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〈ヌングンナム荘〉(3)

ドラマ『秘密の森』+アガサ=クリスティー著『ハロウィーン・パーティ』の二次創作です。

「魔女ハンヨジン」の続編です。

ハンヨジンは警部補で、国家警察情報部にいます。ファンシモクはスウォン市にある地方検察庁のアニャン市の支庁にいます。

*参照

『ハロウィーン・パーティ』(アガサ・クリスティー著、中村能三訳、ハヤカワ・ミステリ文庫、1977年初版、1985年22刷)
"Hallowe'en Party", Agatha Christie, Agatha Christie Limited.1969.


(3)

11月の第2週に、スウォン地方検察庁のアニャン支庁のファンシモク検事を、医師のクォン氏が訪ねてきた。二人は、先週、シニョンの葬式で、会っていた。

クォン医師「シニョンさんのことで、検事さんに、お話ししたいことがあるのです」

ファンシモク「シニョンさんは、アニャン市警察署が事故死との結論を出しました。状況としては自殺だが、本人の精神状態が正常でなくなっていたゆえの事故だと」

クォン医師「ファン検事さんは、生前のシニョンさんを、御存知でしたか」

ファンシモク「いえ、僕は、会ったことも覚えていません。僕の妻は、教会で会ったことがある、と言っていました」

クォン医師「お二人とも、別の家で、ハロウィーン=パーティに出ていたんですね」

ファンシモク「そうです。シニョンさんが亡くなったとき、僕達は、もう一軒の、『魔女迎えの家』にいました」

クォン医師「わたしは、同じ教会の信者ではありませんし、生前のシニョンさんを知っていたわけでもありません。しかし、この3年間に〈ヌングンナム荘〉で亡くなった3人の死亡診断書を書いているのです」

ファンシモク「〈ヌングンナム荘〉を建てたイジュヒさんと、イジュヒさんの甥のイソクさんが、ウィルス感染症のパンデミックの前に、亡くなっていたんでしたね」

クォン医師「それに、もうひとり、行方不明になった人がいます」

ファンシモク「行方不明ですか」

クォン医師「警察では、行方不明になったとは考えていないんですよ。本人が自分の意思で〈ヌングンナム荘〉を出て行ったと、思われてるんです」

ファンシモク「イジュヒさん、イソクさん、ホンスギョンさん、チェサンウさんの他に、もう一人、住んでいたんですか」

クォン医師「キムウンミさんという、若い女性が、住み込みの家政婦をしていました。といっても、毎週、火曜日と金曜日とに家事代行業者が来て、家中の掃除をするので、キムウンミさんは、イジュヒさんのために、お茶を淹れたり、部屋を片づけたりしながら、話し相手になるのが、仕事でした。キムウンミさんは亡命者です。イジュヒさんは、おかあさんの故郷がキムウンミさんの故郷と同じなので、雇ったんです。懐かしい方言を聞きながら老後を過ごしたかったんですよ。わたしは、イジュヒさんとイソクさんを、2週間ごとに往診していたので、こういうことを知っているんです」

ファンシモク「病院で診察したのではなく、〈ヌングンナム荘〉まで行って、診ていたんですか」

クォン医師「そうです。わたしは、自分の診療所を開業しています。救急救命センターには、地域の他の開業医と交替で勤めているのです。だから、わたしの当番の時に、シニョンさんが、〈ヌングンナム荘〉から救急救命センターに運ばれてきたというのも、不思議な御縁だと思っています。あそこに〈ヌングンナム荘〉を建てたイジュヒさんは、子供の時に、たいへんな苦労をなさったんですよ。『チャングム』というドラマがあったでしょう」

