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チェンクロ課外活動11【黒の軍勢1】

チェインクロニクル(1,2部)のメイン敵であり、シン・クロニクルにも同名の敵が出てくる黒の軍勢とは一体なんなのか?

これが結構説明に難を要するのですよね。
チェンクラー(※)でも正確に答えるのは中々にに骨が折れそうです。
ウチAinは年代記研究者を自称したいので、今回はこの難題に挑戦しようと思います。

(※)チェンクロユーザーの総称

1.物語の始まり

下記はチェインクロニクル(以下チェンクロ)第1部1章のあらすじになります。(分かりきっている方はこの項は飛ばして第2項から読むことを薦めします)

深淵より突如として現れた異形の軍団。
人ならぬ姿をした者たちは、地を覆うほどの数と恐るべき狂暴さを持って王国の領土を次々と破壊していった。
ついには王国最大の都市『聖都』を占拠する。彼らの目的とは…
・チェインクロニクル公式HPより抜粋


物語が始まると主人公は妖精ピリカと共に黒の軍勢と戦い、街で義勇軍創設メンバーと出会います。
そして次の依頼の途中で助けたのがヒロインのフィーナ。物語のカギとなる本(チェインクロニクル)を持った記憶喪失の少女です。

ユグド大陸や黒の軍勢の事情に疎いフィーナを守りながら記憶の手がかりを求めて依頼をこなしていた義勇軍の前に、禍々しい空気を纏った男女が現れます。男は自らを黒騎士と名乗りフィーナの身柄を要求。
女は力付くでフィーナを連れ去ろうとしますが、フィーナの本が暴走した為に二人は身を引きます。

街に戻った義勇軍は戦士ギルド長の紹介でギルド同盟議会の議長と知り合い、幾つかの任務をこなし信任を得ます。そんな矢先に難民キャンプが黒の軍勢の襲撃を受け、駆けつけると率いるは例の女。再び暴走するフィーナの本。

全ての事情を承知した議長は自身の秘密を明かし、本の秘密を解き明かすべく賢者の塔の三賢者を頼ることを薦めます。

ここまでが第1部1章の話になります。
ユグド大陸が黒の軍勢の侵略を受けて王都は陥落。
義勇軍を結成した主人公は、謎の本を持った記憶喪失の少女を守りながら黒の軍勢を率いる者達と戦う。


ユグド大陸の置かれている状況は概ねこんな感じ。
次は黒の軍勢がもたらしたものについて解説したいと思います。

2.黒の軍勢が如何に脅威か

黒の軍勢はユグド大陸の外からやって来た黒い魔物。
圧倒的な数にものを言わせて王都を占拠。徐々に大陸を支配下に置こうとしています。
ここまではよくあるRPG冒頭の展開ですよね。
でも黒の軍勢は普通の敵とは根本的に違うんです。

1.黒の軍勢は生き物ではない
いわゆるファンタジー系のRPGの敵の定番と言えば、魔王率いる魔族や魔物達ですよね。
チェンクロの世界にも魔物は勿論、魔族とか魔王もいますよ。でも黒の軍勢はそうではない。魂を宿さない彼らはどちらかと言うと文明を滅ぼす無人機に近い。

では無人機のように無機質に殺戮を行うかと問われれば、答えは否となります。
(むしろそういう敵は3部の『白き異形』の方が近いかもしれません)

2.恐るべき変異種
前述した通り魂を宿さない彼らの大半は無機的に破壊と殺戮を繰り返します。しかし中には悪知恵の働く者や特殊な能力を宿す者がいます。
ここではこれらを総称して変異種として扱います。

変異種は通常の黒の軍勢と異なり言葉を喋る者も少なくありませんが、外見が必ずしもボス級とも限らないのが変異種の恐ろしいところ。
一例としてはマンハンター(※)ですね。他にも義勇軍のメンバーに化けたり、人間に取り憑いて操ったり、天変地異を起こしたり、人々の心をへし折ることに特化した個体もいたりします。

(※)チェンスト『賞金争奪戦』参照

3.世界を蝕む黒化病
血も涙もない敵なんて無機質でなくとも、まあたまには見かけます。しかし、黒の軍勢の恐ろしさはそこに留まりません。それが黒化病。

黒化病とは黒の軍勢を構成する黒の因子がウイルスのように人や動物、大地を侵食する状態のことです。
アニメ版『ヘクセイタスの閃』第1話では、王都から吹き出した黒の因子が近隣の大地を蝕み畑を全滅させています。これが人や動物に感染すると徐々に自我が失われ、破壊衝動に支配された魔物と化します。

4.恐るべき増殖力
3で述べたように黒の軍勢とは一種のウイルスか癌に近いものかもしれません。単体では他の魔物と比べても大差ないのですが、彼らは突然現れます。

勿論無作為に湧き出す訳ではありません。
予め伏兵を忍ばせたり、召喚魔法を用いたり、魔神や幹部が召喚することで黒の軍勢は姿を現します。
しかし空気中の黒の因子の濃度が濃い程、実体化しやすいようです。

5.生きとし生けるものの全てを踏みにじる
2でも軽く触れましたが、黒の軍勢は人の心をへし折ります。下記に黒の軍勢が心をへし折る代表的な物語をPUします。これらは黒の軍勢が如何に醜悪で徹底した外道かが分かる事件かと思います。(シンクロでもこの徹底ぶりは踏襲されています)

