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CXO Night #6 CXOのリアル

今回CXO Nightに絶対行きたかった私は先着note枠で参加しました。
note枠の使命を果たすべく、CXOのリアルをまとめていきたいと思います。

やはり注目度の高いイベントだけあって会場は200人を超える満席状態。


前半はdelyのCEO堀江さんとCTO大竹さんとCXO坪田さんによる「delyがCXOを起用した理由」

後半はTakramの田川さん、YAMAPのANDOさん、Basecampの広野さん、そして坪田さんを交えた「CXOのリアル」
この2部構成でトークが展開されていきました。

登壇者の皆さんが各方面で活躍されている著名な方々なので、スピーチのどの部分を切り取っても内容の濃ゆいリアルな話が伺え、情報の密度が凄まじかったです。

スライドの写真を取らなくて良いように坪田さんが事前にスライドを共有してくれてました。これも親切な体験設計の1つ。

さらにyoutubeでもライブ配信し、参加出来なかった人たちへケアも完璧です。このnoteの最後にyoutubeのリンクを埋め込んでいます。
細かいニュアンスや、まとめきれないポイントも聞く&見ることができますのでおすすめです。


Session1 : delyがCXOを起用した理由


Q1 : 何故このタイミングでCXOをとったのか?

ITサービスがやっとリアルに染み出す時代にきていて、ユーザー体験のすべてにおいて洗練させ、いいものを届けなければいけない。そういうタイミングだった

堀江さん:
大きく市場を見た時、今後メディア事業は厳しくなってくる。
ネットが普及したが、実はまだまだリアルでの購買が大半をしめていて、クラシルだけやっていては会社は大きくならない。

お客さんに本当に良いユーザー体験を提供し、本当の笑顔を見たいと考えたとき、目の前にプロダクトが届くとか、そこまでの配送を作るとか、まだまだ出来ていないことがIT企業には沢山ある。

それって単純にデザインだけじゃ解決できない。手元に届く、箱を開ける瞬間まで、ユーザーと持てる全ての接点を洗練させていく必要がある。
なのでCDOではなくCXO。

そして、田川さん、ANDOさん、深津さんなどいろんな方とあって、「1人のデザイナーの力」「1人のCXOの力」でここまで事業が変われるんだと話してわかった。

大竹さん:
デザインのトップは中途半端ではいけない、トップクラスの人材が必要。
そのなかで、取れる取れないではなくdelyに1番来てもらえたら1番嬉しい人を考えた時に、それは坪田さんだった。



Q2 : Basecampを子会社化した理由

多くのものがコピーされてしまう世の中においてブランドだけはコピーされない。これを作れる組織を作ろうと思ったときに、一流のクリエイターに頼みたい。外部の案件に多く関わり、一流の中で切磋琢磨した一流の人に声をかけやすい状態を作りたかった。

坪田さん:
Basecampをどうするかを悩んだこともあった。

とはいえ、一人(少数)でやれることは限られていて、売上をスケールさせるには限界があった。Basecampとdelyでシナジーを出せるかはこれからチャレンジして行きたいところ。

今後こういうモデルケースは増えそうだっと話してた。
そのロールモデルにできれば良いなと思っている。

堀江さん:
キュレーションメディアが単にPVを競っている状態から、本当にそれを選んでもらえるかっていう時代に移り変わっている。

その中でPVも3つ(構造的PV、受動的PV、能動的PV)に分類して、能動的PVで見られるためのすべての事をやろうとしている。

それは、クリエイティブ・デザイン・カスタマーサポートであり、ここをBasecampと一緒に作っていくんだという意思がある。

構造的PV : ググってブランドを意識せず、たまたまアクセスしちゃった系
受動的PV : プッシュおくられてきたら見るよ系
能動的PV : ブランドとして見られる系

大竹さん:
事業・サービス創りは総合格闘技化している。
昔だったら、有名なエンジニアが作ったサービスが売れる流れがあったが、今はもうそうでなくなってきている。デザイン・エンジニア・分析・様々な要素が必要になって超総合格闘技化している。
そうなったときに、Basecampがやっている個々のプロフェッショナルな人とのシナジーは完全にあると思っている。


-- ブランドって何だ?