ファンシモク「ああ、『大長今』ですね。僕は、ほとんど見ていませんが、僕の母が、熱心に見ていました」

クォン医師「あのドラマで、子供のチャングムが、おかあさんと一緒に、役人に追われて逃げて、山の中の洞窟に隠れる場面があります。すぐそばを役人が行き来する声を聞きながら、恐怖をこらえて、じっと隠れていた。イジュヒさんは、海外で放送された『大長今』を見て、自分もあれとそっくりのことがあったと、思い出したそうです。韓国に帰ってきてから、甥の夫婦の家に住んだのも、子供の時に一緒に逃げた弟の、息子だからでした。でも、甥が生まれた時には、もう、イジュヒさんと弟さんのおかあさんは、亡くなっていました。弟さんも、イジュヒさんが韓国に戻って住むことにした時には、亡くなっていました。甥は、イジュヒさんのおかあさんと同じ方言を話しません。そこへ、亡命者のための活動をしている弁護士から、キムウンミさんを紹介されて、おかあさんと同じ方言を聞いて、懐かしくて堪らなくなったのです。そのうえ、キムウンミさんも、自分と同じような苦労をしたと聞いて、ますます、かわいそうになり、また、かわいいと思うようになったんです」

ファンシモク「なるほど。ひょっとして、イジュヒさんは、そのキムウンミさんを、養女にしたいと思っていたのではありませんか」

クォン医師「それに近い状態だったと思います。というのも、キムウンミさんが行方不明になったときに調べてわかったことですが、イジュヒさんが外国の銀行に預けていた資産が、生前、既に、キムウンミさんに譲渡されていました。だから、キムウンミさんは、外国に逃げたと思われているんです」

ファンシモク「逃げた、とは、何から逃げたのでしょうか?」

クォン医師「2019年の秋にイジュヒさんが亡くなったとき、弁護士事務所から、わたしに問い合わせがありました。イジュヒさんの精神状態が健全だったかどうかについて。何の問題もなかった、と返事をしてから、どうして、そんな質問をするのか、逆に、こちらから尋ねると、キムウンミさんが、イジュヒさんから全財産の相続人に指定された、と主張しているとのことでした。その遺言書を作成したのは、キムウンミさんをイジュヒさんに引き合わせた、亡命者の支援活動をしている弁護士でした。彼は事務所で一番若くて独身で、キムウンミさんとの恋愛関係を認めました。それが裏目に出て、彼とキムウンミさんが共謀して、イジュヒさんの本意でない遺言書を作ったんではないかと疑われていたんです。その彼も、キムウンミさんがいなくなってから、外国の銀行の資産が譲渡されていたことを知って、ショックを受けたそうです。結局、キムウンミさんが自分を捨てて、外国に行ってしまったと考えたようです」

ファンシモク「その、キムウンミさんをイジュヒさんの全財産の相続人に指定した遺言書は、効力を認められなかったんですね」

クォン医師「その遺言書は、弁護士事務所ではなく、イジュヒさんの銀行の貸金庫にありました。キムウンミさんは、イジュヒさんの代理人に登録されていました。そのことをイジュヒさんが亡くなってから知った、ホンスギョンさんが、あの、しっかり者のイジュヒさんが、いくら、キムウンミさんがかわいいからといっても、貸金庫の名義の代理人にするなんてありえない、と主張したんです。

イジュヒさんは、2018年に、甥のイソクさんと、イソクさんの妻のホンスギョンさんとに、分割相続させる旨の遺言書を作りました。どちらかが先に亡くなったら、その人の分も残った人が相続する、妖精の庭園は市民に無料で公開し、造園師のチェサンウさんを管理人に指定する、という、ホンスギョンさんが警察に話したとおりの内容です。その遺言書は、作成した弁護士も立ち会って、イソクさんとホンスギョンさんとチェサンウさんに見せられました。キムウンミさんへの言及はありませんでした。そのとき、既に、イジュヒさんは、外国の銀行の資産をキムウンミさんに譲渡していたんですが、当の二人以外、誰も知りませんでした。その遺言書は、弁護士事務所で保管されました。

2019年の春にイソクさんが亡くなった時、イジュヒさんは、自分ひとりで弁護士事務所に行って、預けていた遺言書を破棄して、新しい遺言書を作りました。前回と違って、亡命者支援をしている若い弁護士が、遺言書を作成しました。イジュヒさんは、その遺言書を持ち帰りました。

