5月9日。神保町よしもと漫才劇場で、単独ライブを行いました。ひとりで。

R-1グランプリで良いところまで行ったので、調子に乗って催したのですが、これがなかなか大変でした。

コンビのライブでは相方が頑張ってくれるので、お客さんと一緒に笑っていれば60分ぐらいあっという間なんですが、「ひとりで60分楽しませろ」となると何段階も難しくなるんですね。

全てが僕の成果な代わりに、全てが僕の責任になります。

芸歴8年目、自分ひとりの芸人としての力を試せる良い機会です。

「絶対に成功させたい」と、2ヶ月前から入念に準備をして、沢山の芸人と社員とスタッフに助けて頂きました。本当にありがとうございます。

劇場チケットも売り切れました。

準備万端で迎えた本番。

めちゃくちゃ楽しかったです！

とは言い切れないことがありました。

開場の時から危惧していたのですが、客席に、どう考えても僕には興味の無さそうなお子様がいらっしゃいました。

よく喋る元気な男の子です。

これが分娩室なら最高の報告だったんですが。

その隣には、劇場によくいらっしゃる元気な女の子。

どうもその女の子のお孫さんみたいです。

よく喋る元気な男の子は、ネタが始まっても、よく喋る元気な男の子でした。

割と集中して頂かないと入ってこない内容のネタなこともあり、100%で伝えることが出来ませんでした。

その時浮かんだのはフリップの清書を手伝ってくれた後輩たちの顔と、チケットの料金1,500円。

申し訳ないなと思いながらもなんとかやり遂げ、ハケてすぐ社員にお願いして退場を促しましたが、叶いませんでした。

その報告を聞いた時、「日頃の行い」ってあるんやなと思いました。雨降ってたし。

後半はその男の子も落ち着いて静かにしてくれていましたが、やはり頭の片隅にはずっと、その男の子を連れて来たバカへの憤りがありました。

水泡に帰すとまでは言いませんが、頑張った2ヶ月がもったいないなと思いました。

これが例えば寄席で起こったことなら、他の演者の気持ちもあるので、僕が勝手に触れることはできませんが、僕だけの公演で、僕以外に責任が無いという状況だったので、Twitterで発信致しました。

ここからが非常に大事です。

僕は彼女のことが嫌いですが、彼女の楽しみを奪うつもりはありません。

皮肉でもなんでもなく、チケットさえ買って頂けるなら、今後もいらっしゃって頂きたいです。

別に変なところで笑おうが、喚こうが、その人自身の判断でやっているなら僕は構いません。

お金を払って頂いている以上は、それをお笑いに出来ない僕の責任です。それが気にならない程の爆笑を取る努力をします。

本当に凄い先輩方にはそれが出来ます。

わざわざ足を運んで頂いたお客様を、100%で楽しませられなかったのは僕の責任です。申し訳ありません。

僕がムカついているのはそこじゃないんです。

責任能力の無い子供に、迷惑行為の一端を担わせていることに対して僕は憤っています。

今回のケースでは、どうしても「子供の声のせいで」が前に付くクレームになってしまいます。

子供は一切悪くないのに。

なんなら子供の100倍騒いで、自分にだけ敵意が向くようにして欲しかった。守る姿勢が見えないことが凄く悲しかった。

本当に孫を愛しているのなら、成長具合や性格を鑑みて、公演に連れて行くかどうか、連れて行く場合、他のお客様に迷惑をかける可能性をどう消すのか、絶対に間違えないように考えてください。

来るなとは言いません。ただ、お前の、お前にとって都合の良い判断に、何も分からない子供を巻き込むな。

僕も賢い人間じゃないから、人に迷惑をかけながら生きてきました。今だってそうです。多分これからも。

だから人の迷惑も許します。

もう怒ってないから、今回で終わりにしてくれ。

あと、観た人以外は叩かんでくれ。

出禁は最善策じゃないから。

僕ももうちょっと考えてみるから、みんなで笑えるように頑張りましょう。