機能訴求ではなく、何を買うかの意思決定のハードルを極端に下げるもの

堀江さん:
さっきからブランドって言葉がよく出てきているけれども、ブランドって何だって話を社内でもよくこの話をしている。この前もコーラの話をした。

もし12月25日にコーラを買うとしたらコカ・コーラ or ペプシコーラどちらを買いますか?(会場のほとんどがコカ・コーラ)

大体どこでも、この結果になる。
でもコーラに値段や味の違いはほとんどない。

企業に対するブランドのイメージは、例えばコカ・コーラは毎年世界が平和になるようなメッセージや動画を出している。こういうことがブランドだと思っている。

機能訴求ではない。
何を買うかの意思決定のハードルを極端に下げてしまうもの。
これブランドだと思う。それを作れる会社がここ5年で勝つ。


Q3 : CXOが参画したことで社内に変化あったか?delyが坪田さんに最も期待してることはなんですか?

分業化が進んできて社内にもプロフェッショナルはいっぱいいる、ただそれぞれの認識が日々の業務の中でズレてしまう、そこでCXOが横串でクオリティコントロールをするっていうのはタイミング的に正しい。

坪田さんが入ってまだ1ヶ月だが、すべてのアウトプットクオリティが上がり、揃っているのを実感している。

大竹さん:
すべての接点でクオリティの高いものを作ろうという思いがあっても、実際作ってみたら上手く行かなかったり、抜け漏れがあったり、もどかしさがあった。

坪田さんが入ってからは最終のクオリティコントロールが行われるようになった。組織として統一的に動くので、すべてのアウトプットのクオリティが上がり、揃っているのをこの1ヶ月で実感している。

堀江さん:
多くの会社が成長すればするほど分業化する。
100人規模になると組織が分断され、業務が分断されてくる。

分業化が進んできてプロフェッショナルはいっぱいいる、ただそれぞれの認識が日々の業務の中でズレてしまう、そこでCXOが横串でクオリティコントロールをするっていうのはタイミング的に正しいと思う。

坪田さん:
大竹さんがCTO譲りますってタイミングで声をかけてもらった。
dely入りたいなって思ったのが、ここまでCTOとしてプロダクト創ったのにいきなりCTOを譲ります見たいな記事が出たときは衝撃だった。
この人すげーなって思いました。

堀江さん:
うちのメンバーは皆そう思っていると思います。
僕も1番役に立つのであれば何でもいいと思っている。

役員の中で約束しているのが、自分よりいい人を採用し続けようと。
じゃないとこの会社縮小するよね。

信用して自分よりすごい人取ってくる努力をしないと、今の器以上にならないよねって話を良くしてる気がします。


Q4 : そんなdely・クラシルの目指す場所を教えて欲しい

内食に関わる全てに対して、何かしらの形で全て実現していきたい。
そしてすべての人の幸福度をもう1度2度上げて行きたい。

堀江さん:
クラシルにおいてやりたいことは、外食を否定することではない。
デリバリーする、ピックアップする、料理するってことは、家で食べるっていうジャンルに分類される。

この全て(内食に関わる全て)を何かしらの形で全部実現していきたいと思っています。

もともとdelyはフードデリバリーを渋谷でやっていて、5年前までは僕自身が短パンで渋谷を駆け回っていた。

その時の体験をまだ忘れられていなくて、まだ悔しいんですよ。

料理は今月間何千万人の人に届けられるようになった。
でも、これで人生変わったかというとまだまだ変わっていないし、ものすごいユーザー体験かというと他とも変わらない。

