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ライブに行った

2019年の私が見たら「ふーん」で終了のタイトルだ。

正式なタイトルは「コロナ禍でいくつものライブが中止になりたくさん涙を流したけど、今日ようやく1年2ヶ月ぶりにライブハウスに行くことが出来た」です。くどい。
今日のライブひとつで中止になったライブたちの弔いになるわけないし、今でもすべて中止になってしまったPENGUIN RESEARCHの5周年記念ツアーのことを思うと秒で泣ける。
それでも、今日ライブハウスに行けたというのは私にとって呪いを解くような出来事だった。

呼吸器が弱いこと、会社が小規模であること、なにより苦しみたくねぇの一心でコロナ対策を行なってきた。アルコール消毒のせいで、手の甲も指先もあかぎれでボロカスになってる。人混みも当然避けた。満員電車に乗れば下車駅でマスクを変え、トイレで手を洗った。飲み会もしてない。ご飯も行ってない。休みの日は外にも出ない。健康を守るための不健康な生活。
そんな私が次にライブハウスに行くのはいつになるのだろう。ワクチン接種開始のニュースを、遠い国の話のように眺めていた。


ところがどっこい。

欲への耐性がなさすぎて自分でもビックリした。
だって絶対REAMPの曲やるじゃん聞きたいじゃん~~~~!!シノダさんと田淵さんが並んでるとこ、絶対絶対見たいじゃん~~~~~~!!!


というわけで1年2ヶ月ぶりのライブ参戦が決まった。
体調を整えるべく前日は8時間寝た。

1000CLUBは2020年7月のコロナ禍真っ只中に出来たライブハウスで、当然行くのは初めてだった。
ロッカーはすごくちっちゃくて大きめのリュックを入れるとパンパンになるけど、1スペース300円で台数も結構ある。そもそも横浜駅からかなり近くにあるので、駅のロッカーを使うのもありです。コンビニも目の前にある。便利。

その名の通り1000CLUBのキャパは1000人なのだけど、今日は番号が330番くらいまでしか無かった。
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整番のシートが貼ってある場所に立つのだけど、これまでのライブハウスに比べたらかなり間隔が開く。荷物を足元に置いている人が結構居た。あと寒い。人と密着してないだけでこんなにも風が通るのかと驚いた。

開演前、隣のお姉さんが声をかけてくれた。
「シノダさんが見たいので少しそちらに寄ってしまうかもしれません。」
めっっっちゃくちゃ嬉しかった。あっ、私今ライブハウスにいるんだ!って思った。家の小さなモニターで1人で見る配信ライブと違って、隣に人がいる。みんなマスクして声を出さずにいるせいでフロアは静かだけど、ソワソワしてる空気が肌で感じられる。それが本当に嬉しくて嬉しくて、気がついたら「私もヒトリエ好きです!!」と答えていた。断りに対しての返事をしろ。

一度アナウンスで発声はしないでくれとの注意が流れたが、それ以前からフロアは本当に静かだった。1組しゃべるだけでかなり目立つくらい。静かでサワサワした空気の中、スッと電気が落ちてライブが始まった。


普通のブログならなんかいい感じのライブレポするのかもなんだけど、私が書けるのはここまでだ。(母国語で「ライブ終わったあとって興奮して記憶ないですよね」という意味です)
正直客からのレスポンスが拍手しかない状況でのライブって想像つかなくて、ちょっと冷めたりするのかな……とか思ってたけど全然そんなことなかった。1曲目のポラリスが終わったとき、拍手が鳴り止まなかった。純粋にヒトリエの演奏が良かったことと、現状はいまだ最悪だけどまたこうやってライブハウスに戻ってこれたことがめちゃくちゃ嬉しくて、ありがとうの気持ち一心で拍手をした。すんごい良かった。最高のライブだった。ハイゲインのイントロがバカみたいに良くて頭飛んだし、SLEEPWALKのときのハンドマイクで踊り狂う少し浮世離れしたシノダ氏のことが大好きなので生で見られたのがめちゃくちゃ良かった。THE KEBABSに至ってはサブスク配信されている曲しか知らなかったのだけど、気が付いたらめちゃくちゃ踊っていて終わるころには汗だくだった。何あれ。もう完全に好き。ライブ行く。


PENGUIN RESEARCHがライブ再開するまでライブハウス行かないかも、と思ってた時期があった。正直意地を張っていたというか、いろんなバンドが少しずつできる形でライブを再開しているのに、なかなか上手くいかない現状に拗ねていた。こうなったらPENGUIN RESEARCHが動き出すまで私も動いてやるかよと思ってた。
でもなんか、それって何のために…?というか、私もPENGUIN RESEARCHも誰も得しないめちゃくちゃ無駄な努力で労力削るのは効率悪いなと気付いたので、自分が行ける範囲で行きたいものにいっぱい行くことにした。
2020年の春以降、ライブハウスがたくさん潰れた。私が知っている場所だけでも10軒を超える。行ったことあるあの場所もこの場所も、クラウドファンディングを行うなどして頑張っている。だったら私ができるのは、1つでも多くライブに行ってPENGUIN RESEARCHが帰ってくるまでライブハウスを一つでも多く残しておくことじゃないだろうか。私が1回行ったぐらいでどうなるとは思えないけど、家でなんもしてないよりは健全で、何より私が楽しい。とても。一番大事な衝動だ。

そんなわけで、明日もライブに行く。
1年後も5年後10年後もライブハウスにいる。そのためにライブに行く。未来の健康な生活を守るために、節度を守って楽しませてもらいます。うっす。

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