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1人でweb, iOS, Androidアプリを作ったので、ついでに世界を目指そうと思う

このところしばらく個人開発していたアプリをやっとリリースできたので、アプリの紹介と今後について書いてみようと思う。

(気づいたら7,000字近く書いていたので、目次を見ていただいて、興味があれば時間があるときにじっくり読んでいただけると幸いです)

<目次>
1. 作ったアプリについて
2. なぜ作ったか?
3. 技術的な話を少し
4. 海外展開のための計画
5. 世界を目指すプロダクトを作りたい人のための英語
6. 三大海外プラットフォームの攻略法
       6.1 Hacker News
       6.2
Product Hunt
       6.3 reddit
7. 最後に

1. 作ったアプリについて

作ったアプリはこれ。

仕事での1対1の日程調整を楽にしてくれるアプリです。Web、iOS、Androidの各プラットホームに対応したアプリがあるのでサクサク使えるはずかと。

ありがたい事にライフハッカーにも掲載された。

実はリリースしたのは去年の10月なんだけど、しばらくAndroidアプリでログインできない不具合があった。この不具合のせいで複数のレビュー1をつけられてしまったのは痛かった。。。内部テスト大事。


2. なぜ作ったか?

仕事の面接やミーティングの日程調整がとても面倒だったから。特に、スマホのチャットでの日程調整は地獄的に辛い

こういった問題を解決する日程調整ツールは国内外にいろいろあるのだけれど、下記をすべて満たすものがなかった。

・webだけでなくスマホアプリも存在する
・Googleカレンダーと連携する
・予定の候補をいくつかこちらで指定して送ることができる
・予定の候補を選ばなくてもカレンダー形式で送ることもできる
・時差に対応している
・日本語に対応している

最近はAIやチャットボットなどを活用したソリューションもあるけど、もう少しシンプルに日程調整ができるものが欲しかったのだ。

もちろんwebも対応しているのでPCからも利用可能だが、スマホのチャットでのやりとりが多い人には特にお役にたてると思う。GoogleカレンダーAPIが一定の制限を超えると有料になるので、アイテマスも将来的に有料にする可能性があるが、それでも使ってもらえるようなクオリティを目指して改善していこうと思っているので、なにか問題があればフィードバックいただけると幸いです。

今後は微調整に加えて、候補日時を選択したときの仮おさえ機能や、複数人での調整機能、会議室予約機能、英語化などを対応していく予定。ロゴも変える。とにかくスマホでの仕事の日程調整を楽にしたい


3. 技術的な話を少し

今回、Ionicというフレームワークを使った。

CordovaやAngularがベースとなっていて、html、css、TypeScriptを使って複数のプラットホームに対応したアプリを作ることができる。

React Nativeなども検討したが、最終的にワンコードで3プラットホーム同時開発ができるという利点に惹かれてIonicを選択した(あくまで当時の判断。React Nativeもweb対応してきたり、最近だとFlutterもwebの対応予定をアナウンスしている)。

日本語はもちろん、英語の情報も少なくて割と苦労したが、Ionicコミュニティの皆さんに助けていただきながらなんとか完成させることができた。めちゃくちゃ感謝してます。

もうすぐv4がリリースされるので、これから始めたい方はv4で始めた方がいいかもしれない。個人的にIonicはかなり気に入っている。


4. 海外展開のための計画

今回のnoteで最も書きたかったこと。これから書くことはあくまで計画であり、まだやっていないことだ。でもきっと面白い事が起きるはず。

計画の骨子となったのがこの記事。個人開発者が集まるslackグループ「運営者ギルド」仲間の @kame_f_no7 さんが書いた翻訳記事だ。

この記事の(中編)で、redditProduct HuntHacker Newsというサイトがでてくる。これらはwebサービスやアプリの海外マーケティングには必須のサイトのようだ。特に僕のようなニッチなツール系アプリをつくる人は、よっぽどのことがないとtwitterでバズることもないので、スパム扱いされない範囲で最初にまとまったユーザーの流入が見込めるプラットフォームを活用するのは非常に重要だと思っている。まぁ、ただそれらに投稿してしまえばいいんだけど、できるだけたくさんのユーザーに興味をもってもらえるように人事を尽くそう。ということで、これらをどう使っていくかを書いてみたい。


