠りに着いていた。しかし黒の因子に触発され魔神化して暴れ回っていたが、更なる成長を求めて義勇軍で人について学ぶことになる。推定年齢は数千歳以上。少なくともオルオレータよりは上の世代。

ラウト

精霊島の穢れを浄化する分別者の女王を引き継いだ女性。少なくとも一万年以上を生きている。

ゴゴラニムガ

ラウトに仕える穢れの使徒。森妖精ではないようですが正体不明。何時からラウトに仕えているのか分からないので案外万年単位の歳かもしれませんね。

ヴォルクリス

今は亡き精霊島最後の幻獣。若き日のラシルが腕試しに勝負を挑んだくらいですから四万年以上は生きていたのでしょうが戦闘で死亡。今は精霊のような存在となって眷属たる子供達を見守っています。(尚戦闘に巻き込まれなくても数年内に寿命は尽きていました)

世界樹

精霊島と森妖精を生み出したユグド世界の根幹。元々は異世界で生み出されたものらしいが、約五万年間ユグド世界にマナを供給し続けている。アルボールが同化した植物も世界樹なのかもしれませんね(※)。

(※)大樹のゼルコバが同化したのが島で二番目に高いケヤキだとするなら、もっと大きいアルボールは島で一番でかい世界樹と同化ということになります。

9.まとめ

それではここまでの内容をまとめてみましょう。
世界樹と共に誕生した森妖精達の寿命は一万年以上だが不老不死という訳ではない模様。妖精に相当する種族の大半は皆長寿。森妖精達の年齢構成は数十歳から数万歳。戦で命を落とすケースが多いことから千河と海風の平均寿命はやや短め。寿命が長いことから若い時分も長い模様。ただしハーフも該当するかは不明。と言った感じでしょうか。

10.後記

脈絡なく森妖精の寿命について解説する形となってしまいましたが如何だったでしょうか。ほとんどが推測の域を出ないし世代の振り分けも印象を重視した為に正確とは限りません。(運営が詳細を詰めていないせいもあるのでしょうけど)ぶっちゃけ大筋は外していないと思いますが細かい点はあまり当てにしないでください。結局森妖精くらい長生きすると悠久の時の流れに比べて義勇軍が活躍した期間なんて瞬きに過ぎないのかもしれませんね。

最後に余談ですが漫画『チェンクロ クリムゾン』ではユグド大陸千年後の後日談が語られており、森妖精の子孫に今の時代ではまずあり得ない面白い変革が起きていたりします。

今回は以上です。

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