実は料理の90%は作ることではなく家に届けることだったりする。
何かヘルシーなものを食べようとしたときに大戸屋ぐらいしかない(選択肢が少ない)のは世の中の負だと感じる。

当たり前のように美味しいだけではなく、健康的な食事とか料理の多様性とか、全ての課題をクラシルというブランド・サービスが解消できるし改善できると思っている。

外食以外の全てにおいて、皆の幸福度をもう1度2度挙げられたらどれだけ世の中がハッピーになれるのかと思っている。
そんなことをクラシルでやりたいかなと思っています。


Session2 : CXOのリアル

※このセッションではCXOとCxOの表現が出てきますので注意が必要です
大文字のCXOは「チーフエクスペリエンスオフィサー」の事を指します。
小文字のCxOは「チーフクラスのオフィサー」のことを指しCDO・CPO・CFO・CMOなど全般のことを指します。


Q1 : ぶっちゃけCXOって何するの?

CXOはユーザー体験を軸としてユーザーの体験を最大化するために、局所的な最適ではなく全体最適の提案をするというのがミッション

サイロ型で解けない問題を上部で吸いあげて、上部で議論し解決していく、集合人格として大きなCEOを作るっていうのがCxOやボードメンバーの役割
CXOはその広範囲をまかなう役割

サービスを作るためには何でもする

坪田さん:
CXOはここ2年くらいで急にでてきたワードで、田川さんとポッドキャストでもCDO,CXOの定義を話してきたんですが、今日はどういうことをしているのかを聞いていけると思います。
早速YAMAPのCXOのANDOさんから聞かせてください。

ANDOさん:
よくある間違いは、C×Oは部門長の長であるという言われ方が多い。
部門のリードではなく、CEOが持っている経営課題に対して、それぞれの専門分野を持って部門を横串で横断して最適解を出すというのがミッション。

その中でCXOはユーザー体験を軸としてユーザーの体験を最大化するために、局所的な最適ではなく全体最適の提案をするというのがミッション。

坪田さん:
僕とかもよく、CXOの「X」はエクスペリエンスのXでもあり、部署と部署をつなぐ掛け算の「X」両方の意味があるという話をしている。
結構縦軸より、横軸を連携していくことが役割が多いのかなと。
田川さんとかはどうですか?色んな会社見てきてると思いますが。

田川さん:
CXOとCDOの違いは、CDOはデザインジャッジをする人。

CXOはちょっと違ってCTOやCPOと連動してプロダクトを創っていく役割と、toC向けのサービスだとマーケティングオフィサーと一緒にブランドコニュニケーションをやっていく。

その両方ができるのがまず一つ目の考え方だと思う。

ただ、やっていくうちに組織設計も含まれる場合もある。
例えばCOOと連動してインナーブランディングをやったりとかエンゲージメント向上施策をやったりとか。

プロダクト(CPO,CTOとの共同作業)とブランド(CMOとの共同作業)をやっていくっていうのは小さい定義で、IKIGAIマップに近いと思っている。
(IKIGAIマップ、アメリカでは流行っている。)

組織が小さい時はCEOがCxOの領域全てをまかなう。

そして組織が大きくなってくると、働く人の数が増えるからCEOの分身を創っていく必要がある。つまりCxOはCEOの分身。

サイロ型で解けない問題を上部で吸いあげて、上部で議論し解決していく、集合人格として大きなCEOを作るっていうのがCxOやボードメンバーの役割
CXOはその広範囲をまかなう人たちだと思う。

坪田さん:
色んなキャリアの人がいますよね。
深津さんとか田川さんとかANDOさんとか僕とかも、それぞれやってきた領域が違うけど、パラレルでやり続けた人たちの終着点が見ててきた。

田川さん:
テックとビジネスとクリエイティブの3言語を喋らないといけなくて、富士山に例えると、その頂点をBTCといっているんですけど、BTCを理解するためにBTCのどの入口から入ってもいい。

登山の入り口だとしたら何処から攻めても良いんだけど、それぞれの入り口をなんか経由しながら行く見たいな感じ。
つまり時間はかかる。

坪田さん:
広野くんは前CDOだったじゃないですか?
今CXOとして動きの違いってあるんですか?