・チェンスト『ふたりの英雄』『賞金争奪戦』
・外伝『運命の導き』
・キャラクエ『ラブラ』『クラリス』『エイレヌス』

3.黒の軍勢を構成するもの

黒の軍勢には大きく分けて黒の因子から生まれたものと黒の因子に感染したものの二種類があります。
前者は黒の根源、黒の軍勢全般、後者は黒化した人間や魔物を指します。もう少し具体的な例も上げていきましょう。

1.黒の因子から生まれた魔物達
黒の軍勢と一概に言っても実は黒の因子だけで構成された魔物の種類は黒化したものに比べて少ないのです。代表的な例としては魔神魔将軍黒の兵士が該当します。他には黒の軍勢が合わさっての姿(絆の軌跡・ケ者の大陸)に変化する例もあります。

迷宮山脈の魔天竜(迷宮外伝)や九領の災禍の竜(九領筆頭シュザ)、オロチも滅びをもたらすという広義の解釈では黒の軍勢と呼べるかもしれません。

2.黒化した者達
黒化魔物の代表格と言えばガイコツ兵ですが、ドールゴーレム巨人の黒化現象も作中確認できます。更に黒の軍勢のパシりになっていたゴブリンも広義の意味では黒化魔物と呼べそうです。

黒化病にかかった人間も黒の軍勢魔神になりますが、九領の霊媒師曰く「生物かは関係なく、強い力に魅かれるのかもしれぬ」という仮説を述べています。
実際に無生物が黒化した例としてはアスルトルナの槍、ゴルダリーの黄金像バルクスの例があります。
(黒化と魔神の詳細はまた別の機会に解説します)

4.黒の軍勢の真の目的

黒の軍勢は世界を滅ぼす為に存在します。
それはユグド世界が誕生した時点で定められた必然。
生き残った人々は滅亡する世界を脱出して新たなるユグド世界を開拓します。
この流れが約5万年周期で500万回繰り返されたのが現在のユグド世界となります。

それだけの繰り返しを続けていれば当然黒の軍勢はあらゆる可能性を想定しています。
それでも誤差はあれど世界は同じ周期を辿って滅亡してきました。世界は何故滅亡と再生を繰り返すのか。
黒の軍勢は新世界に渡る人々を阻止しないのか。

1.滅びをもたらすは人か魔物か
黒の軍勢は何故世界を滅ぼし白紙化するのか。
それは世界が危機に瀕しているからでしょう。

黒の王「ピリカよ内なる声を聞け。この世界の上げる悲鳴が聞こえるはずだ。世界は滅びを望む。ならば貴様もそう願うはず」(第1部10章『最後のクロニクル』参照)

何故世界が滅びを望むのか? ここで詳細が語られることはありませんが、関連しそうな話があります。

シャーリー「むしろ、人間のマナ消費量が異常なのかもしれない(中略)最新の学説では、あと100年以内に大地のマナがすべて消失すると言われている」(枯れ枝の魔法使いシャーリー参照)

他にも4部の話なので詳細は割愛しますが、謀略世界のキュリオも似た話をしていますね。数千年でクーロン(マナに相当)が枯渇したとのこと。(4部『HERO』参照)

そうなると黒の軍勢は世界を救う為に破壊しつくしているようにも見えます。しかしそれなら人間を根絶するだけで事は済みそうですよね。
では何故黒の軍勢は世界再生を止めないのか?
これは黒の軍勢より上位の存在が関わっているものと思われます。

黒の王「いささか飽いておるのよ。繰り返す、変わらぬ結末にな」(第1部10章『最後のクロニクル』参照)

さすがの黒の王も繰り返される世界にいささか飽きがきているようです。ここからも黒の軍勢もまた世界という枠組みに縛られた存在であることが窺えます。

2.滅びを厭わない黒の軍勢
黒の軍勢は世界を滅ぼしますが新世界に旅立った人々を追撃することは出来ません。
なぜなら彼らは消える世界と共に消滅するからです。
(黒の王はクロニクルがあるので記憶継承ですけど)
では彼らは自身が消滅することをどう考えているのか? ひとつ参考になりそうな台詞がありますのでご紹介します。

魔天竜「我は、我が生み出された使命を果たすまで。
世界が滅び我が命潰えようと、それが我が宿命。
それを全うしてこそ、我の生まれた意味がある」(迷宮山脈外伝『錯綜! 過去×未来』参照)

全ての黒の軍勢が同じ信念で動いているとは限りませんが、少なくとも黒の軍勢と同質の魔天竜はこう考えているようです。
世界と共に滅びる為に生まれた存在。それが黒の軍勢なのでしょう。

5.変わる世界と黒の軍勢残党

第2部にて黒の根源が消滅した世界に残された黒の軍勢の残党達は徐々にその数を減らしていました。
そんな中起きた紙片化現象事件。世界根源はクロニクルをリセットすべく世界中から魔神と黒の軍勢をかき集め義勇軍からクロニクルを奪おうと画策します。
この戦いは世界根源の分身とも云うべき天魔と暴走したクロニクルを鎮める戦い。以後異界の妖精達の介入が始まるまで世界根源は静観の構えを示しています。

一方で黒の根源復活を目論む魔神がいたことを覚えていますか。彼女の名は制約の魔神タブリス。過去数度に渡り黒の根源復活を目論んだ魔神となります。

そしてリヴェラ一行を狙った魔将軍。(『8th記念クエスト』)既に黒の根源が消滅して六年の月日が流れているにも関わらず、未だ黒の軍勢の変異種は健在。

未だ姿を現さない未知の魔神も含め世界にはまだまだ野良の黒の軍勢が蔓延り、黒の根源の復活及び義勇軍への復讐を目論んでいることが窺えます。
黒の軍勢の根はまだまだ深いようですね。






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