そして、キムウンミさんの主張によれば、イジュヒさんが自分に遺言書を見せてから、一緒に銀行に行って、自分を代理人に登録して貸金庫に入れた、というのです。

ホンスギョンさんと、キムウンミさんとは、イジュヒさんが生きていた時には、目立った対立はありませんでした。それが、真っ向から、対立してしまったんです」

ファンシモク「そして、キムウンミさんが〈ヌングンナム荘〉からいなくなり、ホンスギョンさんが、遺産を全部、相続したんですね。外国の銀行の資産以外は」

クォン医師「そうです。イジュヒさんが亡くなってから、わたしは、〈ヌングンナム荘〉に一度も行っていません。先日、シニョンさんのお葬式で、久し振りに、ホンスギョンさんと会いました。相変わらず、元気で、あの人は、イジュヒさんと血のつながりがないので、顔は似ていませんが、性格は似ています。精力的な活動家で、世話焼きで、今度のことでも、自分の家で起こった事故だからという責任感もあるのでしょうが、シニョンさんのおかあさんのパクセヒョンさんを、支えてあげていました」

ファンシモク「そうですね、ホンスギョンさんは、パクセヒョンさんのそばに、ぴったり、付いていましたね」

クォン医師「わたしは、パクセヒョンさんに、ききたいことがあったんですが、結局、ききそびれました」

ファンシモク「何を、おききになりたかったんですか」

クォン医師「警察が、シニョンさんの担任の教師に見せて貰ったという、絵のことです。シニョンさんが亡くなった今は、パクセヒョンさんに返されたのだろうと思うのですが」

ファンシモク「展覧会で賞を取ったんでしたね」

クォン医師「賞を取り損ねた絵の方です。深い穴の底に、昔の西洋のような女の人が寝ていて、片方の腕を地面に投げ出して、もう一方の腕を胸の上に載せて、その手にスズランの花を持っているという」

ファンシモク「それは、どうしてですか」

クォン医師「スズランを持っている女の人の絵が展覧会に出たのは、パンデミックの前です。まだ、イジュヒさんが元気だった時です。イソクさんは既に亡くなっていました。チェサンウさんは、シニョンさんが妖精の庭園に来たことが一度だけある、と言っていました。その時は四阿の水盤を覗きこんでいたと言っていました。四阿ができたのは、パンデミックが始まってからです。だけれども、パンデミックの前にも、妖精の庭園に行ったことがあるんじゃないかと思うのです」

ファンシモク「妖精の庭園で見た花を絵に描いたということですか」

クォン医師「イジュヒさんが、わたしに妖精の庭園を案内してくれたことがありました。イジュヒさんは、植物の知識が豊富でした。植物の毒についても、よく知っていました。甥や、甥の妻や、キムウンミさんにも、よく注意するように教えていると、言っていました」

ファンシモク「シニョンさんも、スズランに毒のあることを知っていて絵に描いたと思うんですか」

クォン医師「展覧会があったのは、2019年の5月でした。絵を描いたのは、それより前でしょう。その展覧会の世話役を、ホンスギョンさんがしていましたし、イジュヒさんも見に行ったと思います。イジュヒさんが見に行ったなら、キムウンミさんも同伴していたでしょう」