広野さん:
僕自身CDOとしてデザインの指針を創ったというよりかは、今の言葉で言うとやっていたことはCXOだったなと今は思っている。
サービスを作るためには何でもする。

何故CXOがデザイナー上がりの人が多いのかは、ユーザーに1番見える所を作っていて、可視化されやすいから。
皆が意見を言って、前に進みやすい一つの手段がデザインというもの。

だからデザイナーと言う職種からCXOの第一陣出でてきたのがちょうど今。
おそらくこの後第2陣でデザイナー以外のCXOも可能性として出てきそう。

坪田さん:
確かに海外ではマーケターの人とかがdスクールでデザイン思考を勉強してCXOになるケースが増えてきてますよね。

広野さん:
トロント大学のロジャーマーティンとかも、ビジネスの経営学の人たちにデザインを教える。ビジネスの人にデザインを教えたいんだっていう流れがある。
日本では、そういう動きや、学びの場がなくて、実践でいうデザイナーがビジネスに入り込み始めている特殊な事例になっている。

アメリカとは違う形でビジネスとデザインが掛け合わされてる気がするんですけどどうですか田川さん?
(CXOの難しさについて に続く)


-- CXOの難しさについて

プロダクトデザインと、ブランドデザインは全く違う手法

デザイン思考ではカッコいいもの(ブランディング)は作れない

CXOが特殊なのはプロダクトとブランディング両方やらなければいけないが、そもそも両方できる人はいない

なので、オススメはCXOの下にブランディングを担当するクリエイティブ・ディレクターを置くことをおすすめする

田川さん:
プロダクトを作るためのデザインと、ブランドを作るためのデザインは全く違う。勘違いがあるのが、デザイン思考的なモノづくりではカッコいいものは絶対できない。

実はデザイン思考は、デザイナーが作った手法ではない。
IDEOのエンジニア部隊がデザインシンキングを作った。

エンジニアから見たときにデザイナーが考えているようなことをソフトウェアを作るデザイン手法として体系化したのはエンジニア達だった。

で、デザイナー達から見ると混乱する。
「あれ、俺たちそんな感じで考えてないけど?」みたいに。

デザインシンキングはソフトウェアエンジニアリングをユーザーインターフェースにつなぐための手法で、そこにはブランド構築とかカッコいいものを作るって考えはまったくない。

CXOが特殊なのは両方やらなければいけない。

だからビジネスパーソンがデザインシンキングを学んでビジネスデザインが出来るようになった先の一つの課題は、それではブランドが作れないということ。

これはグラフィックデザインやクラシカルデザインを使い回す術を別途勉強しなければいけない。

CXOも色々いてプロダクトが作れる人とブランドが作れる人って結構別なんだけど最強クラスのCXOは両方やれる人たち。
これはまだあんまりいない。

なので、プロダクトを作れるCXOがクリエイティブディレクターを入れて補完するタイプがおすすめ。

そういうのをメルカリで設計しています。
理想の設計組織の役割とポジションを全部決めていっています。

メルカリとかメルペイのUXを全部統括で見れる人。
ブランドマーケティングがわかってCMが作れるクリエイティブディレクター

このプロダクト部分とブランディング部分を統括して役員と交渉する人をCXOとしている。

坪田さん:
それぞれステージも違うのかなと思っている。
メルカリは今のフェーズでCXOを入れようとしているし、YAMAPはどうして今のタイミングだったんですか?


