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始まりはいつも歪(いびつ)なものから

10年以上の会社員時代、私はほとんどの時間を新しいものを作ることに従事してきた。ジャンルや内容はさまざまで、金融系のものもあれば、食や物販、広告枠、制度システム、メディア、流通、社会貢献、生活に関わるものなど、とにかくいろんなものに携わらせてもらった。

保守運用の仕事はあまりなくて、ほとんどが事業やサービスの立ち上げから携わることが多かったため、前例のないものを生み出さなくてはならないという緊張感に包まれ、成功するかどうかもわからないものを作ってきた。
時には大コケしてゼロになるものもあれば、なんとかそこそこ…というものもあるし、うまくいったものもある。

そして、ここのところ、改めて気づいたことがある。
世の中でわかりやすく成功するには、正当法や正解があるように思っている人が、(自分も含めて)多いということ。
でも実はそんなものはほとんどなくて、世の中は常に変化しているから答えなんてほとんどない。

だけど会社員生活の中で、一つだけ思い出に残っている仕事があって、その時のことは今だに自分の中で大事にしている。
SNSからの売り上げでかなり認知度を上げた会社に勤めていた時、その会社の社長が言っていた言葉。
「まずは、ビジネスで成功した人が書いたノウハウ本をとことん真似してみる。そして、成果が出なかったら考え直す。そして、少しだけ先を見てはみ出してみる。先行を行くような拡大していない領域に踏み出してみる」ということ。

この領域をはみ出すというのが実は結構大切なことで、これは思い込みを外すことにもなりうるし、自分の知らない可能性を知る一歩にもなる。
広告を打ったことのない会社が広告を打ってみたらとんでもない反響になった、TikTokを始めたら思いも知らないところで評価を受けた、などなど。

リュック・ベッソンは「フィフス・エレメント」という映画の費用が足りなくて、費用稼ぎに「レオン」という映画を作ったけれど、それは予想をはるかに上回る大ヒットになった。
人というのは、予想だにしないところで、真価を発揮し、人に受け入れられるものだ。

私も仕事の中で、「これはいける!」と思ったものは、自分が最初に描いた理想像とはかけ離れていることが多い。
大事なのはそこから。思い通りにいかないからと手放してしまうのか、受け入れてのばしていくのか。いずれにせよ、理想通りにはならなくても、それは小さな成功事例による自信と、新しい可能性をくれる。

一番最初からきれいに行くものなどほとんどない。多くのものが歪(いびつ)でボコボコな状態だから、磨き甲斐があり、成長していくのだろう。

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