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北米現地就活記録2024(@カナダ、バンクーバー)

割引あり

2023年11月にカナダ・バンクーバーに特に仕事のあてもなく引っ越して、その後現地就活、2024年3月に北米のテック企業にビジネス職として就職が決まるまでの記録です。

移住全般についてはこちらに書いたので、余談好きの気持ちをグッとこらえ、北米での就活に興味ある方の参考になればと思い、本記事では実用面に絞って書きます。具体的な部分は有料箇所としました。1.3万文字のうち5千文字くらいは無料で公開しています。なお、興味ある人に届けば、と思いtwitterで共有頂いた場合には割引になります。

実際に北米就活を検討しており具体を知りたいという方は「具体的アクションの振り返り」までスクロールください。


経歴と状況

2024/03時点です。

  • 30代前半、日本の大学卒、日本で会社員10年(4社)

    • 外資コンサル>>日系上場企業経企>>政府系PE>>国内スタートアップ

    • 経験職種: 経営企画、コーポレートファイナンス、コンサル

  • 日本生まれ日本育ち、いわゆる純ジャパ

  • 海外経験: 留学と長期出張で2-6ヶ月の海外滞在x5。英語圏は最大半年

  • 英語: 話せる。最初のコンサル4年がずっと英語環境だったため

  • ビザ: open work permit

  • 現地での就労経験なし、学校も行ってない(野良就活)

参考(に、なるのか?)

Disclaimer

  • 結果的に1社から内定をもらうことができましたが、後述するように全然面接にすら呼ばれないし、それゆえ作成した無数のレジュメやカバーレターも何がワークしたのかはよくワカランというのが本音です

  • ただ、(リサーチ不足もあると思うが)自分の周りや記事とかを見ていてエンジニアx海外就職という事例はたまに聞くもののビジネス職、かつMBAなど現地の学校を介さず、トランスファー・社内異動でもないというのはあまり聞かなかったので一例として書いてみようと。まあうどんの珍味くらいのノリでご賞味ください

  • なお北米、と言ってもカナダとアメリカでは違うのですが(色々違うんだねェと来てから思ったぜ・・!カナダで大きな声では言えないけど)、働く会社はアメリカが本社、面接もずっとアメリカの人、でもバンクーバーのオフィスで働くので北米と書いています。以下の文章での「こちら」は「北米」というニュアンスで書いています

結果のサマリ

  • 応募: 60件

  • 面接よばれた: 4件 (これ書いてる間に1件来た、時差がありますね)

  • 選考結果: 内定1件、(内定後)選考辞退2件、二次面接落ち1件

  • 仕事: 4月からアメリカのC向けテック企業の本社のファイナンスチームに所属し、バンクーバー拠点(傘下ブランドの一つ)で働いています

北米での就活にチャレンジする方へ

半年前の、何も知らなかった自分がこの話を聞いたら「さすが!やるじゃん!」と言う気もします。でも、内実は「さすが」なんて言えるものもなく、日々気持ちも上下するし、もがき、運良くたまたま引っかかったという感覚です。50件出して1つ面接呼ばれるくらいの世界線なので、その1つがなかったら今もまた一生レジュメとカバーレターを書いていたのか..と思うとヒエッと思います。でも、今もレジュメとカバーレターを書いていたとしたら、その自分と、今現地企業で働いている自分の能力や尊さ(良い言葉が思いつかない)は別に何も変わらないんだろうなと思います。

下記は、具体に入る前に、同じ・似たチャレンジをしようと思う方へのメッセージです。

メンタルについて

会社を調べて、レジュメをカスタマイズして、カバーレター書いて、というのは1社あたり1-2時間ゆうにかかります。人に会うというのも含め、この3ヶ月で私は就活に200時間使いました。時間を使っても、上記のようにフィードバックがあるわけでもありません。暗闇にジャブ打ってる感覚です。自分はメンタル崩壊、のようなものはなかったですが、小さな波は日々ありました。家での何気ない会話のキャッチボール、運動(特にランニングとジム)、そして散歩はよい安定剤になったと思います。副業をして少しでも身入りを作るとかもいいと思います。異国で一旦生きてるだけでも偉いぞ!と思ってもいいし、我が家もよく「果敢に生きとるよな、我々」と言い合ってました。

果敢に生きる(イメージ)

就活中に読んで気が紛れた本

職をスムーズに得るために現地の学校に入りシステムの中に入るのも一つです。いけば解決というわけではないですが、同じ状況の友人やアドバイスしてくれる先生がいると思うのでショートカットになりうると思います(お金と時間はかかりますが)。また北米で働きたいという人は戦略的に外資系の日本法人に入るという方法もあります(世界一流エンジニアの思考法でも推奨されている)。

日本との違い

日本にいたときに比べて

超超超大変!!!