-- YAMAPにジョインしたタイミングとYAMAPの可能性

一人の登山家としてテクノロジーが全然進んでいないなという危機感を持っていた。

YAMAPは10年以上やっているサービスで、何年も蓄積してきた山の中でのユーザーの行動データに価値を感じた。

山での体験を次の世代にアップデート出来ると感じた。

ANDOさん:
YAMAPがデザインの課題を持っていたのは結構前から。
実はYAMAPは10年以上やっているサービスで、CXOとしてジョインしたのは去年ぐらいから。
ユーザーベースがあって、エンジニアリングが強い会社だから色んな機能が既に出来てしまっている状態だった。
そこに統括しているデザイナーがいなかったのでUX上のフリクションが発生していた。 
山登りするUXの分かる人が欲しいと。
(田川さん:そんなのANDOさんしかいない  笑)

この機能を発案したのはYAMAPのエンジニアで、一年ぐらい構想があって実現に至った。

私が最終的にやったのは、それが最終的に家族が見守りという体験をとうしてどういう価値をえるかとういところのデザイン。

一人の登山家としてテクノロジが全然進んでいないなという危機感を持っていて、YAMAPにジョインしたときに、彼らが何年も蓄積してきた山の中でのユーザーの行動データをもっていたけどビッグデータとして活用出来ていなかった。

そこにすごく価値を感じた。

山での体験を次の世代にアップデート出来ると言うことを一つのテーマとして取り上げたいなと。そこでタイミングがあって、「山での安全をアップデートします」というコンセプトにつながっています。

-- ANDOさん、深津さんから学ぶ、皆がマネできるCXOのノウハウ

とにかく365日プレスリリースをうち続けること

悪い意味ではなくCXOの役割の一つに、内外に向けて自分の会社はこんなにユーザーに向き合っているんだという姿勢・情報を小さい粒度でいいからCXOが体現し見せ続けることは重要

田川さん:
noteって深津君が入って1年間で3倍ぐらいユーザーが増えたってレポートが出ている。

CXOとして深津くんが入ってユーザーの増加に1番効いたのって何?って聞いてみたら、「とにかく365日プレスリリースをうち続けること」

それは365日、1mmでもプロダクトを良くしているっていう姿勢を世の中に向けて発信し続ける。
そうすると、なんかnoteってユーザーと向き合っているんだなっていう信頼に繋がっていく。

悪い意味ではなくCXOの役割の一つに、内外に向けて自分の会社はこんなにユーザーに向き合っているんだという姿勢・情報を小さい粒度でいいからCXOが体現し見せ続けるのは、皆が真似できるノウハウ。

プレスリリースは大きくまとめなくていい。小粒でいい。
ユーザーはそこまでディテールを見ていない。


Q2 : CXOにおいて必要なマインドセットは何でしょうか。どういった人材が向いていると思われますか?

10万人規模と100人規模の会社のCXOがやることは全然違う。

一つ絶対に必要なのはボードメンバーに対して、デザインの理解の仕方、ブランドの理解の仕方を分かりやすく説明する力

フェーズが100人以上であれば、CEOが父性でCXOが母性であるという例えが割と合っている。CXOは皆を包み込む殿(しんがり)として動いていく役割。


田川さん:
多分会社のステージ・スケールによって違うと思う。
10万人規模と100人規模の会社のCXOがやることは全然違う。
メルカリが今大体1000人ぐらい?Denaがだいたい1600人ぐらい。
坪田さんがDeNAのとき250人ぐらいのデザインチームを見ていたんですよね。だからステージによって全然違うんじゃないですか?

坪田さん:
前職BCGという大企業のお手伝いをさせて頂くことがあった。
もうすでに出来上がって各取締役において、ホールディング型になっている会社に入って、それを実行するのって難易度が高くて、求められることって政治とか交渉力とかだったりするので全然違うなっていうのは肌感としてもある。
それが、スタートアップとメガベンチャーと、大企業とかで色々変わってくるのはたしかにそうだと感じる。
メルカリに今求められるものって何ですか?

