センチメンタルオータム


最後に一緒に食べたのは季節限定のソフトクリームだった。
モンブランフレーバーだったから秋のはじめ。
夏の終わり。

じゃあね、と言って手を振った。彼を残してわたしが去った。
最後と決めてたわけじゃない。

2人で遊んだカードゲーム。
1年越しに返してくれなくていいよ。

彼への違和感を確認するには十分だった。

そのあとも、何度か長電話をした。
彼がわたしの好きな彼でなくなってからも、長電話には付き合ってくれた。
喧嘩もした。

ずっとわたしの片想い。
彼女にはできないと何度も言われたけど、相手をしてくれる彼に甘えていた。

長電話してくれること。
2人で会ってくれること。
抱きしめてくれること。

それは彼にとっては簡単な願いで。
たいした意味も価値もなかったみたい。

それでも期待する瞬間もあった。

秋の味のソフトクリームを食べた日の彼は、今までと同じようにわたしの簡単なお願いを叶えてくれたのに、何の期待もできなかった。

何が変わったのかな。
昔の彼とは違っていた。

ずっとわたしの片想い。
それでも狭い部屋でカーテンの空を見上げていたころ、隣にいた彼と今日の彼は違う。
好きだった人と、顔も声も、過ごし方も同じなのに違う人だった。

彼はどこに行ってしまったのだろう。



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ともこ

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