5. 世界を目指すプロダクトを作りたい人のための英語

その前に。

海外サイトということで最低限の英語ができないと少し辛い(投稿だけならGoogle翻訳でも問題ないがユーザーからフィードバックがきたときなど)。もし英語がまったくできないという方は、必須スキルと割り切って英語を勉強しよう。といっても、TOEICで高得点を狙ったり西海岸で働くために勉強するわけではないので、何年間も勉強する必要はないと思う。基礎的な文法をおさらいして、基礎的な英単語やイディオムを1000語くらい覚えて、あとは自分の興味のある分野の英語の記事や本をツールを使いながら読み漁れば3ヶ月くらいで割といけるんじゃないかな。

英語の本や記事については、このnoteを読んでいる人であれば下記の本やサイトが面白く読めるかも。

注意点としては、本や英語記事を読むのは、基礎的な文法や単語、イディオムを覚えた後に行うこと。そうでないと本を読んでいるのか辞書を読んでいるのかわからなくて辛くなる。

英語のツールに関しては、下記の記事にまとめた。昔、はてなブックマークで1300人近くブックマークしてもらえた記事だ。しかし、一部誤りがあるのと情報が古く、最新版に書き直す予定なのでここにはリンクはしないでおく(書き直したら僕のtwitter @__shinji__ でアナウンスします)。

2019/06/05  追記:書きました!


英語の勉強はプログラミングと違って詰まることはほぼないので、1人でも継続するだけで確実にレベルアップできる分野だ。プログラミングで死ぬほど詰まって成長や進歩を感じられない日も、同時に英語の勉強をしていると毎日少しでも前に進んでいる感じがして精神衛生的にも良い。今まさに自分のプロダクトを作っている方なら絶対にできる!毎日30分でも自分に合った英語学習アプリなどを使って続けてほしい。

手前味噌だが僕が個人で運営しているエンジリッシュもオススメ。


6. 三大海外プラットフォームの攻略法

前置きが長くなってしまったが、ここからが本題。攻略法というか使い方に近いかも。日本語でそういった記事があまりなかったので書いてみる。

6.1. Hacker News

Y Combinatorの運営するアメリカのスタートアップコミュニティ。知的好奇心を刺激する面白いサービスや記事を投稿し、コミュニティの人々と意見を交わす感じ。投票する仕組みもあって人気があれば上位に表示されたりする。DropBoxの創業者ドリュー・ヒューストンもここに投稿して初期ユーザーを集めている。

Hacker News で何かを紹介するときは、下記のような submit ページからtitleとurl、もしくはtitleとtextを入力して投稿するだけ。ただし、text内ではurlリンクが無効となる。

基本的にはこれだけで投稿できるが、自分が作ったプロダクトを紹介する際はもう少しルールがあって、titleの最初に Show HN をつけた形式で投稿することが推奨されている。ちなみに Show HN がついた記事は画面上部の show メニューから一覧できる。

この Show HN の説明も兼ねて、投稿する際の公式ルールを翻訳して掲載する。

Show HNについて
Show HN はあなたが作った何かを Hacker News 上でシェアする方法の一つです。
現在公開されている Show HN 関連の記事は画面上部にある show メニューから確認することができます。また最新のものはここから確認できます。新しく投稿する際は、title の最初に Show HN をつけるだけでOKです。