田川さん:
全体の規模は1000人ぐらい。
デザインチームが今50人ぐらい。ここから100人くらいを目指そうとしている。

ステージによっても違うけど、一個絶対に必要なのはボードメンバーに対して、デザインの理解の仕方、ブランドの理解の仕方を分かりやすく説明していかなければいけない。

ブランディングは闇雲にやればいいわけではなくて、この順番でやるんだよっとか、全体像見たいなもの構造化してしっかり言語化して話せるようなスキルが必要。

汚い言葉だけど、CXOはボードからなめられたら終わり。
デザインやエクスペリエンスの質は量では語れないから、CXOがボードメンバーから信頼されているかどうかがすごく重要。

難しいのは、経営言語や経営者からの信頼とは別に現場のデザイナーからシンパシーを持たれないと行けないのが難しい所。
その両方を行ったり来たりするのは有限な時間のなかではすごく大変。

どんなに優秀な人でも時間はかかるし、構造が無かった所から作るのは一番しんどい。出来てしまえば後からは楽。
坪田さんもよく、自分で手を動かすって言ってますよね?

坪田さん:
そうしないと現場もついてこないし、3年経った時感覚が狂いますよね。
意思決定がし続けられる人間であるためには、手を動かし続ける、もしくはそれに近い学習を続けないと3年経ったら死ぬ。

広野さん:
この質問に対してフェーズが100人以上であれば、CEOが父性でCXOが母性であるという例えが割と合っていると思う。
CEOがある意味、将軍の役割「者共かかれー!!」って一つの方向性を示す。
大体のメンバーは指示を聞くんだけど、たまにハグレモノや文句を言って付いてこない人がいる。それに対してCXOが諭したり、逆にCEOが間違った方向性に行こうとした時、そっちじゃないよって言ってあげたり。
CXOは皆を包み込む殿(しんがり)として動いていく役割。


-- デザイナーからCXOへのなり方

制作会社で制作を覚え、事業会社で数字を覚え、コンサル会社でエグゼクティブな人たちの説得を覚える。

制作、事業、コンサルのどれか一つを経験した後に、自分で事業を起こしてみる。

客観的に定量的な数字をみてちゃんと自分で比較して分析ができるフィードバックループが自分で構築出来るかが重要

坪田さん:
制作会社で制作を覚え、事業会社で数字を覚え、コンサル会社でエグゼクティブな人たちの説得、プレゼンを覚える見たいな、僕のキャリアで行けば9年ぐらいかかる感覚がある。
今の若者は情報が摂取しやすいからもう少し短縮出来ると思うんですけど、そういう観点はひつようですよね。

今のデザイナーにとって難しいのは、制作スキルを身につけることは出来るが、エグゼクティブな立ち回りやビジネス感覚で立ち回るような話が出来るようになるのが難しい状況ではあるのかなと思っています。
教えてくれって言っても難しい。田川さんはどう考えてますか?

田川さん:
はじめちゃん(広野さん)に答えがある。
堀江さんもさっき言ってたけど、一度自分が経営者になる。
そうすると数字感覚やお金の意味とか組織の難しさとか色々入ってくる。

だから、「コンサル、事業、制作、を踏むタイプ」もしくは「どれか一つをやって自分で事業をやってみる」それでCEOの辛さをわかってみるとか。

経営者は当てたことのある人の言葉しか信じない。
当てたことのある人だけが持てる特殊な感覚があって、絶妙なジャッチがある。それを自分でやってみるのは一つある。

坪田さん:
ANDOさんも自分のサービスをやっていましたよね?

