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週刊ユグド通信Vol.73『ユグド世界の信仰の話をしよう3』

 前回に引き続きユグド世界外洋の話と信仰の歴史の総括になります。



  6.外海の信仰2

  義勇軍未踏の大陸の聖職者達が何を信仰していたのか多くは語られませんが、装束や杖の意匠を見る限り同じ神様を信仰していたとしても宗派は違うと考えて良さそうです。

1.リヴェラの仲間達

 リヴェラの仲間の僧職はギュネイとレンレですが、二人がどのような宗派かは分かりません。(ギュネイは僧侶ではなくヒーラー?)シーターも神のお告げを授かる巫女だそうですが、信仰に結び付くものかは定かではありません。

2.魔神と所縁の者達

 魔神や所縁の者の中にはかつて信仰の対象となっていた者や聖職者を務めていた者がいます。

 1.執着の魔神アルミルス
 彼女の親は邪教の教祖ですが、今となっては教団に纏わる一切は失われアルミルスの記憶の中に残るのみとなっています。

 2.虚ろの魔神バルクス
 バルクスはとある国で崇められていた神様の像が魔神化したものになります。何時誰が奉ったのかは今となっては本人すら分かりません。

3.治療の魔神ザルブリス
 ザルブリスはとある大陸最大の教団から神の子と崇められていましたが、これはあくまで建前上のもの。ぶっちゃけ金づるに過ぎなかったので教団幹部には信心なんて欠片もなかったでしょう。

4.魔除けの魔神ミズクン
 ミズクンとジンランは祖国で破邪と招福の女神の生まれ変わりと崇められていました。この国には破邪と招福の女神の伝説があるようですが詳細は分かりません。

5.陽光の魔神スカクリル
 スカクリルの地下王国の信仰については言及はされていませんが、土地柄‘’太陽信仰‘’がなされていたものと推測されます。湖都にも太陽を奉った遺跡がありますし可能性は高いでしょう。

6.不義の魔神ファルズフ
 ファルズフの国は通称『黒の王国』この国では黒の軍勢を信仰対象としており、魔神の力で世界が滅亡することこそが再生と福音であるという教えに基づき魔神を生み出しました。

7.五芒星の魔神ゾファス
 ゾファス王に狙われていブラーナとクーリエは神獣の力を守っていた教会の巫女。全部で五つあった教会が信仰する神様の詳細は不明ですが同じ宗派の教会ではあるようです。

8.混乱の魔神タグリヌス
 秩序の魔神トゥキファトが治めていた秩序の国と対立していたのがタグリヌスの混沌の国。この国では混沌を司る神が信仰されていたようです。異なる信仰と思想を掲げる両国は長年に渡り対立していました。

9.託宣の魔神フアルトル
 フアルトルが住んでいた国の森を司る神霊がシュクイルケ。人々の信仰心から生まれた森の化身である彼女は概念的には精霊に近い存在のようです。

7.ユグド世界の信仰の歴史総括

  ユグド世界の主だった信仰は以上となります。ここからは信仰の歴史の話おさらいしましょう。

1.ユグド世界の信仰の原点

 ユグド世界の始まりに立ち会った人々が外部から信仰を持ち込んだ可能性は極めて低いでしょう。そうなると当時の人々を守り、力と知恵を授けた大神殿に奉られていた空の女神がユグド世界で最も古い信仰と考えられます。

 やがて精霊島に世界樹が根付きユグド大陸のクロニクルと森妖精ユグドが誕生。人々はユグド大陸全土への入植を進め外海への進出も始まります。そんな初期の移民船団の一派を率いていたのが後の古代鉄煙文明を拓いた王家となります。そんな王家が憧れて止まなかった存在が空の女神であり現在の鉄煙にも神話として受け継がれています。一方ユグド大陸の湖都地方で古代魔法文明の後に繁栄を享受した黄金文明ビアルジャで信仰されていた原始の子は子供の姿をした神様。

 時の流れの中で古代鉄煙文明は滅亡し、そこから再建された現在の鉄煙では神話の中でのみ古の三女神の伝説が語られています(※)。(この辺の話は改造の魔神ハプスを参照)

(※)セレステ、ビオレータ、ナランハのこと。原初の子という俗称もあった気がしますがソース不明瞭。

  古代鉄煙文明がセレステを目指して廃棄物の魔神トグラスを生み出したように黄金文明ビアルジャが生み出したのが器のゼルザールになります。しかしビアルジャを構成した十の部族に反乱が起こりビアルジャは崩壊。暁と月(※)を除いたほとんどの民は黄金都市と共に滅亡。やがて原始の子に纏わる記述の多くも失われることとなります。

(※)シャディアやジブリールの一族。

 大神殿が建造された当時は聖人の一人がセレステに謁見を行っていたことがリリスの話から確認できます。その聖人はユグド大陸のクロニクルが誕生する前に亡くなったようで後継も指名しなかったことから大神殿の聖域は以後不可侵の領域となり次第に信仰対象は女神から聖人へとシフトしたことが窺えます。

 以上によりユグド世界で最も古い信仰対象だったセレステ姉妹『空の三女神』の伝承は失われて行くこととなります。(黒の根源から存在を秘匿する意図もあったかもしれません)

2.神去りし世界の信仰

 セレステ姉妹が眠りについた後のユグド世界ではどのような信仰が盛んになったのでしょうか。古代魔法文明時代の信仰については記述がありませんのでそれ以降に限れば聖人信仰の聖王国を除けば最も盛んなのは精霊信仰なのでしょうね。とは言っても精霊の種類は千差万別。ここで言う精霊信仰とは自然霊は勿論のこと海神信仰や竜神信仰を包括したものと考えて下さい、なにせユグド大陸とケ者の大陸では精霊は似ても似つかない姿ですから(※)。 竜神信仰を混ぜる件についてはドラゴンの性質が精霊のそれに近いことと、精霊級ドラゴンという分類があることが根拠となります。(竜神信仰は世界的には廃れ気味ですが、その話はまた別の機会に)

(※)可視化されたケ者の精霊はメルルダが連れていますが、動物的要素が強くユグドの精霊とは印象が異なります。

3.黒への信仰

 人々が世界で最初に信仰対象とした空の三女神とその流れから派生した聖人信仰。世界各地で独自の信仰が確立した精霊信仰。これらに包括できない信仰が如何にして生まれたのかは定かではありません。しかしケ者の大陸の『夜の王』や聖王国の『輪廻教会』、黒の王国の『黒信仰』どれもが外部から異端と嫌悪されていますが、黒の根源が加担したわけでもないでしょうし何処から湧き出した信仰なのでしょうね。

4.信仰のまとめ

 ‘’鰯の頭も信心から‘’とは言いますが人智を超越した力は人々の信仰の対象となります。ユグド世界最古の信仰が失われる過程で人々は実に多様な信仰を発展させてきました。詳細の分からない宗派も多いのでこれが全てとは言えませんが、ユグド世界の信仰の原点は聖王国では聖人信仰に受け継がれ、湖都では黄金の民が、鉄煙では神話に名残を残していますが、他の地域では全体的に精霊信仰が盛んなようですね。今後は各種FC活動が後の世に神格化する可能性もあるでしょうしユグドの信仰はまだまだ未知数です。

 今回は以上となります。


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