何を投稿すべきか
Show HN にはあなたが作ったもので、投稿を見た人が実際に使ってみることができるものを投稿してください。Hacker News のユーザーは試しにそれを使ってみた後、スレッド内でフィードバックや質問を書き込むでしょう。
Show HN に投稿するものはほぼ未完成でもかまいません。このコミュニティはアーリーステージのプロダクトを歓迎します。
ただし、あなたのプロダクトが他の人に使われる準備が全くできていないのであればShow HNには投稿しないでください。準備ができたらどうぞ。
ブログの記事や、ユーザー登録ページ、または資金調達関連のものは Show HN にはふさわしくありません。
新機能の紹介やマイナーチェンジのアップグレードも Show HN にはふさわしくありません。ただし大規模なアップグレードであればおそらく大丈夫です。

コメント内での注意
敬意を払いましょう。
(この後の英文はちょっと翻訳しにくかったので省略)

とにかく、タイトルとアプリのURLさえ投稿したらOKという手軽さなので、自分のプロダクトに英語ページがあるのであれば気楽に投稿したらいいと思う。投稿に失敗したら delete したらいいし。

ちなみに Hacker News に投稿するのに適した時間帯がある。下記の記事は2015〜2016年に Hacker News に投稿された記事の結果を分析したものだ。

多くのソーシャルメディアがそうだけど、週末はやはりアクティブユーザーが少ない。結論としては投稿するのに最適な時間帯は月曜か水曜の17:00〜18:00とのこと。ただしタイムゾーンはUTCなので注意。

6.2. Product Hunt

シリコンバレーで生まれたプロダクト投稿サイトだ。大量のプロダクトが毎日投稿され、投票機能がある。駆け出しエンジニアでも2年間で9つのプロダクトをProduct Huntに掲載して、ユニークでおよそ10万人近くの訪問者を獲得している英語記事)。

これに関してはいろんなハウツー記事が英語で公開されているが、公式ブログでよくまとめられている。

投票機能( upvote という)に基づくトップページのランキングが肝で、プロダクトメーカーはなんとかランキングを上げるためにスパム扱いされない範囲でいろいろがんばっている。このランキングは00:01 PST(太平洋標準時)から24時間サイクルでリセットされる。AM 00:01 PST 以降に登録されたプロダクトはまずは新着に掲載され、そこから upvote の数などを参考にしたアルゴリズムを基に Popular にフィーチャーされる。AM 11:00 PST 以降にフィーチャーされそうなプロダクトは、翌日分にまわされる。投稿するのに最適な時間はないが、すくなくともAM 09:00 PST までにプロダクトを投稿するとよさそうだ。

上記のランキングの動きの説明は公式ブログを意訳しただけなので、いずれ実際に試してみたいところ。また、公式のFAQに基本的な使い方が載っていたので記す。

■ プロダクトを投稿する際は、画面右上にある+ボタンをクリックしてください。そこからプロダクト名やURL、キャッチコピー、説明等を入力して投稿します。サムネイルには3MB以下のGIFも使うことができます。ギャラリーにはすくなくとも2枚以上の画像やyoutubeビデオが利用可能です。Makerにはそのプロダクトを一緒に作った人のProduct Huntアカウントを入力できます。
■ プロダクトを投稿するとすぐにTOPページの Newest フィードに表示されます。
■ アカウントを作っても、すぐに自分のプロダクトを投稿することはできません。下記の条件を満たす必要があります。
- 連続して3日間、何かProduct Hunt内のプロダクトにupvoteをしてください。
- Product Hunt内のプロダクトに11以上upvoteをしてください。
- デイリーダイジェストを購読してください。
■ プロダクトを公開したら、他のユーザーが会話を始めやすいように何かコメントを入れてください。
■ Proアカウントを持っていると、プロダクトの投稿日時を予約できます。
■ 同じプロダクトで、バージョンが違うものを投稿するときは大きなアップグレードかつ最低でも6ヶ月は以前の投稿から期間をあけてください。
■ 友人や知人に upvote をお願いしてもいいですが、やりすぎるとスパム扱いされ、ランキングから外されたりする可能性があります。

