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あいすること

“四月になれば彼女は”
という本を読んだ。

多くの映画をプロデュースされていて
世界から猫が消えたなら や 億男 を出版されてる
とっても多才な川村元気さんの本。

本を読んだといっても
読んだ本の内容を語るのは好まないので、
印象に残った言葉から
読後にわたしが考えたことについて。

私たちは愛することをさぼった。

「愛すること」と「愛されること」。

この二つについては何度か考えたことがあって、
わたしの偏愛する島本理生さんの作品のなかの
「結局は『愛する』だけじゃ意味がなくて
『愛され』なきゃ意味が無いと〜」
という一節も忘れられない。

「愛され」てるから『愛する』ことができるのか
『愛する』から「愛され」るのか
みんなはどちら派?

「愛されること」と『愛すること』
どちらかしか選べないとしたらどちらを選ぶ?

言い換えれば、
自分のことを愛してくれるひと と
自分が愛しているひと どちらを選ぶ?

わたしは10代の頃は圧倒的に愛する優先で
20代になって愛される大切さを知ったけど
今はまた堂々巡りの最中。


それでね、今日はほんとうは、
みんながどっち派かっていう話じゃなくて

堂々巡りの中で
愛するってなんだろう?
愛されるってなんだろう?
っていうところにいきついたので、
わたしが今までに経てきたではなく
触れてきた恋愛のなかで
一番純粋に愛を描いたものってどれだろう?
って考えてみたっていう
そんな話をしようと思ってたの。

わたしはこれ、何回考えても
映画「昼顔」か、中学聖日記なんだよねえ

親しい人たちとの間では
わたしは生粋の不倫もの好きとして名高いので
出た〜〜〜と言われそうだけど。笑

このふたつに共通してるのは
親・友達・仕事すべてを失ってでも
ただ相手のことが好きなだけで、
ただその相手に出会ったのが
自分も相手も結婚した後だっただけで、
ただその相手が生徒だっただけ。

とくに不倫に関しては
大抵は被害者なる立場の人がいるものなので
決して肯定するわけではないけれど、
いくつもの失うものを背負ってまで
一人のひとを失いたくないと思える
それこそ愛なのではと思う。

失いたくないと思える大切な人に
お互いが結婚する前に出会うことができて
お互いがほぼ対等な立場(年齢もろもろ)なのって
実はただちょっとラッキーなだけで、
そう考えると不倫はちょっと
アンラッキーだっただけで。
そこにある愛は否定するものではないし
アンラッキーだったがゆえに
乗り越える障壁や代償がともなうわけで
それを乗り越えた絆はとても尊い気すら
してしまうんだよね。
あとは順番を正しくしようねってだけで。

別にこれが正解だとはまったく思わないし
これはわたし含め一人ひとりが
考えて自分の芯を見つけるものだと思うので
嫌悪感を与えたらごめんなさい。

でも、実は
この考え方にはちょっといいところがあって

わたしが読む系統の小説には
結構頻繁に出てくることが多い議題だけど
愛 と 孤独 と セックス と 依存 を
正しく区別するのって
とっても難しいと思うんだよね。
男女や年齢関係なく。

いま相手に抱いているこの感情が
愛なのかそれ以外の別のものなのか
正しく区別できる自信がある人って
なかなか多くないんじゃないかなあと思うし
なによりわたしがこのすべてを
愛と勘違いしてしまった経験があるので。

そういうときに、
もし自分に配偶者がいて
相手にも配偶者がいても
その感情が変わらないかどうか
っていうので測ると
比較的混濁しにくいのではないかな
と思ったりしてる。

そういう意味でも、
わたしが今までに触れてきた恋愛の中で
最も愛の核心に迫っているのは
上記のふたつかなあと今は思うなあって話。

といっても、
わたしより全然たくさん映画を観たり
本を読んだり恋愛をしたりしてる人は
たくさんたくさんいると思うので
こんな愛があるよ、こんな愛が素敵だよ
みたいなのがあったらぜひぜひ教えてほしい!

なんならこの一文のために
久しぶりにnote開いたみたいなとこある。笑


最後に、ほんの少しだけ
このきっかけとなった「四月になれば彼女は」
を話題にしようかな。

川村元気さんの小説は初めて読んだけど
この本の存在は2年くらい前から知っていて
(と思ったら19年7月1刷だった笑
ほぼはぼ出たときから知ってたんだな)
装丁からイメージする期待通りの
清廉さとイノセントなかんじ、
清廉という言葉のセレクトを少し悩むくらいの
既視感のある人間味。
最初から最後までとっても好きでした!

なかでも、
主人公の藤代とお母さんのシーン
あのお母さんの気持ちがとってもよくわかるし
藤代が理解しきれていないところが
すごくよくて痺れた。
このシーンでわたしは藤代は
お父さん寄りの人間だなと割り切ってたので
ラストに向けて微笑ましいというか
ああ、人って変われるんだな
と思うこともできて、それもまたよかった。

有名な一冊なので
手に取ったことのある方も多いと思うけど
もしまだの方がいたらぜひ🥰

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