ハミダシ ヨン



自身のために手を差し出さずには居られなかったひと
自身のためにその手を握るわけにはいかなかったひと
真逆で同じであることすらをも丸ごと  気付かれていると気付いていると気付き合っていたと認めさせた白い尻尾  横切って描いた水平線に守られて  吹かれた疾風に誘われて  触れた瞼から拡がった波の跳ね返りに許させられてしまった眉の綻びを自覚して向く各々の左  彼女の来た方  行った方
誤魔化し方まで同じで真逆でしたね
その線は

彼女が描いたその線は  守っておくことにしませんか





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