アカウント作成時に満たすべき3つの条件のうち、どうやってもデイリーダイジェストを購読できなかったので Product Hunt に問い合わせたところ、なぜかそのままアクティベートしてくれた。他にもいろいろな記事を見て、いくつかTipsを手に入れたのでまとめておく。

■ AM 00:01 PST からその日のランキングレースが始まりますが、すぐには投稿せずに1時間ぐらいは様子をみましょう。なぜならもしGoogleが新製品を投稿したら多くのユーザーの興味がそちらに流れてしまうからです。
■ 一覧ページに載せるプロダクトのサムネイルは目立たせるためにもGIFがいいでしょう。どんなアプリなのかイメージできるようなものがいいです。
■ プロダクトページのスライド式の各紹介画像は読み込み時間の点から2MB以下にした方がいいでしょう。ただし、最初の画像はog:imageにも使われるので1MB以下がオススメです。
■ プロダクトを投稿したら、facebookグループやtwitter、その他のコミュニティで自分のアプリに関連する場所を探してコミュニケーションをとってみましょう。
■ プロダクトページを公開するときは、コメント欄にスペシャルオファーも書いておきましょう。例:Product Hunt を見て登録してくれたユーザーは25%オフ など

ちなみに一覧に載せるサムネイル等の見栄えを確認できるツールがある。

説明を読んでもよくわからなかった部分があるかもしれないので、自分のプロダクトを投稿する前に、数週間程 Product Hunt を使ってみてプロダクトの傾向や、ユーザーの会話などを見てみるといいと思う。

6.3. reddit

アメリカ最大級のソーシャルニュースサイト、掲示板である。Hacker Newsや Product Hunt と比べて、バズったときの破壊力は段違いだそうな。しかし、自分のプロダクトを紹介するときは最も気をつけて投稿する必要がある。

うまくいけば下記のようなことが起こるらしい。


コンテキストやカルチャーを十分に理解する必要があるので、下記のスレッドを参考に、まずは使ってみることをオススメする。

基本的な方針としては、自分のプロダクトに適した subreddit を見つけて、そこに適した文脈で紹介を入れていく感じになると思う。

subredditの見つけ方としては、例えば自分が作っているアプリに関連する英単語を類語辞典などを使って検索したり、「how to find relevant subreddit」でGoogle検索するといったところか。

最後のサイトの紹介がこんな感じで恐縮だが、これから僕も使っていって得た知見をシェアしていきたい。


7. 最後に

いろいろ書いたので大変そうにみえるけど、プロダクトを作ったらGoogle翻訳で英語化して気軽に投稿したらいいと思う。reddit はちょっとむずかしいかもしれないけど、Product Hunt と Hacker News に関してはアーリーステージの未完成のアプリでもある程度動くものならば歓迎してくれる(人気が出るかは別として)。こだわらなければシンプルな投稿でOK。せっかく作ったんだから、ついでに世界を目指そう

最近ちょうどこのブログで話題になっていたAndrey氏なんか一日の時間をプログレスバー形式で表示する"だけ"のジョークみたいなアプリを Product Hunt に投稿して栄えある「Product of the Day」を取得してるし。

自分がインフルエンサーでなくても、SEOが効いてなくても、良いプロダクトさえ作れば大きく跳ねるチャンスがここにはある。どんなにニッチな層に向けたものでも、課題がたしかに存在するのであれば、世界に広げればきっと多くのユーザーを見込める。仮に失敗プロジェクトだったとしても、一定の数のユーザーからフィードバックをもらえるとダメージが少なくて済む。

かくいう僕も、まだこれらのアクションを実際に起こしたわけではないけれど、これからこのプランに沿って自分のプロダクトを発信していきたいと思っている。この記事を参考に、日本の会社の、個人のプロダクトが世界でバズると最高だ。

今後、僕のtwitter @__shinji__ で、実際にやってみた結果や、関連した情報を発信、シェアしていこうと思っているので興味を持った方はフォローしてもらえると有り難いです。

追記:Hacker News, Product Hunt, redditに実際に投稿した記事を書きました!


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