理由を探りたくなる理由。

少し時間が経ってしまいましたが

最高の教師の最終回で星崎くんが
「よく事件が起こった時
それについて調べたりするでしょ。
犯人はこんな不幸な生い立ちだったんだとか…
でもそれ思うんだよね。
それって見る側が欲しい理由であって
駄目なことをした人が特別な理由が
無いことだってあるの。」

と言っていました。とても考えさせられました。

確かに、誰かが事件を起こすと
「動機は〇〇だったのかなぁ」
みたいな内容をSNSで呟いている人を
よく見かけることはあります。

何故このように人々は理由を欲しがるのか…
星崎くんのおかげでいろいろ考えさせられました。

そして答えが見えてきたので
お話していきたいと思います。

人間の本能

もしかすると
人間は理由を欲しがる生き物なのかもしれません。

理由がないとどこか腑に落ちないというか
気持ち悪い感覚に陥ってしまう

そのような本能があるのかもしれません。

ドラマの影響

ドラマ、映画などで 
登場人物が何かを言ったりやったりする時は
何かしらの理由があることが多いと思います。

「伏線が回収される」なんて
よく言ったりしますしね。

特に何か事件が起これば
物語の終盤あたりで必ずと言って良いほど
その事件を起こした人物や 
事件を起こした動機などが明らかにされます。

もしかすると人々は無意識にこの感覚に慣れていて
現実でもそのようなものだと思ってしまっている
ところはあるのかもしれません。

世の中には
理由が無いことだってありますし
色々な事が複雑に絡みあいすぎて
明確に理由を特定することは不可能な場合も
あると思います。

しかし、この感覚に慣れていると
そのような事実が受け入れ難くなり
理由を探してしまうのかもしれません。

正直人にもよるのかもしれませんが
ドラマと現実の区別がつきにくい人は
(自分自身も含む)要注意だと思います。

自分の辛さを正当化したい

正直、今までの二つよりも
これが一番理由としては大きいと思っています。

これは私の経験なのですが

私は、誰かが事件を起こした時に

もしかしたらこの人は発達障害で
今まで適切な支援を受ける事が出来ていなくて
2次障害に陥り
このような事件を起こしてしまったのかもしれない

と考えるところがあったんです。

そして、SNS上で同じように呟いている人を見ては
「やっぱりそうだよね。」
と思っている自分がいました。

私も、今は支援を受けられていますが
幼い頃から支援を受けられている人に比べると
支援を受けるのは遅かったと思っています。
そのせいでいろいろしんどいこともありました。

私はこのしんどさを正当化したいがために
誰かが事件を起こした時に
そのように考えてしまうのかな
と気づくことが出来ました。
そして、この事件を起こした人も
自分と同じ理由でしんどかったんだなと思い
親近感を持ちたいというのもあるのかなと
思いました。

しかし、勝手に同じしんどさなのだと考え
親近感を持っているだけなので
これは、自己満足でしかありません。

私は、発達障害があり
支援を受けるのが遅れてしんどい思いをしましたが
家庭環境が原因でしんどい思いをした人は
「もしかしたらこの人も家庭環境が原因で…」
と考えるのかもしれませんし
男性(女性)差別でしんどい思いをした人は
「やっぱり男性(女性)だと生きづらいから
こんな事件を起こすんだよ…」
と考えるのかもしれません。

つまり、これは私だけではなく
誰しもがやってしまいがちな思考だとも
思っています。

自分はこんなにもしんどかったんだ。
しんどいんだ。という事実を認めてほしいという
気持ちがあるのかもしれません。

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