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週刊ユグド通信Vol.36 迷宮山脈は不遇?(後編)

 前回のアルカナ実装状況を見る限りユグド大陸における迷宮山脈の扱いはわりと不遇な感じですね。
では何故に扱いが悪いのでしょう? 今回は迷宮山脈が蔑ろにされがちな理由を独断と偏見に基づいて考察したいと思います。


1.迷宮山脈と本編

チェンクロ本編における迷宮山脈を舞台にしたお話は第1部3章『土妖精の住処』に遡ります。
賢者の塔にチェインクロニクルの調査を委ねた義勇軍は力の賢者メルティオールのおつかいで迷宮山脈を訪れます。ここで東北東の族長オルガ(※1)、北の大族長バルドル(※2)、火妖精の族長ロロ(※3)と知り合いますが、当時の土妖精は職人気質な堅物集団。精霊島の森妖精に比べれば排他的でもありませんが無愛想な頑固者が多い。

 次に義勇軍が迷宮山脈を訪れるのは黒の王討伐の為の円卓会議召集の試練。土妖精は王都の戦いでは奇襲用の地下トンネルを掘削、火妖精はサポートに徹しました。 第2部では外海に出る為の船を建造。以降は黒の軍勢との最終決戦にも参戦しています。

ここからが問題の第3部なのですが、五人の主人公の中でアリーチェだけが序盤の校外学習(※4)で迷宮山脈を訪れています。以降はグランドサーガまで目立ったエピソードはありません。元々本筋に絡むことは多くありませんが第3部以降は躊躇ですね。

(※1)迷宮山脈入り口に集落があるので外交を一手に担っている。後に大族長に就任。
(※2)迷宮山脈の重鎮。戦士団長と鍛冶屋を兼ねていたが怪我を契機に隠居。趣味の鍛冶仕事に専念している。
(※3)元はバルドルの集落の一員。火妖精の地位向上を目指して独立した勇者。
(※4)守護竜のコットンと出会いました。

2.迷宮山脈とイベント

本編では残念な迷宮山脈ですがイベントはどうだったのかジャンル別に見比べてみましょう。(コラボ除く)

踏破

・副都、聖都、賢者 各5回
・湖都、九領 各3回
迷宮、大海 各2回

多くはありませんがそこまででもないですね。

大狩猟戦

・副都 3回
・賢者、九領、大海、薄命、鉄煙 各2回
・聖都、湖都、ケ者、幻獣、その他 各1回

精霊と迷宮はありませんね。

イベント

・副都 46回
・賢者 29回
・精霊 19回
・聖都 15回
・湖都、九領 各13回
・ケ者、迷宮 7回
・鉄煙 5回
・大海、年代記、謀略 3回
・幻獣、遊戯、神仙 各2回
・罪、薄命、潜艦 1回
・分類困難、その他 55回

多くはありませんが極端に少なくもないですね。

異変クエスト

・副都 5回
・聖都、湖都、九領、ケ者、年代記、義勇軍、魔神  各4回
・賢者、精霊、罪、薄命、鉄煙 各3回
迷宮、大海 各2回
・幻霊、レムレス 各1回

やっぱ少ないですね。毎月一本追加されていますからそのうちまた来るかもしれないですけど。(フリークエスト、チェインストーリー、外伝は各1~2本しかないので割愛します)

3.迷宮山脈は何故目立たないのか?

 本編はともかくイベントでの扱いも微妙な迷宮山脈。どうしてスポットが当たらないのでしょうか? ここからはその要因について考察したいと思います。

1.地理的な欠点

上が1部、下が3部のMap

 Mapを見てもらえば分かる通り袋小路なのですよね。迷宮山脈を目指す通常ルートは一旦賢者の塔を経由するのが一般的です。逆に云えば迷宮山脈から何処に行く機会はありません。(例外として王都にいた黒の軍勢が山脈越え(※)をしてきたことはあります)

 次に迷宮山脈への用向きですが、大半は『魔物退治』『鉱石採取』『鍛冶依頼』『おつかい』とそれに付随するものになります。残念ながら迷宮山脈には世界樹や大神殿のようなランドマークもありませんし湖都のように新たな遺跡も早々見つかりません。ユグドや三賢者のような相談役の賢人もいません。なのでついでや近道で寄る機会もなければ魔神が通過することもありませんでした。

(※)イベント『雪渡りの盾』参照

2.迷宮的な弱点

迷宮山脈の住民はほとんどが土妖精で火妖精とその他がぼちぼちいます。
彼等は東西南北に4つの大集落を構え、その間の方位に12の集落と幾つかの小集落を抱えている模様。
(集落に属さず洞窟の内外を渡り歩く巡回者と呼ばれる一族もいます)