ANDOさん:
7年前にギルドをついくる前にiphoneの個人開発をやっていました。
深津もそうなんですけど、ほぼ同時期にデベロッパーをやっていて。
iphone黎明期で有料アプリがよく売れた時代だった。
その時、自分で1位を取る目標を作ってしまったために、1位を取るために必要な要素を逆算して、プロダクトデザインから、100万近いユーザーも抱えてしまった。
いいもの作っても売れるわけではなかった。
そのために、メディアとタイアップしてどう仕掛けていくか?
そんな事を一人でずっとやっていて最終的に日本のAPPストア1位になれた。

CXOとして全ての領域に意見するためには、入り口から出口まで一回は経験する必要があってどんなサイズでもいいので、まずは100%コントロール出来るビジネスをやってみるっていうのはすごく必要なことなのかな。

そのなかで1番重要なのは、いかにして自分の中にフィードバックループをインストールできるのかという所に限る。

最初はビジネスでなくてもいい。
ダイエットとか節約とか。
客観的に定量的な数字をみてちゃんと自分で比較して分析ができるフィードバックループが自分で構築出来るかが、才能を伸ばしていく人は早いタイニングに身に着けている。

Q4 : いまCXOを目指すとしたら、逆算して何からやっていけばいいなどの助言はありますか?

サービスの領域だけでなく、社会や法律様々な変化に注目しサービス体験に反映すること

自分でサービスを作って、チャンスとスキルのバランスを作ること

CXOを志す上で必要なのは自分が好きなことを突き詰めること。

CXOはめちゃくちゃ難しい。既に知っている人の弟子について学ぶことが効率的

広野さん:
興味をもってどんな情報に関しても目を向けるのは重要。
仮にCEOはサービス領域だけにしか興味が無くてもいいかもしれないが、CXOはちょっと引いて、社会や法律様々な変化に注目しサービス体験に反映していくのが有効になるのではないかと思っている。

ANDOさん:
小さなビジネス100%自分でやってみることをオススメしたい。
CXOはユーザーの代弁者でなければ行けない。
でないと、社内のCxOにたして訴え続けるのは難しい。
なので、CXOを志す上で必要なのは自分が好きなことを突き詰めること。
(ANDOさんは登山、noteの深津さんはアルファブロガー)

田川さん:
1 つ目は、delyに入って坪田さんの弟子になる。
2つ目は、YAMAPに入ってANDOさんの弟子になる。
3つ目は、メルカリに就職して、CXOの仕事を見て、3年修行した後に企業。
何故かって言うと、CXOはめちゃくちゃ難しい。
だから先人達が15年ぐらいかけて築き上げたエッセンスを抜き取る(学ぶ)
そして実践する

坪田さん:
僕が言えるのは、自分ひとりでわかりやすい成果を出してみれば、それでチャンスを貰えるっていうのは分かりやすく言えること。
Bosyuで作ってリリースして譲渡したことなど。
ツールとしてのデザインではなくサービスから設計したことを言えるようになるとコミュニケーションする相手が変わってくる
スキルとチャンスのバランスは大切。


最後に

まとめについて
トークの至る所に重要な情報やエッセンスが含まれていたため、まとめと言いつつ、全文書き起こしのような膨大な量になってしまいました(笑)
修正のある場合はご連絡ください。

写真について
このnoteの素敵な写真は 北島 鮎 / Basecamp @kitajimannnさんが撮影したものを使用しております。
イベントレポート向けに使用の許可いただき感謝です。
素敵な写真をありがとうございます。


delyは全方位で募集中らしいです。
地位の奪い合いが不要になるほどの事業スピードの早い組織なら、成長率もすごそう!興味のある方は是非。


ANDOさんはCXO Nightのあとそのままの足で北アルプスに向かっていきました。まさにCXOの鏡です。


田川さんはちょうどCXONightの日に書籍の販売予約が始まったそうです。
今日の話を聞いたら買わないわけにはいかない。
ポチ

あと、このサイロエフェクトの本もおすすめしてる。
ポチポチ


youtubeには全ての内容がみれる動画が上がっております。
このnoteでは書ききれなかった話やQ&A、会話のニュアンスや掛け合いなどを惜しみなく見れます。

広野さんの父性「者共かかれーー!!」は一見する価値あると思います。
(1時間53分あたり)




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