ファンシモク「イジュヒさんが、何か、絵のことを言っていましたか」

クォン医師「その当時は、シニョンさんの絵のことを言っているんだとは思いませんでした。つまり、わたしは、そんな絵があることさえ、その時は知らなかったんですから。いつものように往診に行って、イソクさんが亡くなったので診察するのはイジュヒさん一人だけになったというようなことを話していましたが、その時は、それだけでしたが、診察の後で、キムウンミさんが、ケーキを焼きましたと言って、お茶を用意してくれて、3人で頂いたんです。そういうことは、時々、ありました。そのときに、イジュヒさんが、ふと、思い出したように、スズランを食べて自殺した女の人の詩を読んだことがある、と言ったんです。何の脈絡もなく、突然、思い出したように。キムウンミさんが、どんな詩ですか、ってきいたら、外国の詩で、そういう内容だったことは覚えているけど、一つ一つの言葉は思い出せないと言っていました。それきりで、忘れてしまいましたが、シニョンさんが死んだ時、〈ヌングンナム荘〉で続けて人が亡くなったり行方不明になったりすることがおかしいと思い、警察に通報しました。警察は、シニョンさんの溺死は事故だと結論づけて、わたしにも、シニョンさんの性格を知る参考になったことを教えてくれました。それから、いろいろと思い返して、展覧会のことに思い至ったんです」

ファンシモク「その展覧会の日付は、記録が残っていますか。確認しましたか」

クォン医師「はい。展覧会の日付を地域のコミュニティサイトで確認しました。学校にも記録が残っているでしょう。問題になった遺言の日付については、弁護士事務所からイジュヒさんの精神状態について問い合わせがあったときの書面を読み返して、確かめました」

ファンシモク「あなたが死亡診断書を書いたイソクさんの死因に、不審なところは無かったんでしょう?」

クォン医師「不審な点があったら解剖したでしょうが、その当時は何も不審に思わなかったのです。イソクさんは、職場で心臓発作を起こして倒れたことがありましたから、人の目の届かないところに、長い時間、いないようにしてください、近所の山でも、自分の家の庭でも、毒のある植物や昆虫などに気を付けてください、と言っていました。イソクさんは、異変を感じたら、すぐ、わたしに連絡できるように、スマホを持ち歩いていました。しかし、その余裕もなかったようで、ホンスギョンさんがイソクさんのスマホで連絡してきました。薔薇の花壇の間で倒れているのを、チェサンウさんが見つけて、テラスまで運んできて、ホンスギョンさんを呼んだ、いつ、倒れたのか、分からない、と。わたしが着いた時には、イソクさんは、2階の寝室のベッドに寝かされていました。いつも、わたしが診察する部屋です。残念ながら、苦痛をともなった、心臓発作でした」

ファンシモク「イジュヒさんは、その日、どうされていましたか」

クォン医師「イジュヒさんは、その日はキムウンミさんと出かけていたんです。わたしが、イソクさんの死亡を確認した後で、ホンスギョンさんが電話して呼び戻しました」

ファンシモク「その日に、シニョンさんが妖精の庭園に来て、何かを見るか聞くかしたと、考えているのですか」

クォン医師「そうじゃないかと思います」

ファンシモク「その当時は、まだ、妖精の庭園は完成していなかったし、一般市民に開放されていなかったんでしょう?」

クォン医師「そうなんですが、サイクリングロードから入る入口は、元々、あった道なので、庭園が完成する前から、綺麗に整備されていないことを気にしなければ、誰でも入ってくることができたと、イジュヒさんが言っていました。それに、全然、別の所から、藪をかき分けるようにしてですが、森の中を通ってくる道もあると言っていました。壁を攀じ登らなければ中に入れませんが。ほんとうに入ってくる人は、めったにいないが、夜になると、いろいろな動物が入ってくるそうです」

ファンシモク「そういうことなら、チェサンウさんが、よく知ってそうですね」

クォン医師「チェサンウさんとは、ほとんど、話をしたことがないのです。イソクさんが亡くなった日と、お葬式と、イジュヒさんのお葬式以外に、顔を見た覚えがありません」

ファンシモク「イジュヒさんが亡くなった日は、どうだったんですか」

クォン医師「イジュヒさんは、妖精の庭園はチェサンウさんに任せて、自分は〈ヌングンナム荘〉の庭を、せっせと手入れしていました。いつもより早く、家の中に入ってきて、疲れたと言って、2階の寝室で横になるのを、キムウンミさんも手伝いました。一時間ぐらいして、キムウンミさんが見にいくと、息絶えていたので、わたしが呼ばれました。心不全でした。ある意味、自分らしい生き方を貫いて、苦しまずに死んだ、理想的な亡くなり方です」