ここで問題なのが迷宮の名は伊達ではないということです。なんせ迷宮山脈の外交を担うオルガや大族長バルドルですら全ての集落を把握している訳ではないのです。例えばAの集落はB.C.Dの族長と面識があったとしても、Bの集落の族長と面識があるのはA.E.Fの族長だけなんてことがざらにあるようです。しかもドルマ(※1)のように近年独立する族長や辺境の小集落から別の集落に合流する一族もいたりするのでますますややこしい。結論からすると土妖精すら迷宮山脈の全容を把握できていないようです。(洞窟内より雪山での活動が多いモルバ(※2)達のような一族もいます)

(※1)西南西の族長。穴堀り好きが過ぎて悶着回避の為に嫌々族長に就任した。
(※2)北西の族長。盾を兼ねたソリで雪山を滑りながら戦う戦法を得意とする。

3.種族的な難点

土妖精の男性は全員老け顔なんですよね。

人間で言えば彼等は20代。

一方の女性は全体的に童顔揃い。

人間で言えば左が40前後、右が20代。

火妖精達は喋る犬扱いされることもしばしば。

ケモナー(※)には人気らしいですけど。

一言で言うと見た目の癖が強すぎて万人受けしないのではないでしょうか。

(※)主にモフモフなケモノや獣人愛好者。

4.性質的な問題点

土妖精の多くは戦士と鍛冶や細工、掘削や採掘の仕事に従事しています。
一方の火妖精はランタン代わりで探索に同行したり、炎の力で鍛冶手伝いや料理に従事する者が多いです。
これの何が問題かと言うと職人気質で無口な上に負けん気が強い頑固者が多いんです。お世辞にも社交性はありませんしお洒落や装飾に力を入れているのもラブラ(※1)の一族くらいでしょう。一方で戦士団のメンバーには猪突猛進の脳筋がちらほら。しかも大半が引きこもりで太陽や広い場所が嫌いな上に泳げないので水も嫌いです。(そういう意味ではデンガル(※2)やエルダ(※3)はかなり異端ですよね)ぶっちゃけると職人気質と脳筋ばかりではラブコメにも発展しないんですよ。

冗談はさておき、森妖精に比べて迷宮山脈の外で土(火)妖精の姿を見ることは稀ですよね。(モブの土妖精なら戦士ギルド、建築ギルド、聖刻騎士団。火妖精も王都、副都、魔法学園、九領なんかで活躍しているようですが、それでも数が少ない)

(※1)東南東の族長。土妖精には珍しい装飾品作りが得意。
(※2)砂漠の湖都で活動する太鼓職人の土妖精。バンドではドラマーを務める。
(※3)土妖精戦士団隊長の説教オバチャン。風呂や日向ぼっこが好きな規格外の変わり者。

4.結論

 元々の絶対数が少ない上に土地も性質も閉鎖的(※)で見た目も性格も癖が強く横の繋がりも希薄。貴重な鉱石が産出されるし土妖精の技術と火妖精の料理には定評がありますが、一般人が訪れるには過酷な環境の上に名所、旧跡にも乏しく地形も複雑で洞窟と雪山ばかり。生活空間も地味で実用性以外に興味がないので集落も無個性。最近こそ域外との交流も盛んになりつつありますが内陸の奥地につき異邦人との接点が限られる。3部主人公もいないので活動拠点にもならず、隣には賢者の塔という地域の中核があるせいで存在自体埋没気味。おまけに魔法兵団師団長ヴェルナー、九領筆頭シュザのように名の知れた強者にも乏しい。首長にしても副都のギルバート議長、賢者の塔の三賢者と比べて現大族長オルガの知名度は域外にまでは響かないでしょう。

(※)精霊島の森妖精も閉鎖的ですがセレステを受け入れたり魔神エイルニルスが住み着いたことで副都商人ばかりでなく鉄煙の外交団なんかも訪れるようになりました。

5.まとめ

もうね相当なテコ入れをするか、かつて迷宮山脈が海に面していた時代があったという伝説(※)が異変で再現されて外海か新世界の玄関口にでもならない限り迷宮山脈の再浮上は困難でしょうね。だからといって癖が強いから土(火)妖精に人気がないとは思いません。正直運営の魅せ方次第で運命を180°転換する潜在力はあると確信しています。だからこそ埋没気味だからと言って賢者の塔に吸収合併するような愚策だけは踏んでほしくないものです。

(※)チェンスト『海風の方舟』参照

今回は以上です。


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