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チャンスザローゼスからヒントを得る【3勝クラスの馬券戦略】

競馬において回収率を上げるのに必要な要素はいくつかあると思います。
その中の一つに、「1番人気が馬券外になる可能性が高いレースを選択する」は、高配当の馬券を的中させる近道の一つだと思います。

今回は、チャンスザローゼスが馬券外となった、博多Sと西宮Sを振り返った際の気づきを、皆さんと共有したいと思います。

チャンスザローゼス
中内田厩舎+川田騎手+ノーザンファーム生産+馬主藤田晋と、字面だけでも人気になる要素てんこ盛りな背景を持つ馬。

この背景だけでも人気必至だが、実績もなかなかのもので、新馬戦は超ハイレベルのカルロヴェローチェ組で2着、その後未勝利戦→アイビーSと連勝しクラシック戦線をにぎわす存在と注目を浴びていた馬。

脚部不安で約10か月の休養を余儀なくされ、満を持して挑んだのが、
8月13日の博多S(古馬3勝クラス・小倉芝1800m)
唯一の3歳馬でハンデ55キロ、確勝を期待されて単勝1.7倍の1番人気。

だが結果は、勝ち馬から1.2秒差の9着。

次走9月30日(土)阪神10R 西宮S 古馬3勝クラス 阪神芝2000m
前走は長期休み明けでもあり、川田騎手のレース後コメントからも『久々の競馬で動き切れませんでした。これで変わってくると思います』とあったように、ここでの変わり身を期待されたか前走の大敗もなんのその、単勝2.6倍の1番人気に再度指名された。

ところが、ここも結果は勝ち馬から0.4秒差の6着と掲示板にも届かずの敗戦だった。

チャンスザローゼスは、川田騎手をもってしてもコントロールが難しい気性面があるとはいえ弱い馬ではない。

良血馬や背景がピカピカの3歳馬は古馬との対戦で人気になりやすいが、そもそもこの時期の3歳馬にとって芝の中距離戦で馬券になることは、古馬との能力比較で【決して簡単ではない】というデータの裏付けもある。

2023年の6月~9月の4ヶ月で、3勝クラス~OP(重賞除く)芝・ダート・距離問わずで集計した3歳馬の成績は以下の通り。

【全コース】5-4-5-30 勝率11.4% 連対率20.5% 複勝率31.8%
【芝】   2-2-4-23 勝率6.5%  連対率12.9% 複勝率25.8%
【ダート】 3-2-1-7  勝率23.1% 連対率38.5% 複勝率46.2%

上記の結果を見ても、上級条件での3歳馬は苦戦傾向が見て取れる。
集計44頭の平均人気は、3.5番人気とかなり上位人気に推されるケースが多いにも関わらず、勝ち馬は5頭のみで、馬券外率は6割を越える。

これを芝1600m以上に絞ると、
【芝1600m以上】2-2-0-13 勝率11.8% 連対率23.5% 複勝率23.5%

勝ち馬の2頭は、

・ドゥレッツア・・・5戦4勝 日本海S勝ち、未勝利戦でサトノグランツに先着、瞬発型加速ラップ戦・持続型失速ラップ戦など異なったラップバランスのレースを上がり最速で勝利。

・セッション・・・NHKマイルC3着馬(オオバンブルマイ)に対し、アーリントンCで頭差の2着。持続型失速ラップ戦のアーリントンCで連対し阪神コースでは4戦全て馬券内。

と、この2頭は重賞でも勝ち負けできているような裏付けをしっかりと持った馬であることに加え、また厳しい失速ラップ戦や様々なラップバランスで結果を出してきた馬で、3勝クラスを勝ち上がるには、よりハイグレードなレースでの裏付けや、厳しい経験を重ねた馬でないと、この時期の3勝クラスを容易に勝ち切ることは難しい壁があることが窺える。

チャンスザローゼスに話しを戻すと、アイビーSまでのレースは全て瞬発型加速ラップ戦。
アイビーSも前有利レースを逃げて勝利したように上積みが感じられるものではなく、勝ち方からは3勝クラスで通用する下地を示していなかった。
※このことは博多Sの際に自分の予想noteにも通用する下地がないことから、このチャンスザローゼスが馬券外になることで、レース自体に期待値があると判断していることを書いています。

このチャンスザローゼスを物差しに考えると、この集計期間で3歳馬で1番人気に推され、馬券外になった馬はチャンスザローゼス以外に、(クルゼイロドスル・バルサムノート)がいるが、この2頭も勝ち上がりが瞬発型加速ラップ戦で、厳しい持続型失速ラップ戦より、キレを求められる瞬発型加速ラップ戦でポジション利を活かした好走が多いように、古馬の厳しいレースへの対応力といった点で不安があったことが分かる。

以上のことから、3歳馬は3勝クラスで人気になりやすい背景があったとしても、このクラスを勝ち切るには相当な裏付けが必要になるが、能力以上に過剰人気になりやすいので馬券的には美味しいレースが増えると考えられます。

※今回のポイント※

①夏競馬の3勝クラスで、3歳馬が勝ち切る(馬券になる)にはハードルが高い。

②3歳馬は能力以上に人気になりやすく、過剰人気の3歳馬がいるレースは馬券的にチャンスレース。

③瞬発型加速ラップ戦で勝ち上がりが多く、タフな競馬を経験していないorタフなレースで結果が出ていない馬は疑ってかかる。

以上のポイントを来年までしっかり覚えておいて、馬券戦略に繋げていきましょう!

※年末になるにつれて、3歳馬と古馬の能力差が縮まってくることや、斤量の関係で有利になることが多くなるので、夏の時期より3歳馬の3勝クラス以上での好走は増える傾向にあります、10月以降は取捨に注意が必要ですので、人気の3歳馬はしっかり精査していきましょう!

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