出典: オレ

の一言に尽きます。これまでも経験は積んできたし今もこんな頑張ってるのでなんでじゃーーーと1日7回くらい思ってました。ただこの大変さは日本人だからとかビジネス職だからだけでなく、カナダ人もエンジニアも皆苦労しています。有名大学のPhDを持つニュージーランド出身の友人も、6ヶ月100件応募したと言ってました。景気の影響も肌で感じ日常会話で「レイオフ」を聞くことも珍しくないので、日本との温度感の違いは強く感じます。2ヶ月前就活中に友人に紹介してもらったこちらの会社の人とやっと予定が合って話したら、自分は就職して逆に彼女はレイオフされたばかりという状況でした。

アメリカとカナダの違い

冒頭で北米といってもアメリカとカナダでも違うという話を書きましたが、下記に私が観測したアメリカとカナダの違いを書きます。カナダというかバンクーバー、というバイアスがかかってますが。。また、応募したのはすべてカナダのポジションでしたがアメリカ本社の会社も数多く含まれるので、その推測も含まれています。

  • 給与が必ずしも高くない: 北米=給与高いというイメージ強いですが、それはアメリカの話です。カナダも高水準ではあるし、今円高もあって高く見えますが、アメリカの3-4割引です。でも生活コストはアメリカよりそこまで低くないので、コスパは正直良くないです。東京の方が収入比の生活のコスパは圧倒的にいいと思います。こっちの人と就職の話をしてても「USの会社?USD払い?!」(=カナダが低いという暗示)という話はよく出ます

  • ポジションがそんなにない: これはカナダというよりバンクーバーの特性もありますが、バンクーバーは自然の近さとそのライフスタイルから人を惹きつけるものの、それほど経済が盛んには見えません。スタートアップも(頑張っているが)それほど多いわけではないし、Big techも近くのシアトルのAmazon/Microsoftはあるが他の求人は全然見ません。カナダの中でもトロントやモントリオールだとまだポジションが多いんじゃないかと思います

  • コンサルがない: バンクーバーにはBig4(EY、デロイト等)はあるもののいわゆる戦略ファームが全然ありません。 なのでネットワーキングしてても似たようなバックグラウンドの人に全然会わないし、「元コンサル」みたいなことで評価される気もしません。私が働く会社は結局アメリカのリクルーティングチームから連絡をもらったので、コンサルといったバックグラウンド見てもらえたのかなァと邪推しています

思い立ったが吉日

私はこちらの学校に通っている妻の留学に帯同する形でこっちに来て、配偶者ビザで入国しました。このビザはopen work permitといって時間や会社の制約なく働けるビザなのですが、私が入国してから2ヶ月で私の条件のビザは発給停止になりました(これまでとった人はセーフ。将来的に再開はありうる)。また、こっちでビザとった人が次に目指す永住権(PR)も、数年前は割と簡単に取れたが今は数年現地で働いた人でも至難の業になっています。

この辺のマクロな事情は個人ではどうしようもないので、思った時にはとりあえずやるのがいいと思います。きっとなにか道はあるはずです。

好きにするのがいいと思う

そりゃそうだろ、という感じですが、北米含む海外行くのも行かないのも好きにしたらいいと思います。私も帯同で来ていますが、海外で暮らしてみたいねという話は数年前から互いにしていました。気づけば自分は仕事の延長で海外にいく選択肢があんまないな(=特に戦略的に考えてなかった)、というときに妻が留学するという選択肢を取ることになったので、「ラッキー」とついてきました。日本嫌い・海外で生きていく、と振り切ったわけでもなく、日本もいいけど30年いたし違うことも探索してみようというスタンスです。うまくいかなかった・合わなかったから帰ってきました、もそれまた一興だろうと思ってます。

なので、勝手に好きで来ているので、超大変!!!と思った日も責める相手もいないし、明日も頑張るかーーとまた(文字通り)走ってく日々でした。円安だから外貨を稼ぐべし、とか目指せグローバル人材!みたいな気負いもそんなないので私はこれからも好きに生きていくし、あなたも好きにするのがいいと思います。楽しい人生を生きたいよね。

楽しい人生(イメージ)


=== 以下が2ヶ月半(正確には76日)の就活を経ての具体の振り返りです===

具体的アクションの振り返り

0/ 全体の方針

  • なんでも屋はやめる: 過去の面接では「スタンプラリーですね」と揶揄されるくらい色々なタグの会社を経てきた(日系/外資系/政府系 x コンサル/PE/上場企業/スタートアップ)ので、色々できます!と思っている自分はいます。でもこちらで「色々できます」は、ほぼ「なんにもできない」と自動変換されることに早期に気づいたので職種を絞ることにしました

  • 職種はファイナンス: 当初は事業開発やグロース、なんならプロダクトとかも見てましたが、上記に理由で早い段階でファイナンスに絞りました。具体的な職種としてはFP&A, Financial Analyst等です。経企の経験が長かったのでその延長も探してみましたが、カナダだとあまり"Strategy"という職種はなくて、FP&Aの中に一部内包されている感じがありました。リクルーターにも、「色々探索するとしても、最初とりあえずそういうので入ってからがいい」と言われました。その通りだと思います

  • 業種は広く: ファイナンスの仕事は銀行やファンドといった「ファイナンス業界」に限らず様々な業種にあるので業種は絞らず探しました。できればテック企業、C向けがいいな、等はありましたが、正直、特にお見送りが重なるにつれ、もはやなんでもいいと思うこともありました。カナダっぽい?Mining(資源系)、木材の会社なども応募しました

  • まず入る: 現地就活頑張るぞ!はバンクーバーに引っ越してから決意しました。私は飛び込んだ先でなるべく馴染みたい、なんなら爪痕を残したいと思う「爪痕芸人」(妻談)なので、完全リモートよりもカナダ・バンクーバーの会社がいいなと思ってました。最後の方は、もはや日本での副業よりも◯分の1の時給の現地の会社のインターンにも応募してました。(まず入ってから馴染んだらなんとかなるやろと雑に思っていた)

関係ないけど私は元高飛び込みの選手

下記では具体的に下記の項目についてやったことと感じたことを書きます。

  1. 会社のリサーチ

  2. レジュメ

  3. カバーレター

  4. ネットワーキング

  5. 面接

  6. オファー後

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