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ドラマとWEBTOONについて〜後編〜

こんにちは、LOCKER ROOMでWEBTOONのプロデューサーをしています、堆朱です。
あけましておめでとうございます!ついに2024年…何が変わったのかと言われたら何も変わっていないような気がしますが、今年も周りの人に感謝をして、悔いのない日々を送りたいなと思います。

個人的な今年の目標は… 運動習慣とか、食生活改善とか、睡眠の質向上とかにしようかと一瞬迷いつつ… やっぱり作品のヒット🙏。私の作品もですが、LOCKER ROOMで作っている全部の作品、24年中に出す予定の作品が十数本ありますので、それら作品たちができるだけ多くの人に読まれ、広がってほしいです。

さて、前回は「ドラマとWEBTOONについて〜前編〜」ということで、ほとんど私のドラマ回顧録を綴りました…。

ラストでも触れましたが、ドラマが好きだった私は、韓国ドラマとWEBTOONの関係性について知り、自分もドラマの原作になるようなWEBTOONの制作に関わりたい!と、今の仕事を始めました。

ということで、今回はWEBTOON原作のドラマについて、書いていこうと思います。

韓国ドラマとWEBTOON

韓国では、WEBTOONのメディアミックス展開はドラマが王道!と言っても過言ではないほど、WEBTOONが原作となったドラマが存在しています。
では、実際その数はどれくらいなのでしょうか?

私調べになりますが、韓国ドラマは年に100本ほど制作されており、その数に大きな変化はありませんでした。(本当に私調べなので、精緻ではないかもしれません。)その中で、WEBTOONが原作となったドラマはいくつあるでしょうか?

  • 2018年:12本

  • 2019年:24本

  • 2020年:19本

  • 2021年:29本

  • 2022年:29本

  • 2023年:29本

これ以前の数字はあまり詳細なものがなかったのですが、2018年ごろからWEBTOONを原作にしたドラマが一気に増えはじめたようで、今では年間30本ほど制作されているようです。では、その歴史はどのようになっているのでしょうか。

2000年〜第一次韓ドラブームとWEBTOONの誕生〜

第一次韓流ブームは、2003年ごろ、『冬のソナタ』のヒットによって始まったと言われています。正直私の世代ではないのですが、世代でなくともタイトル『冬ソナ』と主演の『ヨン様』は誰でも知っているのではないでしょうか。それくらい大きいブームだったと想像します。
この頃の韓国ドラマは、純愛をテーマにした作品が多かったようです。王道は海を越えても王道、万国共通なんです。

ちなみに、WEBTOONの始まりもこの頃です。
韓国では通貨危機や法改正の結果、出版漫画市場が1990年代末に崩壊してしまいます。その後、インターネットの発達とともにゲームやWEBにアップする漫画が誕生します。まだこの頃は、若者が趣味程度にアップするだけだったみたいで、ここから今のように巨大コンテンツ市場に成長するまでには、10年以上の月日が流れます… スマホと相性の良いWEBTOON!と言われていますが、実は最初はパソコンのブラウザから始まっているんですね。

2010年ごろ〜第二次韓流ブーム〜

Kpopの第二世代がブームを巻き起こしていた頃、2009年に「美男(イケメン)ですね」が流行ったことをきっかけに、イケメン男子を題材とした(?)作品が生まれ出します。この頃の原作は実は日本のドラマも多く作られました(とはいえ、元を辿ればこれらも漫画原作なのですが…)。
「イタズラなKiss」や「花より男子」などのリメイクが行われ、純愛モノからちょっとヤンチャなツンデレイケメン男子をメインとした作品が増えます。

そして、WEBTOONからのドラマ化の初期ヒット作品とされている「ミセン(2014)」がようやく生まれます。
ようやく作品数も増えてきて、ここからWEBTOON制作とメディア展開に勢いが増します。

