『意味変』を定義してみる


おはようございます。



さて。


今日は『意味変』についてお話させて頂きます。

『意味変』というワードは、今後、このブログでもたくさん出てくると思いますし、おそらく皆さんのお仕事でも『意味変』が求められてくると思うので、今日は『意味変』という言葉を明確に定義し、もう少し踏み込んで考えていきたいと思います。


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▼ 『意味変』ってナンダ?
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たとえば『CD』の意味は「音を聴かせてくれるモノ」ですが、AKBグループは【握手券】を付けることによって、『CD』の意味を「アイドルと会わせてくれるチケット」に変更しました。


購入枚数によって「会える時間」が変わるので、一人が10枚、20枚買ったわけですね。

おかげで、オリコンチャートはAKBグループ一色です。


…あ。くれぐれも、ここでは「善し悪し」の話をしているわけではありません。

事実をそのまま述べているだけっす。


話を続けます。


『ビックリマンチョコ』は「キャラクターシール」を付けることによって、チョコレートを『食べるもの』から『集めるもの』に意味を変更し、社会現象となるヒットを生み出しました。


「ヒットの影に『意味変』アリ」です。


その後、人気を博した『ビックリマン』はアニメ化が決定し、『食べるもの』から『観るもの』に意味が変更しましたが、これは『意味変』と呼べるでしょうか?


いいえ。


一般的にはこれは『2次利用』と呼びます。


どうやら、この辺りで『意味変』と『2次利用』を、それぞれ定義しておかないと、今後、話がゴチャゴチャになりそうなので、二つの違いを明確に定義したいと思います。


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▼ 『意味変』と『2次利用』
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まったく難しい話じゃないので、サクッと整理してみます。


 

・AKBの握手券→意味変

・ビックリマンシール→意味変

・ビックリマンアニメ→2次利用

 

「意味変」と「2次利用」によって、それぞれ売っているモノはこんな感じ↓

 

・AKBの握手券→意味変→【CD】

・ビックリマンシール→意味変→【チョコ】

・ビックリマンアニメ→2次利用→【アニメ】


…つまり、『2次利用』というのは(たしかに意味は変わっているけど)別の商品を売っていて、『意味変』というのは、同じ商品を売っているわけですね。


『意味変』で変わっているのは、あくまで「意味」だけで、販売している商品は変わっていないんです。


僕はホテルの朝食を販売する時、『朝食券』をお客さんに購入してもらいますが、時々『ギフト』として買われるお客さんもいらっしゃいます。

この時、『朝食券』の意味は「朝食を食べる為のモノ」から「おみやげ」という意味に変化します。

が、そこで販売しているのは、あくまで『朝食券』です。

#もちろん 、お客さんに「『おみやげ』という選択肢を思いついてもらう」動線の設計は必要

#この話はまた今度



AKBが握手券を付けて『CD』を販売したり、

ビックリマンチョコがシールを付けて『チョコ』を販売しているような感じです。


これを『意味変』と呼んでいます。

 


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▼ 付加価値をつけて『意味変』するものもあれば…
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コロナ過で軒並み悲鳴を上げていた美容室業界も、その期間を生き残ったお店を見てみるとなるほどいろいろ工夫されています。

『ヘアカット前売券』なるものを販売する時に「ギフト可」という文言を入れただけで、ヘアカットが「贈り物」になりました。

そしてそれがコロナ過の売上(従業員の生活費)を支えた。


僕らのホテルの『朝食券』も、お客さんに『ギフト』として「○○さんにも食べさせてあげたい」「そういえば○○さん、来月お誕生日だったわ」みたいな感情を起こして(思いついて)もらうための細工をちょこちょこちりばめて、あとはやっぱりスタッフとのコミュニケーションの中で話に上げる事で、「贈り物」として認識されるようになりました。


AKBやビックリマンチョコのように、付加価値(追加機能)を付け足して『意味変』するものもあれば、美容室さんのように付加価値は付けずに【打ち出し方】で『意味変』するものもあります。


このことから、僕らが自分の商品を『意味変』する時は…


・「付加価値を付けて意味変する」

・「打ち出し方で意味変する」  


の二つと角度から答えを探ればいいことが見えてきます。

(※ホワイトボードにアイデアを出す際、ここは分けて考えた方が、思いつきやすいと思います)

 

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▼ そして思考実験  
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『意味変』には訓練が必要だと思います。

訓練を重ねないと、思い付くスピードは上がりません。


訓練対象は、目につくもの全てです。


「筆箱」「ハサミ」「ソファー」「カラーコーン」「オンライン授業」…とにかく何でも。


ちなみに、昨日、『YouTube』で考えてみました。

#僕はYouTuberじゃありませんが


『YouTube』の意味は「観るもの」です。


これを、「打ち出し方で意味変する」という角度から考えてみます…


YouTube×食べるもの=❌

YouTube×香るもの=❌

YouTube×飾るもの(インテリア)=△

YouTube×寄り添うもの=⭕


…というわけで、そんなチャンネルあるのかしらと調べてみると、ちょこちょこ出てきました。

ユーチューバーさんが(隣で)仕事をしているだけの動画です。

#生配信をしてアーカイブに残すパターン


そしてそれを観てみると、、、これは僕の個人的な趣味なのかもしれませんが…他人の静かな作業音(パソコンのパチパチという音とか)って、メチャクチャ仕事がはかどるんです。


もしそれがあこがれのクリエイターさんや、タレントさんなら「あの人も頑張っているし、僕も頑張ろう」で背筋が伸びるんですね。


そんなこんなで「作業に寄り添う動画」は可能性としてあるなぁと思って、いろいろほかの動画も調べてみました。


面白いのが、よく回っている動画の共通点で『寄り添う動画』のポイントは、「発信しない」です。

発信してしまうと『観るもの』になってしまうので、意味が変動しません。

(※基本「BGM」で、「隣をチラッと見たら、仕事中の○○がいる」ぐらいにしておくことが大切)


どうやら人気の動画は年間30万回ほど再生されてます。

ここに「広告」が付いているので、商品として機能している。


ここで大事なのは、「僕はユーチューバーじゃない」という部分です。

自分と関係ない分野でもこういった訓練を繰り返すことで、いざという時の瞬発力が上がり、転用力(アナロジー思考)が磨かれていきます。

#事象と今の自分との距離を判断材料にしない



『意味変』は、こういった実験(訓練)の繰り返しだと思います。

是非、身近なもので試してみてください。


今日もありがとう!!


じゃ


またね!

阿部
#Biz Insights
https://avenogyo-ren.blogspot.com/


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