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京王杯2歳S 考察


☆レースラップバランス傾向

3年前までは圧倒的に瞬発型加速ラップ戦になっていた京王杯2歳Sだが、近2年はL3F最速の失速ラップ戦になっている。
失速ラップ戦の年は馬券内に上がり3位以内が一頭もおらず、それ以外の年はほぼ上がり最速馬が馬券に絡んでいるように、高いトップスピード性能が要求されるレースになる。

今年のメンバーを見ると、登録の12頭で前走逃げた馬が2頭、逃げ馬以外で初角の通過が3番手以内の先行馬は2頭と、先行馬が33%の構成でそこまで前半が速くなるイメージはない。
更に、前走で上がり2位以内の馬が12頭中10頭と、決め手を活かしたい馬が揃った今年は、近2年の失速ラップ戦ではなく、トップスピードが要求される瞬発型加速ラップ戦を想定します。

また、2013年〜2020年までの8年間は全て瞬発型加速ラップ戦で、このラップバランスになった際は、ノーザンファーム生産馬の最上位人気馬が6年で5度馬券になっている。
(13年・17年はノーザンファーム生産馬の出走自体がなく、15年もノーザンファーム生産馬馬は6番人気で2着としていて、出走のあった年で1頭は必ず馬券になっている)

また、近2年の持続型失速ラップ戦において、ノーザンファーム生産馬は全て馬券外に沈んでいる。(21年:コラリン 1番人気 4着。 22年:ペースセッティング 1番人気4着。エナジーチャイム 4番人気 8着。ミスヨコハマ 8番人気 7着)

瞬発型加速ラップ戦を想定している今年は、ノーザンファーム生産馬の人気馬は要注目とみています。

※今年の登録馬では、アグラード・ミルテンベルグの2頭がノーザンファーム生産馬



☆週中考察馬


アグラード(想定:5番人気)

ノーザンファーム生産馬。
新馬戦は前走1000m通過が65.3のレースラップを後方から上がりだけの勝負になり位置取り負け、道中もかなり手綱を絞っていたので折り合いに苦労していて、前走は距離短縮でペースが上がったことはプラスに出た感。
前走は、前有利レースを外々を回って中団から差し切り勝ちと位置取り展開ともに負荷があるなか、タイムも翌日の2勝クラスと0.4秒差は評価できるものだった。
距離短縮でパフォーマンスを上げた前走からどこまで上積みがあるかがポイントも、未勝利勝ち上がりで人気も落ち着くようならねらい目になる1頭。


アスクワンタイム(想定:2番人気)

3走連続で上がり最速を記録し、小倉2歳Sを制覇。
全兄ファンタジストが、小倉2歳S→京王杯2歳Sを連勝と、このローテーションで結果を出していることもあり人気になりそうだが、前走は外差し有利の流れの展開利もある勝利で、加えて距離延長の今回は上積み疑問。(ファンタジストの小倉2歳Sは差し有利の展開を先行して勝利だった)
小倉2歳Sのタイムは、同日の1勝クラスよりも遅くタイムは強調できるものではなく、1200m戦だけに仕方ないが、全て持続型失速ラップ戦であることから、瞬発型加速ラップ戦にどこまで対応できるか。
上位人気になるようであれば、オッズほどの信頼度は?


オーキッドロマンス(想定:9番人気)

1600m→1200mに短縮して2連勝だが意外と奥を感じる馬。
新馬戦・2走目が共に瞬発型加速ラップ戦の東京マイルだったが、両レースともスタート1完歩の遅れを取り戻すために、鞍上が促し位置を取りに行ったことで前半やや折り合いを欠く形になる負荷あり、それでも新馬戦は勝ち馬がサウジアラビアRCを制した(ゴンバデカーブース)相手に、直線もラスト1Fまで互角に走った内容は評価できるし、2走目はコラソンビートに完敗も前半の巻き返し負荷は、新馬よりきつく見直し可能な内容。
何より距離短縮の2走前を逃げて勝った次走の昇級戦で、好位から差した競馬ができたことは距離延長の今回に向けて収穫大。
1200mの2走は重馬場だったが、新馬戦を見る限り良馬場のスピード勝負でも十分対応できており、距離延長にはなるが先行馬が少ない組み合わせのここは、前向きさはあるがスタート後1完歩の出足が遅い本馬にとってはプラス。
新馬戦から2走の良馬場マイルでの成績が嫌われて人気が上がらないようであれば、むしろ買いでは。


コラソンビート(想定:1番人気)

新馬戦は超ハイレベルなボンドガール組で3着。
あえて強敵の東京マイルの新馬戦に使ったほど、育成牧場時代から期待が大きかった馬。
前走は新潟1400mへの距離短縮だったが、終始外々を回って直線も外から上がり最速で完璧にねじ伏せる強い競馬。
前走・新馬戦が加速型ラップ戦で、全3走全てで上がり3位以内を記録、今回想定するラップバランス傾向にも合う。
今回同距離で、前走からの上積みがどこまであるかだが、間隔を取り仕上がり万全なら人気通りに好走確率は高そう。


ゼルトザーム(想定:4番人気)

ダートの新馬戦→函館2歳Sと連勝。
前走は鞍上も馬場が悪化したことはプラスになったのではとコメントしているように、パンパンの良馬場でトップスピード勝負になった際は未知数。
前走の走りを見る限りは、重馬場で時計がかかるような持続型失速ラップ戦は滅法強そうで、ダートで勝ち上がってきたのも納得。
前走2着に負かしたナナオが、次走のもみじSを逃げて快勝とメンバーレベルもそこまで低い訳ではなかった函館2歳Sを制した完成度は現時点では高いと考えれば、良馬場実績が未知&ヘニーヒューズ産駒ということで、むしろオッズが甘くなるようなら馬券に組み込んでも。


バンドシェル(想定:7番人気)

新馬戦は差し追い込み有利の流れを、後方から早めに外を回すコーナー負荷のある競馬で差し切り勝ち。
展開利はあったが、外目を回して差し切った内容は評価できるもの。
スタートで位置を取れる形になり、良馬場でキレを活かす形になった際の能力は未知で、勝ちタイムは同日の1勝クラス(りんどう賞)を0.2秒上回るタイムでもあり、オッズがつくようなら抑える価値はありそう。


ミルテンベルグ(想定:3番人気)

ノーザンファーム生産馬。
新馬戦は前有利のレースを2番手から上がり最速で後続を0.5秒離す快勝。
2走目の小倉2歳Sは、外差し有利の流れを外目から差す競馬で2着と今回に向けて上積みは疑問の内容。
小倉2歳Sのタイムは、同日の1勝クラスよりも遅くタイムは強調できるものではなく、アスクワンタイム同様に1200m戦だけに仕方ないが、全て持続型失速ラップ戦であることから、瞬発型加速ラップ戦にどこまで対応できるかは未知で、ノーザンファーム生産馬でもあり能力は認めても過大評価は禁物。


ロジリオン(想定:6番人気)

前走は距離短縮+瞬発型加速ラップ戦で快勝。
新馬戦が前有利レースの瞬発型加速ラップ戦を(11-10)の位置取りから、上がり最速で差し追い込み馬では最先着。
前走は重馬場でタイムこそ平凡だが、中団から外々を早めに押し上げ、早めに先頭に並びかける競馬で、後方から競馬をした上がり2位に0.4秒差の上がり最速は良馬場でキレ勝負になれば、更にパフォーマンスを上げる可能性も感じさせる内容。
近走のメンバーレベルや地味な背景から人気はそれほど上がらなさそうだが、ラップバランス適性はありそうで人気薄なら面白い一頭。

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