2016年ごろ〜恋愛ドラマ全盛期〜

この頃は、ラブコメ・恋愛ドラマの全盛期。
いやいや、全盛期とはいえ初期からずっと恋愛じゃん!とツッコみたくなりましたが… ドラマはやっぱり女性ターゲットが多く、最もウケの良い題材として恋愛が選ばれるのは、理解に苦しくありません。 

"不滅の命"を生きる"トッケビ"との恋愛を描いた「トッケビ」などをはじめ、ただの恋愛ドラマではない、斬新な要素やファンタジー要素を掛け合わした作品も増えました。

そしてこの頃から一気に、WEBTOONを原作にしたドラマが増えはじめます。韓国のWEBTOONスタジオも、WEBTOONだけではないメディア展開戦略に可能性を感じ、WEBTOONの制作自体も加速に加速を重ねます。
韓国のWEBTOONスタジオもどんどんと制作に本腰を入れるようになりました。Web小説のプラットフォームの成功、Web小説からの漫画化成功、WEBTOONスタジオへの巨額投資… いろいろなものが点から線に繋がるようになります。

2018年「チーズ・イン・ザ・トラップ」、2018年「キム秘書は一体なぜ?」「私のIDはカンナム美人」など、ドラマの流行に合わせた恋愛ドラマが目立ちますね。キム秘書、私の中でもトップを争うほど好きな作品です。

2020年ごろ〜ステイホーム需要/ヒューマンドラマ時代へ〜

2020年ごろから、脱恋愛ドラマ、ヒューマンドラマの流行が始まります。お恥ずかしながら私が韓国ドラマを見出したのはこの頃からです。
ビジネスが点から線につながり、ドラマの制作費も大幅に上がったことにより、より上質なドラマを作り上げるフェーズになったからこそ、派手な演出やスケールの大きなドラマが作られるようになりました。

この辺りはほぼ憶測になりますが、制作費の高騰によりヒット角度を高めるためにも、原作のある作品のドラマ化が増えていくことは容易に想像がつきます。
WEBTOONの制作もスタジオが台頭したことにより、企業が権利を持つ作品が増えてきたことも、この波を後押しする理由だったのではないでしょうか。

日本でも、WEBTOONのメディアミックス化が加速

韓国では長い年月をかけて点と線がつながり、好循環を生み出すビジネスモデルになったことで、WEBTOONもドラマも、もっといえば小説も、成長を遂げたのだと分かります。
個人的にはこういった流れがうまく作れてこそ、息の長いビジネスモデル・業界になると思いますが、日本はどうでしょうか…。まだまだ完全に良い循環が作れている、とは正直思いませんが、確実に、流れを起こそうという動きは感じます。し、LOCKER ROOMもその流れを起こしたいと思っています。

日本のWEBTOONの歴史はここ10年くらいですが、すでにメディア化の流れも生まれはじめています。
2016年アニメ「ReLIFE」、2021年ドラマ「サレタガワのブルー」をはじめ、最近でも「俺だけレベルアップな件」のアニメがかなり話題になったりなど、アニメ、ドラマ、映画に関わらずメディア化された作品は増えてきました。(俺だけレベルアップな件、原作は韓国です。)

もちろん私の中では「ドラマ化する作品を作りたい」という思いは強くありますが、そもそも前提としては、私たちの会社の作品、一緒に作っていただく作家様の作品を、より多くの人に届けるためにメディア展開を目標にしたいという考えのもと、常に作品制作をしています。(ドラマ海外を目指している作品ももちろんありますよ、というお話です笑)

どちらにせよ、まずはWEBTOONとしてどれだけ多くの方に読んでいただき、ファンになってもらえるかが大事だと思うので、地道にコツコツと制作に励みたいと思います。そして、日本のWEBTOON市場もメディアミックス展開を含めた好循環が生まれるよう、祈りつつ、いち業界の人間として頑張っていきたいなと思っています。

参考サイト

以下参考にさせていただきました。


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