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連弾チクルス06ファイナル


レクチャーはしなかった。この日はただのMC。MC用のメモが残ってる曲だけ、ちょっと書き足してみた。

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2016年 11/5長野市芸術館リサイタルホール

小山香織、山田えり子、深沢雅美、松橋朋潤、石坂愛、神林杏子、    水澤未来、須田桃香



リスト:祝祭ポロネーズS.230a(4手)primo:松橋朋潤/ secondo:深沢雅美

1874年、リスト64歳の頃の作品。ザクセン王女マリーの結婚のためにと楽譜には書いてあるようです。晩年の作品ですが、晩年の特徴である前衛性や宗教性はまっったく!感じられません。同時期には「ハンガリー突撃行進曲」みたいなご機嫌な曲(これ、けっこういい曲〜。)も書いています。晩年のリストの創作は前衛で過激だったけれども、こーゆー曲も機会があれば書いていたんです。頼まれれば、パーティー用の曲だって式典用の曲だって書きますよ。そりゃあ生きてればいろいろあるさ。付き合いもあるし、金が必要なこともある。難しい顔ばかりしていられないですよ。みんなそうでしょ。人間だもの。ワイマールはザクセン公国の首都だったんですから、宮廷楽長を務めたことのあるリストにこーゆー式典の音楽の注文が舞い込むのは、ごく自然なことでしょう。

ハンガリー突撃行進曲の6手のアレンジの動画、これ超楽しそうだなあ。この楽譜ないのかなー。


ラフマニノフ:「6つの小品」op.11より(4手)
第2番「スケルツォ」、第6番「賛歌」
primo:神林杏子/ secondo:須田桃香

ラフマニノフの「6つの小品」op.11から2曲聴いて頂きましょう。2の「スケルツォ」と6の「賛歌(スラヴァ)」です。1894年ラフマニノフの21歳の頃の作品。1892年に音楽院を卒業してこれから音楽家としてやっていこうとゆー時期です。しかしラフマニノフはこの時期までに既に有名な前奏曲嬰ハ短調Op.3-2「鐘」で大成功を収めていましたし、1894年までには組曲第1番Op.5悲しみの三重奏曲Op.9ピアノ協奏曲第1番Op.1「岩」Op.7なども書いていて、作曲家としての腕はこの時点で十分に熟練していたと言っていいでしょう。オペラだってもう書いちゃってた。すげえ。

■ピアソラ:リベルタンゴ(4手)
primo:石坂愛/ secondo:水澤未来

■チャイコフスキー:「くるみ割り人形」より(4手)
トレパック葦笛の踊り


primo小山香織 secondo:山田えり子


■ラヴェル:「挿絵」(5手)
primo:神林杏子 secondo:小山香織 terzo:松橋朋潤

ピアノ5手で演奏される [挿絵 Frontispice](1918)はたった15小節の小品。演奏時間は約2分。5手は珍しいですね。2手&2手&1手の計5手。奏者は3人で、一人は片手だけになります。

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1918年の頃のラヴェルは1917年に母親を亡くしたこともあって鬱状態にあり精神状態も体調も最悪でした。「挿絵」にはこの時期のラヴェルの状態がそのまま反映されていると言っていいでしょう、1918年といえば第一次大戦直後。ラヴェルは大戦に輸送兵として従軍し、前線で砲弾の下をかいくぐって資材を運ぶような危険な任務についていました。この恐ろしい体験がラヴェルに与えた影響は心身ともに甚大なものでした。

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「挿絵」が書かれた頃に公に演奏されたかどうかは不明です。その後もずっと演奏されないままでした。1954年にピエール・ブーレーズが企画したコンサートでこの作品はようやく蘇演されました。

音楽評論家のマルセル・マルナは、この作品について以下のように説明しています。「… 3つの独立した旋律線が折り重なり、やがて、5本目の手による和音の干渉で嘲られます。低音部だけはしっかり残されたまま、不吉な雰囲気で同じ音を繰り返します。 この語法はあたう限り斬新で、ラヴェルが創造した他の全ての作品と比べても驚くほど自由さを帯びます。」

👇はブーレーズのオーケストラアレンジです。恐ろしく美しいアレンジ!


■スーザ(編曲・松橋朋潤):行進曲「星条旗よ永遠なれ」(6手)
primo:小山香織 secondo:神林杏子 terzo:松橋朋潤

=休憩=

■マイク・コーニック:「3つの小品」(6手)            primo:水澤未来 secondo:山田えり子 terzo:深沢雅美
1.Anyone for Tennis?/ 2.Baroque to the Blues / 3.Benodet Breeze

マイク・コーニック(1947)はピアノを学び始めると徐々にジャズピアノを弾くようになりました。その後、ロンドンのトリニティ音楽大学で作曲を学び、アッシャーバーグ作曲賞を受賞しています。彼は小中学校や成人教育のクラスで音楽を教えてきました。彼のジャズピアノの楽譜はよく知られていて、ピアノ教室でもよく使用されています。洒落た楽しい曲がたくさんあります。教育的にも最適です。クラシックばかりで息詰まってる生徒の気分をちょっと変えたいときには彼の弾きやすく楽しい作品は最高でしょう。


■ラフマニノフ:ロマンス(6手)
primo:松橋朋潤 / secondo:須田桃香 terzo:石坂愛

↑の動画、凄い組み合わせだー。キーシン、シチェドリン、トリフォノフ!シチェドリンってあのシチェドリンでしょ?こりゃ貴重な記録だー。          シチェドリンはそもそもピアノめっちゃうまいんだよな....。

1890年。ラフマニノフ18歳くらいのときに書かれた「6手のための3つの作品(ワルツロマンス、ポロネーズ)」の第二曲です。調べると三曲で書いてるのもあって、それはポロネーズもあるんだけど確認できなかった。これはホントなのかな。演奏されるのはワルツとロマンスばかりで、だいたい2つの作品って言ってますよね。ロマンスはピアノ協奏曲第2番の原型みたいな曲ですね。印象的なアルペジオはそのままピアノ協奏曲第2番に流用されています。


■ラヴィニャック:ギャロップマーチ(8手)
1神林杏子 2小山香織 3深沢雅美 4松橋朋潤



■ヨハン・シュトラウス1世:ラデツキー行進曲(8手)
1水澤未来 2須田桃香 3石坂愛4山田えり子

■チャイコフスキー:トレパック(12手)
1山田えり子 2神林杏子 3松橋朋潤 4深沢雅美 5石坂愛 6小山香織


■アンコール、ハチャトゥリャン「剣の舞

「剣の舞」がお好きなら「レスギンカ」も忘れちゃいけない!


おまけ:練習動画やリハの様子など

練習がとにかく賑やかだ(^◇^;)笑いが絶えなかった

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