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マイルCS 無料コラム ~蛯名正義厩舎は未開の関西を攻略できるか?~


蛯名正義厩舎の期待馬、レッドモンレーヴ

現時点での想定人気は6番人気、単勝オッズ15倍前後で赤オッズの上位5頭とは少し差があると見られているが、能力はさほど見劣らない1頭だと思っている。

2走前の安田記念は一気にメンバー強化&距離延長と厳しい条件下のG1で0.6秒差は及第点の内容。
前走は休み明けでまだ仕上がり途上のコメントがあるなか、初の持続型失速ラップ戦を僅差の2着と上々の内容。

キレで勝負するタイプに見えるが、瞬発型加速ラップ戦の超トップスピード勝負になると、ソングライン・セリフォスの瞬発型加速ラップ戦の申し子には、G1レベルで僅かに劣る現状だが、富士Sで見せた持続型失速ラップ戦への適性を考えると、近2年の中盤が緩む安田記念より、やや持続力を問われやすい京都のマイルCSは、ラップバランスの舞台設定としてはこの舞台ほうが向く可能性すらあり、ここでの好走を期待するのは決して無理筋ではないと考えます。

前走までの過程や能力から、この舞台で通用する可能性はあると思っているレッドモンレーヴだが、この大一番で越えなければならない二つの壁があると考えます。

一つ目の壁は、新馬戦から馬群を割る競馬の経験がほぼないこと。

G1レベルの一流マイラー相手に、京都の外回りコースで今までのように大外を回して届くほど甘くはない。
17年のペルシアンナイトのように、後方からの競馬でも馬群を割る競馬が必須になってくる以上、今までのように外に馬を置かずに大外を回して直線勝負の競馬では流石に届かない。
トップスピードで3~4コーナーを下ってくる京都は直線入口で馬群にスペースが出来やすい競馬場でもあるので、無理に馬群の中で競馬をする必要はないかと思うが、後方からでもジョッキーが上手くストレスを欠けずに進路を見つけれるかが勝ち負けへの一つ目のポイント。

そしてもう一つの壁。

蛯名正義厩舎が関西圏で全く結果を出せていないこと。

開業以来の東西成績(全257戦)
※()は左から勝率・連対率・複勝率 ※東開催は札幌・函館除く

全成績 28-22-18-189(10.9%・19.5%・26.5%)単75円 複72円
東開催 24-18-17-209(11.5%・20.1%・28.2%)単85円 複77円
西開催 0-2-0-14    (0%・12.5%・12.5%) 単0円 複15円

関西圏自体のレースを使うことも少ない厩舎で母数が少なすぎるところは何とも言えないが、関西遠征のノウハウが少ないことは少々気がかりな点。

関西圏では数字上の裏付けがない以上、データ的にはマイナスかもしれませんが、それでもこの状況を打破できるのではないかと思えるプラスのデータに注目しました。

それは、蛯名正義厩舎は今年に入って大きく厩舎力を上げているであろうことが数字にも表れている点。

勝ち星は昨年の135位→今年は現時点75位と大きく順位を上げていますが、さらに直近3ヶ月の数字は以下のように上昇しています。

2023年全成績
17-15-8-114(11.0%・20.8%・26.0%)単82円・複74円

2023年 8月~11月
8-5-3-34(16.0%・26.0%・32.0%)単173円 複117円

この直近約3ヶ月で今年の勝ち星の約半分を挙げ、また勝率や連対率も大きく上昇、厩舎開業3年目のこの時期に入ってしっかりと結果を出し始めているのは、馬の力をしっかりと引き出せるようなレース選択や使い方が出来ている証拠ではないかと考えます。

阪神・京都では未だ馬券内なしの蛯名正義厩舎だが、データ派の人たちがこのマイナスデータを嫌ってくれてオッズが少しでもつくのなら、厩舎力が上昇中の今こそBETしたい気持ちは強い。


二つの壁を越えなければならないレッドモンレーヴですが、間隔の詰まった距離延長の厳しいローテで戦った安田記念、ソングラインやガイアフォース・ジャックドールが不在で、安田記念よりメンバーもやや落ちると思える今回のマイルCSならチャンスは十分あるのではないでしょうか。

馬群を割る競馬&蛯名正義厩舎の関西遠征という二つの壁を乗り越えて、蛯名正義厩舎の期待馬、レッドモンレーヴが淀のターフで末脚を爆発させるシーンを期待しています。


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