ファンシモク「キムウンミさんは、どうして、救急車を呼ばなかったんでしょうか」

クォン医師「イジュヒさんが、もしものとき、救急車は呼ばないでくれと言っていたのです。キムウンミさん、ホンスギョンさん、イソクさんに、そう言っておいたのを、わたしも承知していました」

ファンシモク「イジュヒさんが倒れたとき、ホンスギョンさんは……」

クォン医師「ホンスギョンさんは出かけていました。わたしがイジュヒさんの臨終を告げてから、キムウンミさんが電話で呼び戻しました。チェサンウさんは、その日の仕事が終わって、家に戻ってから、ホンスギョンさんから知らされたと、後から聞きました」

ファンシモク「チェサンウさんは、ハロウィーン=パーティの日も、いつもと同じように仕事をして、早く寝て、ホンスギョンさんが、シニョンさんを探すのを手伝ってくれるように呼びにいくまで、何も知らなかったんでした」

クォン医師「チェサンウさんは、イジュヒさんに招聘されてアニャン市に来た人で、〈ヌングンナム荘〉以外に、知り合いも、出かける場所もないと聞きました。イジュヒさんが、妖精の庭園を案内してくれたときに教えてくれましたが、外国の富豪の邸で、チェサンウさんが造った庭を見たそうです。それ以来、チェサンウさんが造った庭をあちこちで見て、自分も庭を造ってほしいと思っていたが、本人に会ったのは、アニャン市に来た時が初めてだったそうですよ」

ファンシモク「チェサンウさんは、〈ヌングンナム荘〉の北側の小さな箱のような家に住んでいるんでしょう?」

クォン医師「チェサンウさん自身の希望で、ああいう形にしたそうです。二つの箱をくっつけて横にずらしたような家です。一方の出口が、薔薇の花壇の方を向いていて、もう一方の出口が、〈ヌングンナム荘〉のテラスの方を向いています」

ファンシモク「イジュヒさんは、庭に入ってきたシニョンさんを見たことがあったんでしょうか」

クォン医師「あったかもしれません。だから、誰でも入ってくることができると、言ったのかもしれません」

ファンシモク「それは、チェサンウさんも、知っていたでしょうね」

クォン医師「知っていたと思います」

ファンシモク「ホンスギョンさんも、知っていた」

クォン医師「自分では見たことがなくても、人から聞いたと思います」

ファンシモク「キムウンミさんも、シニョンさんのような女の子が妖精の庭園に入ってくることを知っていたでしょうか」

クォン医師「イジュヒさんから聞いたかもしれません。ただ、イジュヒさんが、展覧会で見た絵と、妖精の庭園で見た、かもしれない女の子とを、結びつけたというのは、今のところ、わたしの想像でしか、ありません」

ファンシモク「シニョンさんが〈ヌングンナム荘〉に来て、妖精の庭園で死んだのでなければ、そんなことを考えもしなかった、ということですね」

クォン医師「そうです」

ファンシモク「では、あなたは、パクセヒョンさんに会って、シニョンさんの絵を見せてもらってください。何か適当な理由をつけて。パクセヒョンさんがシニョンさんの思い出を話したがったら、何でもいいから、耳を傾けて聞いてあげてください。〈ヌングンナム荘〉ができる前の、小さな時の話でも、〈ヌングンナム荘〉と関係のない話でも、何でも、面倒がらずに、せかさずに、根気良く、聞いてあげてください。何も話したがらなかったら、無理にきく必要はありません。僕は、キムウンミさんについて、亡命者の情報の管理部局に問い合わせます。妻のハンヨジン警部補が国家警察情報部にいます。自分がハロウィーンパーティに参加していたときに、近くで少女が溺死していたことに、心を痛めていますから、事件だったかもしれないと聞いたら、じっとしてはいられないでしょう」

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